青春は変態

初々しすぎて悶える恋 #完結応援

青春は変態 山本中学
兎来栄寿
兎来栄寿

2021年から連載していた山本中学さんのラブコメが先日完結し、本日完結巻発売となりました。 杉村くんと檜さん。両片思いのふたりのあまりにも初々しくたどたどしいやり取りや、その日好きな人の前で取った言動を反芻してベッドの上で煩悶し奇声を上げてしまう姿に、読んでいる方も身悶えせずにはいられません。人を好きになるということのアンコントローラブルな喜怒哀楽や気恥ずかしさ、陶酔が詰め込まれています。ふたりとも優しいいい子なのが、また応援したくなる気持ちをブーストしてくれています。 何が良いかと言えば、山本中学さんが『繋がる個体』や『サブスク彼女』の先にこの『青春は変態』を描いてること。あれらの作品の後に、こんなピュアオブピュアな恋愛を見せられる。でも、そこは山本中学さんなので、完全に『マーガレット』テイストだけでは終わらない。「青春は変態」だから。そこも確かに紛れもなく大事な青春の要素なのです。 それこそ、2巻完結の本作ですがもし『別冊マーガレット』で連載されていたらあと10巻くらいは擦った揉んだが続いていたことでしょう。正直、このふたりに関してはそこも見たいという気持ちは否めません。じっくりじっくり気を揉ませてくれても構わないし、2巻の最後まで読んでこのふたりのその後をもっともっと読んでいたいと思うのは自然なことでしょう。 ただ、本作はその先に待ち受ける無限は読者の想像に委ねられています。それもまた一興。 1巻だけ読むと別の意味で悶えると思いますので、この機会に2冊まとめて買い、一気に読むことを推奨します。