ロックは淑女の嗜みでして

煽り合うお嬢様からしか得られない栄養素がありますの #1巻応援

ロックは淑女の嗜みでして 福田宏
兎来栄寿
兎来栄寿

今日、ラジオ出演で六本木ヒルズに行ったんですよ。 そして台本を見たら、インターバル部分に「♪星座になれたら」(『ぼっち・ざ・ろっく』)って書いてあったんです。 もう、神かと。最高かと。 内心ノリノリで、マンガ紹介も捗りました。 ただ来月のライブ、会場がキャパ3000人らしく戦争が過ぎると思うのでもう少し大きいハコでやってくださったら皆幸せだったのでは、と思わずにはいられない今日この頃いかがお過ごしでしょうか。 というわけで、『ぼざろ』効果もあってロックが盛り上がっている丁度いいタイミングに、この作品の1巻が発売となったので推さずにはいられませんわ! 店頭で帯を見たら、帯もはまじあきさん激推しとなっていて激熱ですわね! 本作はタイトル通り、お嬢様たちが熱情を懸ける対象がロックとなっておりますの。 にわかお嬢様でありながら、それを隠して学園一のお嬢様である「高潔な乙女(ノーブルメイデン)」の称号を得んとする主人公の鈴ノ宮りりさ。 そして、りりさをそのドラムテクニックで誑かしてセッションに巻き込む黒鉄音羽。 彼女たちの奏でる音が交わるとき、物語は幕を開けますわ! パッションとテンション全開の演奏シーンの熱さもさることながら、その後にそれ以上の勢いで繰り広げられるとてもお嬢様とは思えない煽り合いが最高ですわね。 『ゲーミングお嬢様』や『対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~』などでも見られますが、普段は優雅でお淑やかなお嬢様が荒々しい行動と共に口汚く相手を悪罵し、餌を獲るのに成功して勝ち誇るゴリラのように荒振り猛っている様は大変に趣深いものですわよね。ましてや、黒鉄さんの方は黒髪ロングストレート。ここからしか得られない栄養素を、バッツンバッツンに補給できますわ。 このマンガ、驚愕(パネ)ェですわ……! お嬢様学校でバンドを組むという時点で情熱(エモ)いのですが、二人だけですら激熱なところに今後新メンバーが加わっていったらどんな化学反応が起きるのか……楽しみで仕方ありませんの!

僕の心のヤバイやつ

ラブコメですよ

僕の心のヤバイやつ 桜井のりお
ゆゆゆ
ゆゆゆ

厨二病陰キャ・市川くんが、高校生モデルでお馬鹿な陽キャ・山田さんに絡まれるギャグコメディ漫画かと思いきや。 とってもピュアなラブコメだった! ラブだけでなく、コメディもついてくる。 だって、山田さんはちょっとズレてるし、市川くんは厨二病の呪いにかかってるし(だんだん解けている気もする)。 ふたりの存在ががコメディを呼んでいるから、仕方ない。 それでもラブ要素もがんばっていて。 なんでもない日常から、だんだん恋を認識していって。ちょっとしたことにドギマギして‥少しずつ進展していく恋模様。 ただ、山田さんへの恋心は誰にも気づかれていないと思いきや、山田さんの友達には既に把握されているわ、家族を山田さんに紹介することになるわ‥。 ――市川くん、外堀が埋められていっているよ!埋められるのが早すぎるよ!! この展開、やっぱりコメディだ。ラブコメだ。ラブだけにはなれない。 ラブコメ主人公は山田さんが好きな恋愛漫画のようにラブ&コメディから逃れられないんだ。 というかんじで、外野でヤイヤイ思いながら、楽しく読んでいる。 アニメ化も納得。 アニメグッズに、市川くんが読んでいる殺人本デザインのブックカバーが出ないかな。

性別「モナリザ」の君へ。

男と、女と、オマァさん

性別「モナリザ」の君へ。 吉村旋
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公のひなせは、性別が決まっていない「準モナリザ症候群」の高校3年生。 性別を持たない子どもは、通常12歳から14歳で肉体的に男か女に変わっていくはずなのに、変わらないままでいる。 変わらない理由はわからない。 気にならなくなっていた無性別の状態。 でも幼馴染二人の思いを受け、18度目の春は激動のものへと変わり始める――。 読みながら、こういう存在がオマァさんなのかと思った。 オマァさんというのは、昔々、予備校の先生が授業で「ここに、男と女とそれ以外の性別。仮にオマァさんというのがあるとしよう」と言っていたのをきっかけに覚えている単語だ。 なんのくだりで、そんな話をしたかはわからない。 謎の音を発していたので「オマァさん」は私が聞き取れた音で、先生が本当は何と言っていたのかもわからない。 とにかく、男と女以外の、肉体的に存在している性別。 半陰陽でもなく、精神的にでもなく、難しいことは置いておいて、第3の性別であるオマァさんがあるのが当たり前の世界を考えてみようと、先生はいった。 この漫画におけるオマァさんは、無性別という性別になるんだろう。 ふんふんと読み進めていくと、無性別のひなせという存在があるからこそ、男らしさや女らしさ、恋愛について考えさせられると思った。 ひなせは男らしくも見えるし、女らしくも見える。 本人はどちらでもないのに、周囲の反応で性別が見えるような気がしてくる。 今、4巻ほど読めたところなのだけど、私には「ひなせ」の性別が今後どうなるのか、想像がつかない。 ひなせの恋愛感情に対する葛藤、幼馴染ふたりの恋の行方。 残り6巻、どのような展開になるんだろう。