得体の知れない不安がつきまとう面白さ
人間の生首のような謎の生き物・ニューモンは、なぜ生まれたのか?なぜ主人公が住む街だけに出没したのか?ニューモンは本当に人間に成るのか? という感じでずっと、ニューモンてなんなんだよ…わからないよ…なんか怖いよ…という不安感がつきまとうのだけど、まくびは文句なしに可愛いし、強めのキャラがたくさん出てくるしで、SFサスペンス学園コメディ的なのかなんななのか…要素がとにかく多い。 1巻の終わりはかなりショッキング。 今まであまり読んだことのないジャンルの漫画なので先が全然読めない!
決して最後までわかりやすく自分の感情を表に出さなかった青くんですが、まくびに出会い、まくびと自分の身に危険が及んだことで確実に心の持ちようが変わったと確信が持てるラストでした。
「人間入門」というタイトルにどんな意味が含まれるのか、人によって受け取り方に違いはあるでしょうが、「自分が悲しいと思うことはちゃんと悲しむ」という、生きる人間として当たり前のことのようで、意外とできていないことだと気付かされます。
また、まくびはペットとは違うけれど、命を預かることで「生命を維持する」ことの重要性と本質を知るというのは、この漫画のメッセージ性として少なからずあるのではと思いました。
本当に最後の最後、決してハッピーエンドとはいい難いあの終わり方に関しては色んな人の解釈を聞いてみたいところです。でもまくびの笑顔がすべてを物語っていると言ってもいい気がします。
どこか哲学的でひとつの答えにたどり着くものではないので、The・エンタメを望んでいる人には薦めづらいけれど、できるだけ多くの人に読んでほしい、感想を聞きたいと思える作品でした。