生まれ育った薩摩を離れ、頼る者もいない遠い遠い江戸へ。世は幕末。薩摩・島津家の分家に生まれながら、篤姫は徳川十三代将軍・家定に嫁ぐこととなった。篤姫は「薩摩のため」に島津家の血を引く世継ぎを一刻も早くもうけ、徳川との結びつきを深めるよう言い含められていたけれど、夫である家定は床を共にしてもただ添い寝するだけ。手を出してこなくて…? 時代の波に翻弄されながらも、信念をもって動乱の世を生き抜いた薩摩の才女・篤姫の生涯。
処女の生き血を絞り取る魔物が棲む―― ウィルたちの村の領主様が住む城にはそんな噂がある。実際、何人ものメイドが城から姿を消しているし、村人でご領主様の姿を見た者はここ十数年いない。なのに、そんな城に双子の妹が奉公させられるって!? 嫌がる妹と好奇心に押され、ウィルは妹の代わりに女のふりしてメイドとして城に奉公することに。そこでウィルが見た城主リィンは、まだあどけなさの残る少年に見えたが…。近づいてはいけない城の秘密にウィルは触れてしまい!?
「あなたとキスしたい…」「君を汚すわけにはいかない、僕は自分がだれかもわからないんだ」まもなく父の決めた婚約者と結婚させられる貴族の娘レイラ。彼女はある日、意識をなくした男性を川で拾う。しかも目覚めた彼は、記憶をなくしていた! 今、この国は戦争中で素性の知れぬ者を邸に置くわけにはいかないが、なんとか助けたい。レイラは一計を案じて彼に女物のドレスを着せ、リヴィと女の名をつけて介抱する。けれど、どれほど美しい女に見えようとも、彼の男としてのたくましさがレイラの心を乱してゆき…?
エイミーが慈善オークションの商品になったのは、ルームメイトに頼まれたから。ううん、本当はお金が欲しいからだった。リストラに遭い今は仕事もないけれど、競り落とされたら夏の6週間、家政婦として働ける。その間に仕事を探せばいい。エイミーはこうして自ら商品になり、ハリム・ロゥダと名乗るいかにも上流階級の男性に落札された。でも彼女は思いもしなかった。アラブの王族である彼に、冷たい瞳で「6週間、一歩も屋敷から出てはならない」と要求されるなんて!?
亡き大公の姫君シエルに襲いかかり、薄紅の花びらのように上気する柔肌を蹂躙するわ、盗賊団「狼王」の首領・シャンス。彼は私腹をこやす貴族どもから金品をせしめる、いわば義賊だったが、シエル姫のあまりの美しさに手を出さずにはいられなかったのだ。しかし純潔あわやというところでシエル姫から思わぬ反撃を受け、お縄になってしまう。ところが縛り首になる寸前、シエル姫がシャンスの牢獄を訪れて取引きを申し出た。「貴方の子種をください…代わりに貴方を生かしましょう」、と。
天涯孤独で貧乏なポーリーンのもとに、ある日存在も知らなかった伯母から連絡が来た。入院する間、家の留守を頼まれたのだ。身内がいるとわかっただけでも嬉しいのに、訪れた伯母の家は薔薇の咲き誇る楽園のような邸宅で、まるで現実とは思えない。その庭でポーリーンは伯爵という名の大きな犬に出会う。ケガをしていた伯爵の手当てをしてひと晩一緒に眠るが、翌朝犬は美しい青年になっていて…? ――なんてこと! この素晴らしい庭では何が起きても不思議じゃないんだわ。彼女はそう思い込んだのだが?
「あなたとキスしたい…」「君を汚すわけにはいかない、僕は自分が誰かもわからないんだ」まもなく父親の言うなりに、意に染まぬ男と結婚させられる貴族の娘レイラ。彼女はある日、意識をなくした美しい男性を川で拾う。しかも目覚めた彼は記憶をなくしていた! 今、この国は戦争中。素性の知れぬ者など邸に置くわけにいかないが、なんとか助けたい。レイラは一計を案じ、男にリヴィという仮の名を与えてドレスと鬘で女のふりをさせる。けれど数日たっても彼の記憶は戻らぬまま、二人の距離だけが縮まっていき…?
よく当たると評判の占い師によれば、ラーラはやっかいごとに巻き込まれたらしい。「これを持っておいき」ラーラが一針一針、心をこめたキルト。届けたばかりで返品されショックだったけれど、すぐにキルトは役立った。ラーラが偶然路上で広げた布に、頭上から7歳くらいの少年が落ちてきたのだ! これがやっかいごと? 助けられた少年は元気に走り出し、またすぐ危ない目に遭いかけている。ラーラが必死で追いかけ布で彼をふたたびかばったとき、あり得ないことに少年は30代の美しい男性に変わっていて!?
国中が噂していた。アリシアが大貴族ラインフェルト家の当主と結婚するのは、「義母に売られた」からだと。アリシアの亡き母は王の姪。望まれたのはその血筋だけで、彼女は浪費家の義母により、大金とひきかえに盆にのせられさし出されたのだ。しかし思いがけず、夫ユリウスはやさしかった。アリシアはつかの間、義母に受けた仕打ちを忘れる思いだったが、彼女はまだ本当の苦しみを知らなかった。親子ほど年の違う夫の秘密。そして夫の甥である若き騎士エミリオに寄せられる狂おしいほどの恋慕を。
バイト先の宝石店で、商品紛失の責任を負わされた上、2千ドルの借金を背負ったリネット。こうなったらパトロンを見つけるしかないわ! その時、友人のしている高価なアクセサリーが目に付く。出資者(パトロン)のプレゼントだと言う。BFはBF。パトロンはパトロン。「金持ちなのよ、。週に1、2回付き合うだけで色々プレゼントしてくれるわ」「付き合うって!?」「決まってんじゃない。お手々つないでトランプするだけじゃ、お金は入らないわ」リネットは思わず「私にもお金持ちを1人紹介してよ!!」