天才外科医朝田を描いた医学マンガにコメントする
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医龍

医局の政治と変革

医龍 乃木坂太郎 永井明
名無し

『シグルイ』の冒頭にはこのような言葉があります。「封建社会の完成形は 少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ」。『医龍』を読んでいて、この言葉を思い出しました。民主主義な現代日本を舞台にしていながら、『医龍』に描かれる医局はまさに封建社会そのものなのです。  『医龍』で描かれるのは医局の政治。医局の中は完全なる上下関係で、大多数の人間は上から押さえつけられ、自身の弱さにあえぐことになります。この作品内において、絶対的な強者が二名います。一人は胸部心臓外科を支配する医局長の野口。そしてもう一人、圧倒的な腕をもつが故に、組織に属さずにいられる天才外科医・朝田。  そして、最も大事なキャラクターが、医局内で最も地位の低い、研修医の伊集院です。物語は、医局で大過なく過ごすことしか考えていなかった伊集院が、天才・朝田との出会いによってどのように成長していくのかがポイントになっていきます。平凡な伊集院が、どんな道を選びのか…それが医局の変革になっていくのです。  伊集院が朝田というスターを見ながら自分自身の道を探していく過程はとでも面白いのですが、私は彼らの周りにいる弱者に興味が移ってしまいます。  とくに木原と霧島の二人が好きです。伊集院のかつての指導医・木原は、上に媚び、下に強くあたる人間です。医局から追い出されるのを恐れ、よるべき大樹を常にさがしています。そこに野口の推す教授候補として現れたのが霧島。霧島はかつて、朝田に罪をなすりつけ当時いた大学から追い出したことがあります。朝田の天才的な技術に羨望と同時にコンプレックスを感じているのです。  木原は当初、野口の推薦ということで霧島に取り行っていましたが、だんだんと霧島に共感していくのです。14~15巻のエピソードにそれが描かれています。手術中、霧島のミスをかばい、自身が医局から追い出されるかもしれない時、木原は全てを野口に言おうかと思います。けれど木原はそれをしませんでした。あの弱い木原がなぜそうしなかったのか…ここは屈指の名シーンです。その言葉に、霧島は朝田へのコンプレックスから解放され、自分だけの道を見つけることとなります。  ただ、霧島と木原の関係が、これで終わらないのもこの漫画の面白いところ。紆余曲折を越えた最終エピソードでも一番の輝きを放っていたのが、この木原と霧島。平凡で、ずるくて、弱いけれども、それでも前にむかおうとする普通の人々が美しく思える漫画なのです。

鬼ゴロシ

昏睡から目覚めたジジイによるハードな復讐劇!!

鬼ゴロシ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まだ読んでるところ4話目だけど、かなりハードで面白い!! 街のヤクザたちぶっ倒しまくって無双していた主人公が、5人の仮面被った男たちに嫁と娘を殺され、自分の頭に銃弾ぶっ込まれて植物状態で15年刑務所にいて、出所して子分にお守りされながら飲み行ったら潰した組のやつに包丁ぶっ刺されて道端に放置されて警察に見つかって連れてかれて、運悪く近くで起きてた一家殺人事件の重要参考人として尋問されたら、刑事が自分の家族殺した仮面のやつと同じ話を始めて・・そして、15年の眠りから意識を取り戻す!!!!ここまで一話!! ここから凄絶な復讐が始まる!!!! 熱い!!熱すぎる!!!! 河部真道先生の漫画は、鎌倉末期の『バンデット』、近未来のディストピアを描いた『KILLER APE』と、それぞれ時代こそ違えど、濃くて熱い殺し合いの物語が展開されてきた。 そして今回、ついに現代! そしてこの土地では過去から鬼憑の伝説があるということで土地の背景と業も背負っている!! これからどうやって復讐していくのか、5人は一体誰なのか、ミステリー要素もありつつ楽しみすぎる~!!! 早くも実写映画化してほしい!

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