読み始め、まず見過ごせない部分としては、吹き出しの描き方。対象のキャラに向けて矢印が伸びている。どういう意図があるのが気になるが、2ページ目からは内容のほうが気になってしまった。
AVの所持や譲渡、売買が法律で禁止された日本を舞台に、フリーターの青年2人のうち片方の稲井くんが、AV所持を打ち明ける。
運悪くあっさり警察にバレてしまい、家族同然に大切にしていたラブドールも処分されてしまう。そうしてエロ魂に火がついてしまった稲井。そしてエロに対する情熱が向かう先には予想外の展開が。
ところどころ出てくるAVタイトルのパロディセンスが絶妙に古くて秀逸。
野球拳こそとっくに風化されたエロ文化だと思っていたが、まだ生きていたとは驚き。「稲井」という名前はあのシーンのためだけに付けたのだろうかと想像してしまう。
2人の見分けがつかなくて、どっち?となることが多かったけど。
ある人にはくだらないことだけど、ある人には情熱を注げる大事な物ってあると思うのですが、そういう人の熱みたいのが伝わるものを描ける人はすごいと思います。
AVの使用や売買が法律で禁止された日本。田中はAVを所持しているという先輩、稲井の自宅へ訪れるが…(週刊ヤングマガジン2019年30号)