コミュニケーションをとることの難しさ
8歳の男の子、高嶺の里親になる決意をする現漫画家(元保育士)旭のお話。 里親になることの難しさや、子供が大人に気を使ったりな敏感な心が繊細に描かれているなと思った。 物語はこれからかと思うが、付かず離れずでまだ本音も中々言えない2人が一緒に暮らすことでどう心を交わしていくのか(?)気になるところ。
漫画家である鈴木旭のもとに、保育士時代の生徒である山本高嶺から手紙が送られてきた。鈴木は、懐かしく想い高嶺と出会い交流を深めていく。高嶺は、母親と離れ、児童養護施設で暮らしていた――。 他人の息子を育てることはできますか? 家族は、血が繋がってなくてもいいですか? 30代独身男と少年の、里親・里子物語。
2019年にベビモフで連載が始まり、Dモーニングに移行して2021年7月に完結。
9月発売の3巻が最終巻となる『人の息子』。
主な内容や感想に関しては他の方のクチコミを見ていただくとして、ここでは少し違う視点で作品を紹介します。
高嶺くんの里親となり幸せにしてあげたいと奮闘する『あさひ先生』こと鈴木旭。
1話では「そういえば先生 泣き虫だったね」という高嶺くんのセリフがあります。
鈴木は全22話でどれくらい泣いているのか?読み返してみました。
◯1巻
1話 高嶺くんとの面会時、また後日ハムラーメンを振舞った時に泣いている。
2話 泣いていない。
3話 重松さんの優しさに触れて、その後高嶺くんの「ずっと一緒にいたいな」に泣いている。
4話 泣いていない。泣いたのは鈴木母。
5話 泣いていない。泣いたのは回想中の鈴木父。
6話 泣いていない。泣いたのは高嶺。
7話 泣いていない。泣いたのは高嶺。
◯2巻
8話 重松さんの優しさに泣いている。エノスイでお土産を買うときも少々。
9話 泣いていない。
10話 秋山さんの援護に泣いている。
11話 泣いていない。
12話 泣いていない。(読者は泣いたかも)
13話 泣いていない。泣いたのは高嶺。
◯3巻
14話 泣いていない。
15話 泣いていない。
16話 泣いていない。
17話 自動心理司さんにお任せできず涙目。
18話 泣いていない。
19話 微妙。高嶺の卒園証書を見て泣いているかも?
20話 泣いていない。
21話 泣いている。(読者も泣くわ)
最終話 高嶺を送り出す際に泣いている。(こんなん泣くわ)
読み返してみると確かにちょくちょく泣いてはいますが、そこまで泣き虫でもないんですよね。
特に後半は泣く頻度が落ちていて、里親としてしっかりしたんだな、しっかりしなくちゃいけなかったんだな…と感じさせられます。
そんな『人の息子』全3巻、是非是非オススメです。