どれも心温まるいい話ばかりでした。大きなテーマは「縁」じゃないかと思います。家族の話が多いですが特に結婚に関わるものが多かったです。夫が定年退職を迎えた夫婦の話に一番グッときました。ウェディングプランナーをしている娘から「夫婦はどうして最後まで添い遂げるのか?」という質問を妻がされる。夫はプロポーズの言葉も地味だったし、定年後は毎日ジグソーパズルに勤しんでいるような寡黙な男だが、自分が退職した日には妻に花束をプレゼントするような優しさがある。夫婦の関係を言葉では言い尽くせないのは、2人にしか分からない思い出がたくさんあるからなんですね。読み終わって最近の自分は心が荒んでたなと反省しました…。
初恋、幼馴染、失恋…幼いころの、忘れてしまった感覚が色鮮やかによみがえる青春が詰まったオムニバス短編集! 清涼感のある画風で胸にグッとくる1冊!