WORST外伝 グリコ 髙橋ヒロシ 鈴木リュータ 高橋ヒロシ
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外科医・九鬼大五(くき だいご)はある日、酩酊状態で暴れて逮捕された。釈放の際、警察署長は医師としての大五の将来を案じ、『山下病院』を訪ねるようアドバイスをする。院長の山下毅一郎(やました きいちろう)が人格者で、町の人たちから慕われているからだ。しかし大五は、山下院長を偽善者と決め付けて…。――医師の世界の裏側を見てしまい、心が荒んでしまった青年医師・大五の未来は!? 終戦直後に立てられた小屋から始まった病院を舞台に繰り広げられる感動の人間ドラマ!
笑えそうだなと思って読み始めたらそこそこ面白かった。しょっぱなから主人公・大五がクラブ(ディスコ?)の客たちが楽しそうにゴーゴーを踊ってるところにバイクで突っ込んでくるというとんでもぶりで良かった。
医療ミスで2歳の女の子を殺してしまった大五は、その医療ミスを病院側が隠蔽したことで荒れてしまった。警察署長から街の人々から「サンタ先生」と慕われる山下病院の院長・山下のもとで働くよう勧められ、大五は山下の偽善者面を暴いてやろうと決意する。
集団おたふく風邪の子どもたちを助けるために夜っぴて看病する山下院長が、「きれいなねまきを着せてやるのも……治療のうちだよ」というシーンが良い。
オンボロの病院でアル中掃除夫として働くモクさんこそが医者で、山下院長は医師免許を持たない元衛生兵だったという展開は王道なんだけど、戦時中のフィリピンでの体験がしっかり描かれてて面白かった。
1〜2巻で山下院長の正体が世間に明らかになったあと、3巻で大五は自ら医師免許証を破り捨てヤブ医者としての旅に出る「第二部 放浪辺」が始まるのですが、残念ながらPart1「谷下路村覚書」とPart2「少年は鳩の中に」でエピローグもなく終わり。
Part2でいきなり画風が変わって大五の顔が綺麗になってたのが印象に残った。
始め全くの初見で時代設定がわからないまま読み始めたら、病院でいきなり大五がDDTぶっかけられて時代を感じました。(ちなみに作中では山下院長が戦後の焼け野原に病院を建てて28年という設定)