ある雨の日、隼探偵団の少年二人は、車にはねられそうになった少女が幽霊のように消えてしまうのを目撃する。その少女は隼探偵団の一員である谷ユリ子とそっくりだったのだ!それから探偵団のメンバーはその少女がたびたび姿を現すのを目撃するが、そのうち彼女の出現と消失の様子が巷を騒がす怪盗「4」の手口と似ていることに気付く。幽霊少女の正体とは……!?同時期に少女クラブへ掲載された『みどりの目』も収録。
トキワ荘時代の意欲作初、すべて単行本化! 1950代半ば頃に発表された最初期のSF作品に加え、同時期のミステリー、冒険作品なども収録。第2期の『初期少女・幼年作品』に並び立つ貴重な一冊。古き良き空想科学漫画の香り高い、藤子・F・不二雄SFワールドの源泉を奥深くまで堪能して下さい! 解説/二階堂黎人
横山光輝が漫画家としてのキャリア初期に手掛けた4作品『あけみちゃん』(1957年「少女」春の大増刊号)『ちぐさちゃん』(1956年「少女」秋の大増刊号)『青空兄妹』(1957年「少女」夏の増刊号)『春風よがんばれ』(1956年「少女」新年増刊号、前記いずれも光文社刊)を収録。いずれの作品も雑誌に一度掲載されたのみで、単行本に収められることのなかった幻の少女まんが。「少女まんが」とはいえ『あけみちゃん』にはミステリーの要素を、『ちぐさちゃん』にはダム建設といった社会的なメッセージが込められ、掲載誌の主役が“まんが”ではなかった時代に物語としての面白さを読者に提示しようと試みた作品となっている。特に『春風よがんばれ』は、“競馬”をモチーフとしており、後年の著者の趣味の発露を感じることができる。
来日したヒンズー国の殿下暗殺のため、爆弾がしかけられた!さがしまわるスリル博士。だが、爆発の時は、刻一刻とせまる!スリラー好きの医師一家が、つぎつぎとまきこまれる難事件の謎をとく、痛快科学冒険漫画!!
貸本漫画雑誌『街』に連載されたハードボイルド調のホラー作品で、これまで一度も復刻されたことのない幻の名作。本作のほかに「イボのある男」「人を呪わば」「くも妄想狂」など楳図ファン垂涎の希少作品を収録。※電子書籍版に『「俺の右手」読本』(巻末解説)は収録されていません。
1956年、デビュー間もない楳図かずおが大阪の出版社、三島書房から描き下ろし単行本として発表したミステリー作品。少年探偵・岬一郎が活躍する一連の貸本シリーズの第一作である。ハードボイルド劇画全盛期にあって早くも怪奇趣味が横溢する内容になっており、その後の作者の作品の萌芽を見ることができる。雨の降り続く町にふらりと現れた岬一郎は、町の主と呼ばれる奇妙な老人に出会う。老人は一郎が持っていた写真をいつの間にか取り出していた。そこにはクモのようなものが写っていた……。※電子書籍版に『「森の兄妹」「底のない町」読本』は収録されていません。
1959年に刊行された単行本の復刻です。平家の落人伝説を舞台に、人里離れた深山の集落に隠された謎と恐怖が交錯する幻想奇譚。劇画調の手法をとりいれ、岬探偵の冒険と伝説をミステリアスに描いた著者の初期代表作。
タイムカプセルにとじこめられた男は、どうやって生還したか?「ルルー」をかく漫画家ロックを脅迫するのは何者か?そして、新世界ルルーとは……?待望の名作「新世界ルルー」登場!他に「黄金都市」を収録。
富士進は少画新聞の少年記者である。しかし、その正体はひとたび事件が起きれば赤い帽子、黒いマスクに黄色いマフラー姿に早変わりし、悪人を超人的な力でやっつける「まぼろし探偵」。その秘密は誰も知らない…。今日もまぼろし探偵は難事件に立ち向かう!釣りをしていた富士進はけが人を釣ってしまう。そのけが人は丸の外警察署長に瓜二つだったが、丸の外警察署にはちゃんと署長本人がいた。まぼろし探偵は事件の真相を探り始める…
