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小さな相談も引き受ける、町の弁護士・武尾恵蔵。実家が喫茶店を営むアラサー女子・小堀結希。恵蔵の姉・真保と親友だった結希は、真保の死をきっかけにしょぼくれている恵蔵を気にかけ、食事に誘い始める。だが、以前から《ふたり》の間にあった微妙な距離感が食事の邪魔をする…… そこで結希が提案したのが「割りカン」だった。そのルールが《ふたり》の関係を次第に変化させていく──。実在の飲食店を舞台にした物語では「町のレストランでグラタン&カキフライ」や「人気のイタリアンでアクアパッツァ」、「思い出の焼肉屋でロースに白飯」などが登場。巻末では、それらのお店も紹介する。
共に食事をする男女の関係にも色々ある。
だが勘定が「割りカンで」ということであれば
それはおおむね、相手と貸し借りを作りたくない、
距離を保ちたい、という関係の場合が多いと思う。
割りカンならすべてそうだとまでは思わないが、
積極的に相手との距離を縮めたいと望む関係ならば、
あまり割りカンにはしないだろう。
なのでこの漫画のタイトルに「割りカン」とあり、
それでいていかにもカップルっぽい男女の絵が
描かれているのを見たときには、
「ああ、常に割りカンという割り切ったカップルと見せかけて
実はそれでいて超親密とか、相思相愛とか、
ツンデレゆえに割りカンをする、とかいう感じのカップルの
ひと捻りしたラブコメ話の漫画なんだろうな。」
と推測した。
まだ全2巻のうちの第1巻しか読んでいないので、
その考えが間違っていたと結論づける段階ではない。
だがいまのところ、推測していたのとは違って、
結構そのまんま距離を保った男女のまま話は進んでいる。
まあ少しづつ、以前よりも互いを理解しつつあるし、
仲は良くなっていっているとは思うけれども。
今のところ普通の意味で「健全な大人の男女の飲食話」。
健全過ぎてエロ要素とか皆無なので、下衆な意味で
「とっとと喰っちゃえよ!」
と思ってしまう部分もあったりするが(笑)。
それと勘定がどうこうという話ではあっても、
どっちかがとか誰かが金持ちだとか貧乏だとか、
そういう金銭的なリアルさを感じさせるシーンも少ないですね。
ようするに無駄にドラマチックな展開とか、
意表を突くような展開とかは殆どありません。
少し不器用な関係と生き方をしている男女の生活を舞台に、
悩んだり、ホッとしたりとした感情の機微を中心に
話が進んでいる感じです。
それだけに最終回までにこの男女が、
この男女の日常ドラマがどう変わるのか、
それとも変わらないのか、
興味は沸きました。
これからもずっと割りカンで、と終るのか、
それともこれからは、で終わるのか。
(添付画像は第1巻からです)