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ワンオペ育児の大変さとその緩和策

シェアファミ! 日下直子
兎来栄寿
兎来栄寿

『大正ガールズエクスプレス』など、男性でも読み易い少女/女性マンガの名手である日下直子さんの最新作。ワンオペ子育てに限界を感じている三人のシングルファザーが、ルームシェアして一つ屋根の下で助け合いながら育児をしていく物語です。 開始4ページで登場する、出産・育児に対する世間の無理解。嫌な「あるある」ですが、世の中にこういう人や臆見は多いよな、と思ってしまいます。 逆に、主人公がいが自分一人だけで双子の育児をせねばならぬとなった時の想像できなかった苦労、そして一杯一杯の時に自分以外の大人が家にただいてくれるだけで救われる心地など、子育てを経験した人にとって思わず共感してしまうであろう描写が多数。 誰にも頼れずに孤立してしまい一人で抱えて苦しむことがが子育てで最も辛い時であると思いますが、それを緩和するための一つのやり方として現実的にも有り得る選択肢だと感じます。勿論、条件は難しいですし赤の他人と突然暮らすことで生まれる問題なども生じます。その辺りにもしっかり手は入れられています。その中で出てくる「基本的に他人に期待するべきではない」「けれど他人はたまに期待を超えてくる」という件は正にその通りだなと。 読むと子供を育てることの大変さが解り、現在や未来のパートナーを労わる気持ちが生まれるかもしれません。その内実写化されそうな内容です。

先生の子を妊娠しました

不朽の名作が電子で復活 #1巻応援

先生の子を妊娠しました
兎来栄寿
兎来栄寿

きづきあきらさん&サトウナンキさんの過去作品『いちごの学校』が、改題され電子書籍として刊行されました。 きづきあきらさん&サトウナンキさんといえば、人間の闇や病みを描くことに定評のあるコンビで私は名前を見掛けたら必ず作家買いするほど好きです。代表作は『ヨイコノミライ』や『うそつきパラドクス』などが挙げられると思いますが、場合によってはこちらを最高傑作と推す人もいるほどの名作です。 改題された新タイトルの通り、本作は女生徒が先生と関係を持ち子供を孕んでしまう物語です。一般的な恋愛マンガでは、男性教師×女生徒という組み合わせはそれなりにポピュラーなジャンルです。しかし、本作の場合はそれが非常にリアルで重いものとして描かれます。 特に印象的なのは、女生徒を妊娠させた主人公の「責任」。「責任を取る」と口で言うのは簡単でも、実際にそうなってしまった時にどうするのが「責任を取る」ことになるのか。相手に対して、相手の親に対して、自分の親に対して、学校に対して、同僚に対して、生徒に対して、そして自分の子供に対して。 愛する気持ちがすべてに勝る甘美で絶対的なものだったとしても、その先にある果たすべき道義や免れない誹りと向き合った時に、生身の人間はどうしたって削れます。現実がそれほど容易くないことを、重みを持って描いています。 主人公が受け持つ現国のテストのように曖昧な部分はあったとしても、それでも学校のテストには答があります。しかし、人生には定型の答はありません。幸せとは相対比較したり誰かに決められるものではありませんが、それでも愛する人と結ばれ愛する人との間の子を授かった彼らが、本当に幸せと言えるのだろうかと考えずにはいられません。 引用される『星の王子さま』や『ひかりごけ』やボードレールなども人によって解釈が様々に分かれる作品であり、そのことを一層強調しているように感じます。 1話ラストの ″自分の命が自分のために存在しなくなった とりあえず今 それだけはわかるんだ″ というモノローグが昔からとても好きでしたが、かつて読んだときよりも実感を伴っています。 余談ですが、甘々な夫婦生活部分と学生時代のツンツンな時の対比をシンプルなラブコメとして描いたら今のTwitterではバズりそうだなぁと詮無きことを思いました。

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