少年たちの心に刺さる何か
ジャンプに連載されているオッサン顔の漫画くらいに思っていたら、小学校だか中学校のクラスメイトが好きと言っていて驚いた。 「おもしろいじゃん、たけし」 と彼は言っていた。別の子は「たァけェすィ」の言い方を真似してよく言っていた。 たけしには、あの年代の少年たちの心に刺さるものがあったらしい。 読み直してみたら、少年たちにウケた理由がわからないでもない。 7歳児が7歳児を心配したり、ボコスカしたり、少年誌でそんな台詞いいんですか?!な台詞を発したり。 勧善懲悪モノにもみえるけど、根本はリーダーでありたいという欲望。 リーダーの基準は父親が提示してくれた「物事を平等に判断できる心を持っているか」「相手の心を感じられるか」。 等身大でなく、ちょっと大人びたかっこよさを感じる。見た目はオッサンだけども。 添付はクラスで話題になっていたシーン。 第二次性徴期のとまどいを「ダンディー」で終わらせるたけし。たしかにかっこいい。 うろ覚えだったけど、まさか第一話のシーンとは思わなかった。
トリコでは【食】だったわけだが、たけしは【リーダーとは】を軸に物語が進んでいく。
島袋光年先生の物語のテーマ設定は毎回唸らせられる。
これを【人とは?】【生きるとは?】と規模を大きくして道徳的にしてしまうと説教臭くなってしまうところを、【リーダー】という世には既にあるけどなんとなくふわっとしたテーマを軸にしたことで説教臭くならずギャグと熱い話の両立を描くことが出来た。
多少最後で色々乗ってしまって影ってしまった感はあれど、それでも自分は色褪せぬ名作だと思う。