ガサツな線の集積が逆に功を奏している
例えば、小畑健の様な卓越した絵柄で同じ面白さが獲得できただろうか?もしくは、高橋留美子の様な可愛いらしい絵柄だとどうか?また、萩尾望都の様な豪華絢爛な美しい絵では?はたまた、諫山創の様なバトル漫画でしか機能しないタイプの粗さでは?この作者は確かにまだ、技術は拙いが、どこか主人公の青臭さ満載の行動や表象と、筆者のガサツな青臭さ、技術不足が妙にマッチしていて、(たかだか漫画の絵)にも関わらず、ここまで重苦しい痛みが、紙面を越えて我々の肉体に突き刺さる。内容が重いから苦手などという愚かな感想は置いといて、ここまで重苦しさを線の集積で伝えられるのはしっかりと評価しなければならないのではないだろうか?
シイちゃんは、マリコを助け続けて、助け続けて、戦って、自分もボロボロになってしまって。
でも、マリコが死んじゃったことで、自分を攻めてこれからも守り続けなきゃと思っているけど、もう、休んで良いんだと思う。
二人で、ひとりだった親友だけど、これからは、自分のために生きて欲しい。
『もういない人に会うには自分が生きているしかないんじゃないでしょうか・・・』という台詞があったように。