いつか有害図書になったら素敵にコメントする
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えれほん

ジョークと思うことなかれ、真剣に恐ろしいショートショート

えれほん うめざわしゅん
さいろく
さいろく

奇才うめざわしゅん先生のとんでもないショートショート。 ただ「恐ろしい」というのは全てには当てはまらず、解釈次第である。 趣味趣向の偏向でオタク文化を切り分けたまま極端に育てたらどうなるか、といったような第一話。 ©、いわゆるコピーライト。それはその人名あるいは団体名が保持する著作権物である事を示すが、全てが著作権(IP)に守られていたらどんな未来かを揶揄しながらもさらに捻られまくった第二話。 そして一人の人間として認めるのはどこから?人権って何?というのをもしこうだったらどうなるか?というめちゃくちゃ考えさせられる第三話。 最後に、エピローグ。これも皮肉りまくってて面白い。 余談というかアレだが、自分自身これまで社会で生きてきて、「ただ声がデカいだけの人」というのが10年ほど前までは本当に大手を振っていたが、徐々にそういった社会が変わりつつあることを実感している。 未だに偏った人たちによる意見というのは目立つものだが、よーく考えてみるとそれらの意見は非常にマイノリティなもので、要するに普通じゃないですアピールであったりかまってちゃん的なアピールとなんら変わらないという解釈も出来てしまう。私がそう思っているとは言わないが、そういう事だろう。 うめざわしゅん先生の作品は割とそういった風刺が効いたものが多く、皮肉ってるだけではないものの、読者はある程度「自分でモノを調べる事が出来る」ぐらいの能力(教養?)を必要とする。 また、あえてやってるのにそのまま一本描ききっちゃうから途中から自然すぎて忘れてしまうが、多くは模写から始まる。北条司、藤子・F・不二雄のようにわかりやすいものから最近の漫画家のものまであって、それはそれでわかると(これはリスペクトだと思うが)とてもおもしろい。 本作はとにかく最高である、というのは言えよう。ショートショートは得てしてこういう不気味さが必要だ。

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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