1914年、東京で開催された大正博覧会。ある日その会場を含む半径2kmにも及ぶ町並みが台風とともに異空間へと飛ばされた。それから85年、住人達は外界から閉ざされた異次元の町で生きていた。「福神町」と名付けられ独自の発展をとげたこの町では、外界から人がやってくる「来福」、毎日同じ時間に記憶が無くなる「リセット」など不可思議な現象が起こり、記憶屋、追憶屋、夢師などの怪しげな職人達が暗躍する。そして今日もまた一人外界から男が迷い込んだ……。
とある古びたアパートが火事になった。そのアパートにひとりの老人が飛び込もうとしている。偶然前を通りかかった司朗は、慌てて老人を引き留めるが老人の力に勝てず、一緒に燃え盛るアパートの中に引きずり込まれてしまう。そのアパートの中で、司朗は一枚の美しい戦艦の写真を目にする。老人に指示されるまま、急いでその燃えかかった写真をカメラに収めた司朗と老人は、間一髪で脱出する。その夜、司朗の家に瀕死の重傷を負ったはずの老人が訪ねてくる。さっき司朗がカメラに撮った戦艦「まほろば」を、死ぬ前にどうしても見たいのだと言う。「まほろば」とは一体…!?
八百年の時を経て、江戸の世によみがえったのは、平安の世からの宿縁。己を太刀に封じ込めた陰陽師・安倍清明に復讐すべく復活した伝説の外道法師・蘆屋道満(あしやどうまん)。迎え撃つは、体内に狗神(いぬがみ)ゴウザを宿した男、十蔵!災厄の封が解かれるとき、数奇な運命の歯車が回りだす。────『バジリスク~甲賀忍法帖~』で講談社漫画賞を受賞した著者の初長編。渾身の大河伝奇ロマン、新装版にて開幕!!
演歌、初恋、初体験。はてはアイルランドまで。安藤じゅりあ14歳、異界の扉をいま開く――!女子中学生の安藤じゅりあは、クラスメイトの天野王子と付き合うことに。しかし、天野王子の正体は妖精の王!?そして、二人の子が世界を救うことになるという……。「誰かのものになりたいな。いつかそんな時がくるかなあ」
懐かしいですね、久しぶりに読み返しました。 誰かのものになりたい、 家庭環境が複雑なジュリアが、クラスメイトの天野王子に告白され子供を作ろうといわれる。 大人から見れば一時の感情で決めたのではと言われそうですが、本人たちにしてみれば答えのない未来より答えの出る今の大きな決断を選ぶ。 大変なことがあってもあなたのものになれるなら・・・妄信的な彼女は、彼の敵から身をまもることができるのだろうか。 いっぱい傷ついていっぱい愛し合うお話。