中学を卒業して故郷へ帰ったナスビ。伐採される運命だったイチョウの木を守ったことで、山の神がナスビの願いを叶えようと大奮闘。しかし、とんでもない形で夢は叶ってしまい、国境をこえての大騒動に発展する!? 継子いびりに、ミステリー、恋模様ありと、現在のストーリー少女漫画に通ずる骨組みを築いた傑作。表題作他、動物たちが暮らすとんから谷にダム計画が持ち上がったちょっと悲しい話『とんから谷物語』など3編を収録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『ナスビ女王』 (手塚治虫漫画全集MT214『ナスビ女王』収録)/『とんから谷物語』 (手塚治虫漫画全集MT382『とんから谷物語』収録)/『そよ風さん』 (手塚治虫漫画全集MT314『そよ風さん』収録)/『ひまわりさん』 (手塚治虫漫画全集MT314『そよ風さん』収録) <初出掲載>『ナスビ女王』1954年5月号~1955年7月号 少女連載/『とんから谷物語』1955年1月創刊号~1956年3月号 なかよし連載/『そよ風さん』1955年9月号~1956年1月号 少女連載/『ひまわりさん』1956年2月号~12月号 少女連載
ケン一は全国に26もの支社を持つ少年秘密探偵結社の探偵長。見事な変装と鋭い推理を武器に、あらゆる難事件をたちどころに解決する。頼りになる助手は、いちど聞いた音声を正確に再生し、野鳥を仲間にできる九官鳥のドングリ。ケン一をライバル視し、挑戦状をつきつける神出鬼没・変幻自在の怪盗マウス・ボーイの陰謀を阻止し、殺人事件、密室トリック、秘宝探しなど、数々の謎をあばいて事件を解決する、アクション推理漫画の傑作! <手塚治虫漫画全集収録巻数>『ケン1探偵長』(手塚治虫漫画全集MT134『ケン1探偵長』第1巻収録)/『くも屋敷の鍵穴』(手塚治虫漫画全集MT135『ケン1探偵長』第2巻収録)/『ケン一探偵長』(手塚治虫漫画全集MT129『マアチャンの日記帳』収録) <初出掲載>『ケン1探偵長』 (龍巻爆弾の巻 1954年6月号 少年クラブ掲載/ガンダーラの宝玉の巻 1954年7月号~12月号 少年クラブ連載/世紀の怪獣事件 1954年夏の大増刊号 少年クラブ掲載/昭和新撰組の巻 1955年1月号~6月号 少年クラブ連載/ゴリラ事件 1955年お正月大増刊号 少年クラブ掲載/透明人間 1955年3月号 少年クラブ付録/怪盗マウス・ボーイの巻 1955年7月号~8月号 少年クラブ連載/北京原人の化石事件 1955年9月号~12月号 少年クラブ連載/ペロ大統領の秘宝事件 1956年4月号~10月号 少年クラブ連載/火星人のけいやく書事件 1956年11月号~12月号 少年クラブ連載/殺人アブ事件 1956年1月号~4月号 少年クラブ連載)/『くも屋敷の鍵穴』 1957年3号 冒険王付録/『ケン一探偵長』 1958年8月号~1960年8月号 さんわこどもしんぶん掲載
水野英子、赤塚不二夫、石森章太郎の共同名義で描かれたミステリー『くらやみの天使』。不幸を呼ぶダイヤ「死神の目」をめぐる殺人事件が起こる前日、チコちゃんは被害者の山形が言い争いをしているところを偶然目撃し……。警察官のお父さんと新聞記者のお兄さんを味方に、チコちゃんが真相に迫る!他、赤塚不二夫との共同名義で描かれた『そしてミヤはいなくなった』も収録。
「まだらのひも」という謎の言葉を残して死んだジュリア。窓も扉も中からカギがかかった密室で、彼女はいったいどうやって殺されたのか?コナン=ドイルの名作を石ノ森章太郎がマンガ化!他『蝙蝠屋敷の秘密』『消えた怪人形』『赤いなめくじ』『ミキちゃん』『とべQピッチ号』『きちがいロボット』など、ミステリやSF、ロボットなど石ノ森章太郎らしい初期作品が勢ぞろい!
