好きなページ数でのびのびと描いたら面白くなるのかというと、そうとも限らないですよね。
深いねえ…
あとがきを読んで知ったのですが、作者が初めてLINEマンガで連載したものをまとめた短編集らしいです。LINEマンガで連載したことによって何が今までと変わるかというと、紙の雑誌と違い電子ではページ数の制限がない。それにより、ネーム制作時にページ数に合わせて内容を削ったりする必要がなく、胸躍ったとのこと。
だからといってものすごく長いものが出来上がっているわけでもないですが、そういう意味ではこれまでの中でものびのびと描かれた作品ということになるのかなと思いました。
ただあとがきのなかでも言及されていますが、好きなページ数でのびのびと描いたら面白くなるのかというと、そうとも限らないですよね。漫画って難しい。すごい伊藤潤二オタクみたいな人が読んだらなにか思うところがあるのかは気になります。個人的には4編全部面白かったですけど。
面白いというか、伊藤潤二作品を読んでて常々思うのは「読みやすい」ということ。この短編集とかとくに、表紙があまりキャッチーじゃないので表紙だけ見て買う人ってそんなに多くないのかなと勝手に思ってます。だけど、実際に読むとその読みやすさに驚きます。
最後の「まどろみ」がいちばん好きです。
東北を旅行するカップルが田舎道を歩いていたところ、葬式で大きな声で泣く女を目撃した。どうもその女は「泣き女」という職業らしい。それを見たカップルの女性に異変が!?(「泣女坂」から)。ホラーの鬼才が見る者すべてを極限の恐怖へ誘う、傑作ホラー短編集!
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