懐かしい感じ
若くして未婚の母になったスウ。大変なときもあったろうに、ほんわかした雰囲気がすてき。のんのんもかわいくて、周りの大人もいい人たちで優しい気持ちになるよ。 子供とゆっくり向き合うことの大切さや、自分の周りのひとを大事にしたいと思わせてくれる作品。大好きな漫画です。 母になってから読むとより感情移入しました。
もうわたしには、家族がふたりいる――。スウこと高原菫子(たかはら・すみれこ)はシングルマザー。両親を亡くしてひとりぼっちだった時に皓(あきら)と出逢い、大恋愛の末に赤ちゃんを授かった。しかし彼もまた、スウと生まれてくる子供の幸せを願いながらも、この世を去ってしまう……。3歳になるのんのんとの毎日は、ちょっぴりハードだけど素敵な発見もいっぱい。スウとのんのん、そして皓の、あたたかな愛のシンフォニー。
そのタイトルの意味は恋人たちが睦み合う音のことなのですが、愛情に満ちた母子家庭を描く漫画のタイトルとしてこれ以上相応しいものはないと思います。
1巻は主人公・菫子の娘・のぞみの視点で始まります。中学生になる彼女にはボーイフレンドがいるのですが、恋人としての関係を重ねる中で母のことを見つめ直します。
良いところのお嬢さんだった菫子は、高校生の時に幼い頃、親子三人で住んでいた一軒家を訪ねます。するとそこで性格の悪い年上の男の子と出会い次第に惹かれていく…。
両親を亡くしている菫子、裕福な家庭で将来を期待されていた皓(あきら)。二人は駆け落ち同然で結婚し、貧しいながらも幸せな生活を送るのですが、菫子が身籠っている時に、皓を事故で喪ってしまう。
菫子と皓の短くも美しい恋人時代。そして、まだ女性の社会進出が進んでいなかった90年代の日本でシングルマザーとして働き子育てするのんのんの幼少期編。
どこを読んでも困難がばかりで、でも同時に大切な人たちの愛情でいっぱいで…温かくて切なくていつも胸が苦しくなります。一人暮らしが長いため、家族の良さを忘れがちなのですが、「世界でいちばん優しい音楽」がいつも思い出させてくれます。
結婚したらこんな風に子供を愛したいなと思わせてくれる素敵な作品です。