映画「流星王子」にエキストラとして出演している少年、天草鉄太郎。謎めいたムードを持つ彼に、主演スター桂龍太郎は秘密のにおいを感じていたが…!?傑作冒険漫画「流星王子」ほか、「おお!われら三人」を収録。
ころは幕末。だれも近づかぬ原始境の開拓に須田紋左は情熱を燃やす!変わりゆく足伏が原に、歴史の大きな動きをえがく時代開拓物語「平原太平記」。ほかに、SF版かぐや姫ともいうべき「月世界紳士」を収録。
新しい城の建設に執念をもやす松ノ木宗治。だが、その子緑丸は築城に反対し、城をとびだした!工事を妨害するスパイの正体は!?“夜明け城”をめぐり、愛憎のドラマが展開する時代ロマン!!他に「夏草物語」を収録。
悪魔の発明、空気爆弾!これが爆発すれば、地球上の空気がすべて誘爆する危険がある!爆発実験を止めるため、地下鉄サムは活躍をはじめた。だが、実験地太平洋Xポイントはどこに!?他に「世界を滅ぼす男」を収録。
特殊なカビをたべたため、ケン一とヒゲオヤジは、細菌の大きさにまでちぢみ、少年のからだの中にすいこまれた!人間の体内で戦われる白血球と結核菌の戦争にまきこまれた二人は!?「38度線上の怪物」他三編を収録。
二十年前の落盤事故を、忘れられない思い出として、若い大村に語る鉱山長の前橋。だが、語られる言葉はその度に違い、記憶の曖昧さを大村に指摘される。果たして、事故の真相は!?「落盤」他、六編を収録した中期短編集!!
警視庁の富士警部を父にもつ進少年は、普段は新聞社の少年記者。しかし必要な事件が起こると、まぼろし探偵に早変わりし、悪党を退治する。進が川で夜釣りをしていると、銃で撃たれ重傷の丸の外警察署署長の角田が釣り糸に引っかかった。そして父の富士警部と丸の外警察署に行くと、なんとそこには角田署長が…!?
地獄谷の霧の中からやってきた、黄金のトランクを持った男の正体は、いったい何?そして、行く先々で黄金をバラまいて歩く、この男のねらいは?金が多くなりすぎたために、混乱を起し始めた世界はどうなるのか!?
そんじょそこらの企画物の合作とは訳が違います。本作の著者は水野英子、石森章太郎(当時)、赤塚不二夫の3人。頭文字のイニシャルを取って、ペンネームはU.マイア。内容は「死神の目」というダイヤにまつわる事件に巻き込まれた少女チコが、愛犬クロとネズミのシロ、そして家族とともに謎を解き明かすミステリーです。幻の作品といわれるだけあり、発表は昭和30年代初頭。さすがに絵柄や設定(パパが警察官、兄が新聞記者)に古臭さを感じるのはしょうがないところですが、テンポよく読めて3人で描いていることを全く感じさせません。これは絵が似ているということではなく、しっかり構成をして、それぞれの長所を生かして漫画にしているということ。秀作になるのは当然です。また何となくですが、楽しみながら描いているふうにも見えるんですよね。冒頭の事件の概略説明パートにチラッとU.マイア先生の自画像を描いているところとかも。これは誰のアイデアなんだろうw 巨匠の3人には失礼ですが、ちょっとほほえましく思います。