色褪せない新沢基栄タッチ
主人公一堂零がリーダーの鬼面組5人が繰り広げる学園ドタバタギャグ漫画ですが、この手のギャグが時代と共に古びて目も当てられなくなるのは仕方ない...注目すべきはその美しい作画、特に作品後半は素晴らしいです。昨今、デジタル作画の環境が整い多くの漫画家か利用するようになりました。作画の密度も飛躍的に上がりましたが、それがパッと見のマンガとして魅力的な画になるように使いこなせている漫画家は少ないと思います。ムダな描き込み、味気なさすぎる、他の作家とツールの使い方が似たりよったり…その点30年以上前の鬼面組の画はシンプルで無駄がなく、快感がダイレクトに目から飛び込んでくるのです。色褪せないオールアナログの美作画、現在でも見る価値は大いにあると思います。
個性的なキャラクターが満載のハイスクール奇面組。ハチャメチャ学園ストーリーものなので、老若男女を問わずに楽しめます。ただし、この作品、最終回がかなり意味深な感じになっているんですよね。何も考えずに読めば、いわゆる夢オチっぽい終わり方になってるんです。それまでの、ハチャメチャ学園ストーリーが一転。あの個性的なキャラクターたちは実は存在せず、女の子の単なる夢だった・・。そのギャップたるや。子供ながらに、ものすごいショックでしたし、同時にこういうのもアリだなと、妙に感心(納得)したのを覚えています。ちなみにアニメ版は夢オチではないそうです。