全国民待望の意志強ナツ子新連載 #1巻応援
全国民が待ち侘びた意志強ナツ子先生の新連載、第1巻ですよ…!! 宗教のお話であり、宗教ビジネスのお話。 人々の信仰心を利用してお金を稼ぐことは神への冒涜のように感じられるのだが、るなしいにおける神の存在は絶対。 火神の子として生きている少女・るなは閉経するまで処女であらねばならないし、恋もしてはならない。 神であり続けるためには犠牲も厭わない。人を騙すための演出もする。火神は間違いなく存在する。 アンビバレントでありながらブレない世界観。これこそ意志強ナツ子先生の世界観。 るなしいは「神の子として生まれた郷田るなの伝記である」ので、るなの出生や家族についても明かされていくのかな、と期待が膨らみます。 彼女を取り巻く2人の少年、ケンショーとスバルの今後も気になります。 2巻が出てから一気に読みたいけど気になりすぎて小説現代読もうかな…
「るなしい」は,意志強ナツ子先生の新刊です。今のところ,既刊は1巻のみ。
掲載誌はなんと小説現代。
意志強先生の過去作は,「魔術師A」と,あとは「りゅうのすけくん」だけ読んだことがありました。
http://leedcafe.com/webcomic/exmanga019a/
どちらも面白いのですが,エロ比重が大きすぎて,正直自分の中で持て余していたところ,
本作は,(少なくとも1巻の時点では)直接的な描写はなく,比較的読みやすい作品になっています。
主人公の「るな」は,学校内でいじめをうけている,もっさりした感じのメガネ女子高生。
彼女は,広報委員会に所属しており,その中では「オタサーの姫」的な扱いを受けています。
一方で,彼女は,学校内で,処女の血がしみ込んだモグサを売って,
希望者にお灸をする(しかも有料)という,やや怪しげな活動にも手を出している人物。
そんな彼女が,ふとしたことから背の高いイケメンと仲良くなって…というところからストーリーが始まります。
…こう書くと,なんだかラブストーリーが始まりそうですが,
意志強先生のお話ですので,そうではなく,
中心になっていくのは「やや怪しげな活動」の部分です。
るなの「おばば」は,
るなを「神の子」とするリアルな「信者ビジネス」を営んでおり,
その考え方は,ほぼカルトです。
悩みがある者を焚き付け,家族と切り離し,
奇跡を見せて,取り込んでいく…。
もちろんガッチリお金をとる。
るな自身も,そのことを充分に把握したうえで,
これに加担し,背の高いイケメン(ケンショー君)を取り込んでいく…。
破滅が確定している結末に向けて,
不穏さばかりが増していく物語。
オバケが出てくるわけでもないのにホラー感は強く,
ゾクゾクするような読み味であり,きっと名作になるであろうと予感させてくれる作品です。