不憫可愛いという新ジャンル
負けヒロインの不憫さがこんなに可愛いく描けるなんて思わなかった。 幼馴染みは負けフラグなんていいますが、そんないわゆる「負けヒロイン」の要素をすべてもった姫ヶ崎櫻子。 何やっても想い人・三森夏樹には届かず、真剣に扱われず、むしろコミカルになってしまう。 ラッキースケベも、見飽きたレベル。 ぽっと出の転校生である榊雪菜は、黒髪清楚で、謎な親の都合で夏樹と同棲することになるといった、正ヒロイン感がむんむん。 姫ヶ崎の空回りっぷりも面白いのですが、 どこかズレている榊雪菜との二人のやりとりがとにかく面白い。 姫ヶ崎が究極的に何もわかっていないのが(何がわかってないかは本編1巻で出てくるので確認してほしい)、より面白い。 不憫可愛いというのも、よく分かる感じ。 もうすでに負けているのか、勝っているのかわかりませんが、ラブコメとしては好きな部類でした。 ラブコメのドタバタした感じが好きな人はハマると思います。
また現れたってわけです、因果律がバグっているタイプのキャラクターが。あらゆる能力を兼ね備えているのになぜだか気の毒な目にばかり遭って1ミリも恋が報われない。そんな「負けヒロイン」の概念を体現するのが不憫可愛い主人公・姫ヶ崎櫻子ちゃんです。
どれくらい不憫かと言うと意中の夏樹くんが高校進学した途端に超美人の転校生と同棲を始める程度には不憫。運命に負けている。
comicwalkerの画像の「負けヒロインだって恋がしたい!」が哀愁を誘いますね。なんて悲愴なコピーだよ。
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF06201721010000_68/
でも実は夏樹くんも櫻子さんのことが好きなので安心してください。本当にありがとう。
ヒロインから主人公への告白が話の都合でキャンセルされるのはラブコメでよく見かけますが櫻子さんの場合は逆。実は夏樹くんから何度も告られているのに彼女が聞き取れなかったり邪魔が入ったり、絶対に伝わることがないのです。
このすれ違いを積み重ねた結果、夏樹くんは本当は好きなのに「どうせあかんやろ」と常に平熱状態で過ごしているため、櫻子さんが一層やきもきすることになる負のスパイラル。負けるための因果が彼女を縛っている。この運命から逃れられる日が来るのか見守っていきたいですね。勝ってくれ〜〜〜。
最後に1巻で特に面白かったエピソードをお伝えしますと、姫ヶ崎さんが壁の穴にハマって抜け出せなくなる壁尻回です。本当にあるんだ信じて読んでくれ!