あたらしいひふ
同人誌の再録なのに見事にフィーヤン感。 「被服は鎧」という一貫したテーマ。
女×服―― 人が見た目じゃなかったら、私はこんなに悩まない。Twitterで共感の声続々! 待望の単行本化。黒い服ばかり選んでしまう地味系の高橋(たかはし)。モードな服をかっこよく着こなす渡辺(わたなべ)。コンサバな服しか着れないことがコンプレックスの鈴木(すずき)。かわいく盛ることで武装するギャルの田中(たなか)。同じ会社で働いているのに、見た目も価値観もバラバラな彼女たち。同じ女でもこんなに違う。女4人の、服にまつわる4つのストーリー。(「あたらしいひふ」)「女と服」の関係を群像劇で描く表題作をはじめ、個性あふれる全4編を収録。●同時収録作品:【It’s your (new) ID.】思春期の身体的コンプレックスとフェティシズム。【Recycled Youth】元同級生・30歳・男3人、あらゆる感情が交錯する夜。【妄殺ソングブック】妄想と音楽のコラボレーション。
言われてみれば服ってヒフだなぁと表題作に気づかされました。自分のテイストを変えてくれるヒフ、考え方ひとつで未来感が出てきます。登場人物が全員フラットな位置関係にあるのもいい。誰もが主役であり脇役である、そういえばそれって当たり前のことだった。高野雀さんって視点が新しい人ですね。
個人的に一番好きなのは、女の子にとってはホクロが多いことがコンプレックスなんだけどそれが宇宙の中の星みたいで片思いしてる男の子がいる話。コンプレックスはその人の個性だし抗えない程の魅力になり得る。見つけた人だけの特権のようなもの、という感じでドキドキした。