ある暗い夜、アリスクは墓場で目覚めた。なぜそこで寝ていたのか分からないアリスクは、恐怖におびえながらも道路をめがけて駆け出す。ところが、通行人は誰も彼女に気付いてくれない。そう、彼女はすでに死んでいて、生きていた頃の記憶をなくした「霊」と化していたのだ。そんな孤独なアリスクも、墓場で「仲間」や気になる「彼」を見つけ始めた。しかし、その矢先、彼らの墓場全体が取り壊される計画が進められていて……。 ※本作品は左開きです。
紀元前十世紀。商人たちと旅をし、自らを「指物師(さしものし)」と名乗る偃師(えんし)は不思議な能力を持っていた。旅の途中通りかかった砂漠で泉を発見し、水を求め近づいた瞬間、商人と偃師たち一行は神秘的な力で水底に引きずり込まれるが……。彼が水底で見たものはいったい!?――樹木を自在に操る偃師の壮大な冒険物語。三千年前の遥か昔に誘う中国古代ファンタジー!
「愛してる」って、たったひとことが言えたら、めんどくさいラブストーリーなんてないのに……。どうして恋愛って、こんなにあいまいで難しいの? 同じ大学に通うグレイとジンガが、彼らのラブストーリーを通して、その理由を教えてくれます。インドネシアで大人気の恋愛物語が日本にやってきました。文化の違い、人間としての共通点を感じながら、キュンキュン、ドキドキしてください!※本作品は左開きです。
日本の美大で油画コースを卒業した名家の令嬢・梅兎(メイトゥ)は、芸術の都パリへの留学に憧れていた。ところが、祖父の「廟を修築しないなら嫁に行け!」という脅迫と学費援助のエサにつられ、仕方なく媽祖(まそ)廟修築の棟梁となる。石獅子を彫り、門神を描き、草花や吉祥獣の剪粘(せんねん)を作る…。ため息が出るほど美しい廟宇建築に、素人のお嬢様が立ち向かう! 西洋芸術と伝統的な廟建築がぶつかり合うと、どんな火花が散らされる!? 台湾廟を研究し、その美しさを精緻に描く台湾作家LONLON渾身の作品!
だらしないことを見るといつも不機嫌になってしまうキレイ好きな女子高校生・アリン。ある日、アリンのお母さんが管理している下宿にアルファンという男子高校生が入居することに。見かけはさわやかで好青年のアルファンだが、実は怠け者の上に甘えん坊でとってもだらしない人だった!? その上、アリンとアルファンは同じ学校の生徒で、彼は学校中の女子の人気者ということが分かり、ますます事態は複雑な状況に…キレイ好きの女の子と怠け者のイケメン――この正反対の性格を持つ二人が同じ学校に通い、さらに同じところに住むことになったら、一体どうなる――!?※本作品は左開きです。
仙人族に生まれた秦采生(チン・ツァイシェン)は、妖狐の群れの中で成長し、狐族を繁殖させる責務を背負わされた。幼い頃、外出を厳しく管理されていた秦采生は、一度だけ群れを抜け出し、麓の村に遊びに行った。この時、人間の多喜(ドーシー)とすずめに出会い、二人に危険から守られ、深い友情を結んだ。それから200年後、多喜とすずめの生まれ変わりである韓雲拾(ハン・ユンシー)と蘇蘋(スー・ピン)に、偶然再会し、かつての恩を返すため、采生は二人を守ると決意した。自分らしく生きていくため、人間とともに暮らすことを選んだはずだったが、采生は韓雲拾と蘇蘋との間で、感情のすれ違いに悩み、さらに加えて「仙」と「魔」の戦いにも巻き込まれ……。
伝説によると、隆恩川(りゅうおんがわ)には白龍が棲み、洪水を防ぎ、恵みの雨を降らせていた。人々は伝説を信じ、その龍を「河伯(かはく)」と呼び、敬っていた……のは昔のこと。かつて、ふもとの村で毎年行われていた「河神祭」は、遠い過去の風習と軽んじられ、河神をまつった祭壇もホコリをかぶっていた。ある日、退屈しのぎにぶらり俗界に遊びに来た隆恩川の河伯こと「煥夷(かんい)」が、この事実を知ってしまい惨事が起こる。気性の荒い煥夷は、神を敬わぬ隆恩村の人々に怒りを止めることができず、長い間「干ばつ」という重い罰を与えてしまう…。だがしかし、突然、神殿の蓮池に現れた謎の少女により、誰も予想しなかった変化が訪れて……!?
暴君として名高い淀王(でんおう)の宮殿は、敵の血によって緋色に染まっていた。王の身辺を世話する家臣・陵ギョク(りょう・ぎょく)は、かつて淀王に滅ぼされた国の出身。しかしなぜか、王の寵愛を最も受け、宮殿内の権力をほしいままにしている。一方、後宮の管理を任されている景淵人(けい・えんじん)は、景一族の中で異民族の子と呼ばれ、父親の存在が隠され続けている。この謎多き二人が、王宮の重要な責務を担う中、淀王の即位から6年が経ち、景一族から令嬢・景寧湖(けい・ねいこ)が、王后の座を狙い後宮に送り込まれる。彼らはともに淀王に仕えながら、陰謀が交錯する美しく残酷な争いの渦中に巻き込まれていく。豪華絢爛でミステリアスな宮廷物語が、今ここに幕を開ける!