2巻の展開がすごい
1巻はゼロ戦乗りだった作者の祖父から聞いた話を漫画化したものです。お国の為に戦う!という気持ちではなく、田舎の11人兄弟の末っ子として産まれた自分が成り上がるにはこれしかないと思い、海軍航空隊に志願した…というフィクションじゃないリアルな話が読めます。ただ1巻はよくある戦争漫画の域を出ていません。ここで読むのをやめてしまう人もいるんじゃないかと思います。 元々は1巻で完結する予定でしたが約5年後に2巻が出ます。きっかけは祖父と同じ余科練で訓練を受けていた男性が漫画を読んで手紙をくれたことです。そこで祖父からは孫である作者に語られることがなかった更なる戦争のリアルを聞くことになります。この”2人”のゼロ戦乗りの話をぜひとも映像化してほしいです!
表紙とタイトルの雰囲気で、愛国的な戦争漫画なのかと勘違いしていました…。読んでみたら表紙の印象とはまったく逆で、イデオロギーも美談も関係なく、純粋に一個人が見てきた戦争体験が飾りなく描かれている作品でした。
登場人物たちの言葉使いや仕草は、あえて現代の若者文化に合わせてあって、堅苦しくなくて読みやすかったです。戦争の話は敬遠しがち、、という人にこそ読んで欲しい漫画。