トップガン
最初は村上もとか原作ということで少し古い話なのかな?と思って読んでいたのだけど、現代の航空自衛隊のお話。 自衛官になり、ファイターパイロット(戦闘機乗り)を目指す主人公とその学科課程など、かなり詳しく描かれている。 冒頭から戦闘機の超精密な描写があり、爺ちゃんの昔話の回想シーンではゼロ戦・紫電改・白菊などの紹介シーンも出てくる。どれも素晴らしく絵が上手い。 トム・クルーズ主演の映画「トップガン」をご存知の方は主題歌である名曲Danger Zoneがすぐにでも頭の中で流れるであろう、そんな戦闘機バカとも言えるような作品だが、このコロナが蔓延しているご時世では航空自衛隊の出番がある可能性もある。 と思うと自衛官という我が国を護る面々がどんな想いで自衛官になり、その職務を全うするためどんな努力をしているかが見られるのは興味深いものがあった。 現代においても、領空侵犯を航空自衛隊が取り締まることがなければどうなっていたかわからない。昨年(令和元年)の6月にすらロシアが沖縄に爆撃機で領空侵犯を平気で行っている。 陸はもちろんのこと、海も空も守らなければいけないのだ、という事を理解できる内容だった。 ソラモリ、全2巻でコンパクトにまとまっていて素晴らしい作品だと思う。
かつて大ヒットした映画「トップガン」
迫力有る戦闘機の空中戦映像などに
主人公の成長譚がミックスされている名作。
だが映画公開当時に見てから、ずっと疑問に
思っていることはある。
米軍がソ連軍の戦闘機をアッサリと撃墜。
それでいいの?と思った。
娯楽映画なのだから、ヤボな感想だったかもしれないが。
「ソラモリ」もまた、主人公は戦闘機乗りに憧れて
自衛隊学校に入校し、努力し成長して行く話だが、
トップガンとは似て異なり、トップガンに感じた疑問点を
色々な角度から再検討させてくれる内容だった。
主人公は戦闘機乗りになりたい、
早く、速く、長く戦闘機に乗りたい、と
高校卒業と同時に空自の航空学生となる。
出世欲は皆無。
国防意識は、ある意味で普通。
だが祖父が元・特攻隊員。
父はそんな祖父に複雑な思いを抱いている。
母は自衛隊を軍隊と思い、危険な仕事と思っている。
そして主人公は航空学校から自衛隊へと
進んでいくなかで
家族以外にも色々な人との出会いや経験をして、
考え方も変わっていく。
空を飛ぶことの大変さや意義や責任を深く学び、
単なる憧れとしての「飛びたい」では無くなっていく。
国防として空を飛ぶ自衛隊を描きながら、
国防・防空についてを漫画で描きながら、
これは単なる自衛隊肯定でもなければ戦争批判でもなく
絵空事ではない話だと意識させてくる漫画だ。