好きなことが見つけられず、放課後を持て余す女子高生・高峯。ある日、電車内で落とした本を取り違えたことから読書好きの他校の生徒・咲倉と出会う。「本」を介した放課後のみの不思議な交流の中、高峯と咲倉はお互いに惹かれ始めていき――。友情でも恋愛でもない、ふたりだけの名前のない関係性を育む少女たちの青い春――。
好きだった親友の娘を引きとりました――。人づきあいが苦手で、どこにいても居場所がないと感じているみどり(31)は、中学時代好きだった親友・つぐみの葬儀で、つぐみと瓜二つな彼女の娘・春子(14)と出会う。……居場所がないみどりと居場所をなくした春子、そんなふたりが織り成すセンシティブ同居譚。
幼馴染の真夏と星子。しかし引っ込み思案だった星子がアイドルになり、星子自身や周りの態度の変化を真夏は受け入れられず、きつい態度をとってしまうが…。 変わっていくモノと変わらないモノ。少女達が紡ぐ「葛藤」と「変化」の物語――。
好きなことが見つけられない高峯と、本が大好きな咲倉。ひょんなことから知り合ったふたりの少女が過ごす放課後。友達?それとも――、名前のない関係が紡ぐ少女達の青い春。
『春とみどり』の深海紺さんによる、新たな女性同士の関係性を描いた作品です。 一目見て深海紺さんだと解る雰囲気と絵柄で、繊細に静やかに紡がれていく感情の糸と糸が今回もとても良いです。 本作は、女子高生ふたりが読書を通して仲を深めていくという内容なのですが、本がキーアイテムとなっている部分も非常に好みです。本をあまり知らない人にお薦めするのは、難しくも楽しい作業だよねと本の虫の咲倉を見ながら感情移入を深めました。 女子高生らしい交友関係の中での諸々も程よく描かれていて、そちらの方に同調したり反発したりする人もいることでしょう。 何しろ、メインのふたりの関係性とその推移が、急行ではなく各駅停車のようにひとつひとつ進んで行くこの感じが良いです。停車駅のホームの屋根にでもなってふたりを風雨から守りながら見守っていたい。そんな風にすら思わせてくれます。 女の子同士の関係性の物語が好きな方は押さえておくべき作品です。
金髪で昔はすっごく気にしていたけど、友達の「お星さまみたい」のささいなひとことで意識が変わるのってすごいなぁ。と思いました。 女の子だけどイケメンで見ていても綺麗でした。 どんなに売れっ子のアイドルになっても親友の存在は大事だろうし、これからもいい関係性でいてほしいです。
ツグミという鳥は渡り鳥で、秋冬にシベリアやカムチャツカから来て、春になると帰っていくのだそうです。 https://pepy.xsrv.jp/22348 本作の主人公・みどり(31)と暮らす春子(14)の死んだ母親は、みどりの同級生・つぐみ。 一度はみどりに友人として居場所を与えながら、中学の卒業式でみどりを置いて消えたつぐみは、春子にとってもただ一人の拠所だった。緑芽吹く春に、ツグミは去った……三人の名前には、そんな切ない関係性が反映されている様です。 つぐみへの想いは二人を引き合わせ、繋がりの無かった他人同士の、年の差同居へと進みます。しかし自信も生活力も無いみどりは、中学生の春子に食事を始め、生活をリードされがち。 更に春子につぐみの面影を重ねる回想シーンでは、同じ年頃・同じ顔の女の子が交互に現れ、みどりも読者も軽く幻惑させられます。 同じ顔で、同じ言葉を言い、恐らく性格も似ていて、でも別人の春子に、みどりは長年募らせた愛情や後悔を重ねてしまう。そんなみどりは見ていて苦しいけれども、自分の中にもある内向性に共感もする。 例えば伝えられなかった感情に執着して、苦しむ人に届いて欲しい内容だと思います。春子と共に歩むみどりの柔らかい変化に、先ずは安堵して欲しい。 まだ見ぬ誰かの為に、料理くらいは出来る様になっておきたい……と思いつつ。
始まりは違国日記のような感じでしょうか。 でも親友つぐみと主人公みどりが本当に心を許しあっていた仲で、実は好きだったってところが違うというか、ミソだと思います。 好きだった子の子供を引き取って同居なのにこんなに可愛い絵柄でふわふわと優しい絵柄なの素敵ですね…。 しっかりした14歳と地味で抜けてる31歳が生み出す化学反応がとても良い! 表紙買いしたので、表紙で気になった人はぜひパラリと読んでみてほしいです。
『春とみどり』の深海紺さんによる、新たな女性同士の関係性を描いた作品です。 一目見て深海紺さんだと解る雰囲気と絵柄で、繊細に静やかに紡がれていく感情の糸と糸が今回もとても良いです。 本作は、女子高生ふたりが読書を通して仲を深めていくという内容なのですが、本がキーアイテムとなっている部分も非常に好みです。本をあまり知らない人にお薦めするのは、難しくも楽しい作業だよねと本の虫の咲倉を見ながら感情移入を深めました。 女子高生らしい交友関係の中での諸々も程よく描かれていて、そちらの方に同調したり反発したりする人もいることでしょう。 何しろ、メインのふたりの関係性とその推移が、急行ではなく各駅停車のようにひとつひとつ進んで行くこの感じが良いです。停車駅のホームの屋根にでもなってふたりを風雨から守りながら見守っていたい。そんな風にすら思わせてくれます。 女の子同士の関係性の物語が好きな方は押さえておくべき作品です。