あらすじ

いつも思ってる……3人で暮らせる日のことを――。一時帰国した豊上(とよがみ)さんをまじえ、スウとのんのん母娘(おやこ)は仲睦まじいクリスマスを過ごす。豊上さんと暮らす日をスウは心待ちにするが、仕事が難航した彼のロンドン滞在は、またしても延びてしまった。哀しみに暮れるスウのもとに、深夜の電話が鳴り響く。
世界でいちばん優しい音楽 1巻

もうわたしには、家族がふたりいる――。スウこと高原菫子(たかはら・すみれこ)はシングルマザー。両親を亡くしてひとりぼっちだった時に皓(あきら)と出逢い、大恋愛の末に赤ちゃんを授かった。しかし彼もまた、スウと生まれてくる子供の幸せを願いながらも、この世を去ってしまう……。3歳になるのんのんとの毎日は、ちょっぴりハードだけど素敵な発見もいっぱい。スウとのんのん、そして皓の、あたたかな愛のシンフォニー。

世界でいちばん優しい音楽 2巻

こんなに自分を必要とし、愛してくれる存在があるというのは、それだけで幸せ――。シングルマザーのスウ。4歳の娘・のんのんとの生活は決してラクではないけれど、志津(しづ)さんやモーリに見守られ、愛に満ちた日々を送っている。そんな母娘(おやこ)のもとに、絶縁していたおじいちゃんが訪れた。スウとのんのんの幸せが、また大きく広がる予感。スウとのんのん、そしてふたりをとりまく人たちの優しさがつまってます。

世界でいちばん優しい音楽(3)

『おたんじょおびのプレゼント、みずうみでいいや』。うきうきして豊上(とよがみ)さんに会いに行った自分が恥ずかしかった――。多くの人々の優しさに包まれて、のんのんとともに生きてきたスウ。とりわけ豊上さんと過ごす時間は、胸が弾むひととき。だけど天国の皓(あきら)との思い出は、まるで昨日のことのように色鮮やかにスウの心を染めている。スウとのんのん、そしてふたりを見守る人たちの愛のメモリー。

世界でいちばん優しい音楽(4)

「逢えなくても想うだけで安らげる、なんて……嘘つきなわたし――」海外赴任していた豊上(とよがみ)さんが一時帰国し、スウはふたりの愛を確かめる。しかし、彼には稲垣(いながき)夫人の勧める縁談の話がもちあがっていた。さらに、これまでスウ母娘(おやこ)に冷たい態度をとり続けてきた夫人が、小学校の入学式でのんのんに接近。養育権を譲るよう、スウに迫る。だれかを愛する心が、せつないまでに響いてくるハートウォーミングストーリー。

世界でいちばん優しい音楽(5)

弱音を吐かない貴方だから少し淋しい――。遠く離れた豊上(とよがみ)さんとともに、喜びも哀しみもわかちあいたいと思うスウ。しかし、会えない辛さに耐えかねた時、9時間の時差が彼との距離をさらに隔ててしまう。また、10年ぶりに現れた柊野(しゅうや)くんの父に動揺する海江田(かいえだ)さん、そして児童虐待に苦しむ星野(ほしの)さんも、それぞれに親子の絆を求めあって生きている。愛する人を信じぬく強さが伝わってきます。

世界でいちばん優しい音楽(6)

いつも思ってる……3人で暮らせる日のことを――。一時帰国した豊上(とよがみ)さんをまじえ、スウとのんのん母娘(おやこ)は仲睦まじいクリスマスを過ごす。豊上さんと暮らす日をスウは心待ちにするが、仕事が難航した彼のロンドン滞在は、またしても延びてしまった。哀しみに暮れるスウのもとに、深夜の電話が鳴り響く。

世界でいちばん優しい音楽(7)

恋しいって思っているのは、わたしのほうだけじゃないかって、不安だった――。ロンドンでひとり、遠く離れたスウとのんのんを想う豊上(とよがみ)さん。この手でふたりを抱きしめたいと願う彼は、一日も早い帰国に向け、支社の再建に燃える。その頃、稲垣(いながき)夫人は、豊上さんの次期ポストが思わぬ大抜擢であったことに憤慨。その怒りは豊上さんとスウに向けられるのだった――。

世界でいちばん優しい音楽(8)

皓(あきら)が叶えられなかった夢の続きを、きっと豊上(とよがみ)さんが叶えてくれる――。ついに、豊上さんが帰ってくる!スウとのんのんの3人で長い間育んできた愛が実ろうとしていた時、豊上さんの消息が途絶えた。最愛の人の危機に、スウは彼の無事と“家族3人”の幸せを強く信じ、豊上さんを待つ。新たな未来に向けて歩み始める、感動の最終巻。単行本未掲載の番外編「のんのんの青春」も特別収録!!

世界でいちばん優しい音楽

短い恋と大きな愛の話

世界でいちばん優しい音楽 小沢真理
ぺそ
ぺそ

そのタイトルの意味は恋人たちが睦み合う音のことなのですが、愛情に満ちた母子家庭を描く漫画のタイトルとしてこれ以上相応しいものはないと思います。 1巻は主人公・菫子の娘・のぞみの視点で始まります。中学生になる彼女にはボーイフレンドがいるのですが、恋人としての関係を重ねる中で母のことを見つめ直します。 良いところのお嬢さんだった菫子は、高校生の時に幼い頃、親子三人で住んでいた一軒家を訪ねます。するとそこで性格の悪い年上の男の子と出会い次第に惹かれていく…。 両親を亡くしている菫子、裕福な家庭で将来を期待されていた皓(あきら)。二人は駆け落ち同然で結婚し、貧しいながらも幸せな生活を送るのですが、菫子が身籠っている時に、皓を事故で喪ってしまう。 菫子と皓の短くも美しい恋人時代。そして、まだ女性の社会進出が進んでいなかった90年代の日本でシングルマザーとして働き子育てするのんのんの幼少期編。 どこを読んでも困難がばかりで、でも同時に大切な人たちの愛情でいっぱいで…温かくて切なくていつも胸が苦しくなります。一人暮らしが長いため、家族の良さを忘れがちなのですが、「世界でいちばん優しい音楽」がいつも思い出させてくれます。 結婚したらこんな風に子供を愛したいなと思わせてくれる素敵な作品です。