闇が蠢く、絶対的“領域”。他愛もない怪談話で盛り上がる教室内。そこには、誰にも気づかれず佇む一人の少女がいた。名は「墨百合ナユラ」。彼女にはとある秘密があったのです…。
2012年、世界的経済危機後の日本は財政難に加え、労働人口の減少で危機的状況に陥っていた。にもかかわらず、いっこうに就労しようとしない人間が増え続ける状況に業を煮やした政府は、未就労、未納税の「ニート」を島流しにする棄民政策・通称「DUST法」を可決、執行した。その第一回島流しのメンバーに選ばれたのは章弘たち6人。突如、食料もろくにない孤島に連れてこられた「ニート」たちの壮絶なサバイバルが始まる――。
かつて、数々の「×(バツ)ゲーム」を強要され、いじめ抜かれたクラスメイトの女の子。彼女の存在は、小久保英明とその旧友たちにとって、もはや遠い思い出でしかなかった。……しかし、同窓会の夜を境に、彼らの日常は凄絶な痛みと恐怖に覆われる…!
魔性を退ける必殺の針「退魔針」の使い手・大摩に新たな仕事の依頼が。助手の十月真紀と共に依頼主のもとへ向かう大摩の前に因縁浅からぬ外道の針・鬼操流の陣吾が現れた。“テスト”の結果、仕事を陣吾に奪われた大摩だが、もう一人の「退魔師」妖流の京梧と合流し、鬼操流を追う。しかし、辿り着いた依頼主・冬花家の門の向こうには想像を絶する世界が広がっていた――。
この森は狂ってる――。地図にも載っていない人里離れた森の奥。高い塀に囲まれた集落に暮らす少年・メロは、外に出る自由こそないものの気の合う同い年の仲間たちとささやかながら幸せな日々を送っていた。だが、15才となったある日、仲間たちと集落の地下に連行されたメロは、恐ろしい儀式に参加させられ……!?異形の咆哮がこだまするノンストップ・ホラー・サスペンス開幕!!!
時は戦国。天下の趨勢を決する、織田・徳川連合軍との戦に敗れ壊滅寸前の武田軍。その跡継ぎである武田信勝は、土屋昌恒率いる達人集団「赤葬兵」に守られ、天目山を目指す。敵の囲みを突破しようとする彼らの前に立ち塞がったのは、織田軍でも徳川軍でもない死者の群れだった――!死者対武者、ここに開戦!!
推理作家・白瀬は、大学時代からの友人・音野の謎解きの才能に気づき、彼をモデルに小説を書いている。ただし、音野は自信ゼロのナイーブな性格で、依頼される事件にも及び腰。事件現場へはお弁当持参、世界一気弱な名探偵・音野順の活躍は!?
一人旅で白峠村を訪れた小説家の道尾は、旅館近くの河原で奇妙で不気味な声を聞く。その場所は、かつての連続児童失踪事件で最初の犠牲者が発見された場所だった。同じ頃、道尾の同級生で霊現象の探求家として名高い真備のもとに、白峠村近辺で撮影された、背中に眼が写りこんだ心霊写真が大量に届いていた。この村で一体何が起こっているのか――!?
暗黒と狂気が支配する深海6000メートル。フィリピン海の巨大深海プラント「コフディース」。日本企業と中国企業の思惑が複雑に入り組んだこの施設で起こった、原因不明の作業員全滅の事故。それから3年後、成り行きから事故調査メンバーの一員となった門倉健吾が、海の底で見た光景は――!?
悪夢のような巨大昆虫発生から3年が過ぎた夏休み。野崎登ら高校生グループ8人は課題のため横浜みなとみらいへとやって来た。無事見学を終え、観光がてらランドマークタワーの展望台へ登った8人。だが、展望台から見下ろす横浜の街には、巨大な昆虫の群れが迫っていた――!!!
世界でただ三人だけという魔を滅する針“退魔針”の使い手“大摩流鍼灸術”総帥の大摩は、助手の真紀とともに魔性に憑かれた藤尾重慶の“治療”に訪れた。しかし魔性を消滅させる“急所”はそこにはなかった。大摩は“急所”を求め、アメリカ・ダンウィッチへと向かい、もう一人の退魔針灸師・妖京梧と出会う。“センティネルの丘”に到着した大摩と妖が見たものは――!?
6年前の航空機事故の生き残りである高校生・霞士朗。彼は事故で失った右目と引き替えに<過去を視る能力>を手に入れ、その力を使って母を手にかけた殺戮者を探し出す事だけを願い、孤立して生きようとしていた。だが、彼の過去を知りその身を案じる刑事・樫村やゴシップライター・水沢に出会い…!?
作品冒頭に出てくる「レエ……オグロアラダ……ロゴ……」という言葉。何のことやら意味不明で、響きといいとらえどころのなさといい、何とも言えない不安感をあおられませんか。ミステリーの導入としては秀逸だと思います。実際、私はその意味を知って安心したいがために、ページをクリックするマウスを止められませんでしたよ。で、読んでも読んでもどんどん不安感は増していくばかり。いやあまんまと術中にはまってしまった訳です。白峠村を訪れた作家の道尾秀介は児童の神隠し事件を知り、遺体が見つかった場所で奇妙な声を聞く。帰京した道尾は友人の霊現象を探求する真備庄介に相談。偶然にも真備の元には、自殺する前にとられた複数の写真に写る眼についての相談が舞い込んでいた。ここまでは1巻の時点でわかっていることなんですけど、これが霊現象なのかは明らかにされないのがミソなんだよなあ。原作は直木賞作家のデビュー作。で私の大学・学部の後輩ということをこれを書いた後に知って、期せずして前回と大学つながりになっちゃいました。う~ん、ミステリー。