親友の子供を引き取り始まる同居生活にコメントする
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春とみどり

つぐみは春に、私から去った。

春とみどり 深海紺
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ツグミという鳥は渡り鳥で、秋冬にシベリアやカムチャツカから来て、春になると帰っていくのだそうです。 https://pepy.xsrv.jp/22348 本作の主人公・みどり(31)と暮らす春子(14)の死んだ母親は、みどりの同級生・つぐみ。 一度はみどりに友人として居場所を与えながら、中学の卒業式でみどりを置いて消えたつぐみは、春子にとってもただ一人の拠所だった。緑芽吹く春に、ツグミは去った……三人の名前には、そんな切ない関係性が反映されている様です。 つぐみへの想いは二人を引き合わせ、繋がりの無かった他人同士の、年の差同居へと進みます。しかし自信も生活力も無いみどりは、中学生の春子に食事を始め、生活をリードされがち。 更に春子につぐみの面影を重ねる回想シーンでは、同じ年頃・同じ顔の女の子が交互に現れ、みどりも読者も軽く幻惑させられます。 同じ顔で、同じ言葉を言い、恐らく性格も似ていて、でも別人の春子に、みどりは長年募らせた愛情や後悔を重ねてしまう。そんなみどりは見ていて苦しいけれども、自分の中にもある内向性に共感もする。 例えば伝えられなかった感情に執着して、苦しむ人に届いて欲しい内容だと思います。春子と共に歩むみどりの柔らかい変化に、先ずは安堵して欲しい。 まだ見ぬ誰かの為に、料理くらいは出来る様になっておきたい……と思いつつ。

宝石の国

重さと軽さが同居する、命の話

宝石の国
アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

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