龍王魔法陣

りぼんで読んでたな〜

龍王魔法陣 藤井みほな
まるまる
まるまる

当時はとくに何も思っていなかったけど、りぼんの連載作品としては少し意外なテイストですね。(自分にとっては)りぼんの黄金期真っ只中に連載していました。 この作品では、世界征服を企む高校一年生の主人公が、初対面の同級生と喧嘩し、自分の強さを見せつけるため入学早々道場破りをする…というまるで少年漫画のような始まり方です。 たぶん最後に読んだのは10数年前になってしまう気がしますが、電書化されたのを機に読んだら、すぐに当時の記憶が蘇ってきました。なつかしいし、絵もうまいし面白い… 全3巻では収まりきらない濃密な世界観なので、全体的に早足で進んでいく感覚が否めません。今でも細かいところを読むのをためらうほど、少女マンガとしてはかなりの情報量で、もちろん当時小学生だった自分はキャラとセリフ以外は読むはずなく。でもそれでも十分楽しめるからいいと思います。 最初から無敵の生徒会ズラッ!!みたいな豪華さも好きだし、前世の自分と一緒に戦う!というのもロマンがある。 藤井みほな先生を知る人ならイメージわかると思いますが、ギャグのキレ具合もバッチバチで、一瞬たりとも飽きさせません。 3巻ですぐ読み切れる手軽さはありますが、今思えば、もう少し時間をかけて展開できれば大名作だったかな。

3インチ

実在の昆虫と戦いながら犯人を探すサバイバルホラー!

3インチ 多口はじめ
たか
たか

気弱な主人公もパニックホラーもたくさんあるけど、留学中の学生が主人公という設定はすごく珍しくて面白い! 留学中のアメリカで馴染めずにいた大学生の主人公は、勇気を出して年越しホームパーティーに参加するが、カウントダウンが終わった瞬間に意識を失ってしまい、目が覚めると身体が3インチ(7cm)になっていた。家アリや猫すら命を脅かす状況で、何者かがパーティーの参加者のペットである世界の昆虫をカゴから逃していて…というあらすじ。 1巻の表紙にあるように、人んちの猫に命を狙われるシーンがとても現実味があってメチャクチャ怖い!あとアリに襲われるシーンは漫画だとわかっていてもギョエーッとなる…。 また体が縮んだことでただ不利になるのではなく、「高いところから落ちても平気」、「筋力20倍」などのメリットをあるのが単純じゃなくていい。 カリフォルニアの虫や動物が次々敵として登場するので、アニマルドキュメンタリーを見ている感じで楽しめる。 実在する虫(主人公たちにとっては巨大生物)とバトルをしながら、味方の中に潜んでいる犯人探しをするスリル最高です…! https://www.urasunday.com/3inch/comic/58764.php

四ツ谷十三式新世界遭難実験

圧倒的才能...! マンガが上手すぎる

四ツ谷十三式新世界遭難実験 有馬慎太郎
たか
たか

2017年に読んで衝撃を受けた作品。1話だけ読んでもとにかくすごい。というか1話4ページ目の見開きのシーンが上手すぎる。ただの釣りと見せかけておいて、いきなり奇妙で壮大な世界を見せつける構成に痺れる!! (読めばわかります…とにかく第1話読んで) https://comic.mag-garden.co.jp/yotsuya13/ 凄まじい画力と懐かしいノリのギャグが織りなすハーモニーが最高。 ネットでは「高い画力で描かれるSF。主人公がゲスに振り回されるストーリー」という部分がレベルEと共通するというだけで「パクリ」と呼ぶ輩がいるようで本当に悲しいです…。 それは「NARUTOはハリー・ポッターのパクリでハリー・ポッターは落第忍者乱太郎のパクリ」だと非難するくらい、的はずれなこじつけにすぎません。 そもそも冨樫先生の高い画力と卓越したストーリーは、表面的に簡単にパクれるようなものではありません。魅力的な絵と読者の度肝を抜くエグい展開。この2つが揃って初めて冨樫先生らしさにようやく一歩近づけるかどうかというくらいでしょう。 もし仮に冨樫先生の漫画を真似できるとしたら、それ自体がその人の人並み外れた能力の高さを示しており、むしろ評価されるべきだと思います。 そして有馬慎太郎先生は、誰と比べる必要もなく最高の漫画家です! マグコミでずっと読んでいたので、休載のアナウンスがあったのかどうかすら把握していないのですが、ずっと続きを待ってます。 (画像は2話より。キャラデザ・設定、何もかも好き…)

HEART GEAR

終末後の世界を生き抜くドロイドたちとひとりの少女

HEART GEAR 高木勇志 タカキツヨシ
mampuku
mampuku

 「BLACK TORCH」のタカキツヨシ先生新作。手堅い能力バトルな前作とはうってかわって終末後の世界を描いたSFです。ど迫力のメカアクションにあっと驚く展開、「BLACK TORCH」と比べてもスケールアップが著しいです。  そして変わらず素晴らしいのがキャラの魅力的なこと。感情豊かな人間の少女ルゥ。人間らしいコミュニケーションを会得した、AIを搭載したロボットたち。人間(AI?)ドラマとしても面白いです。  人工知能を決して低く見ていないのが実に今どきの近未来SFって感じでいいですね。「AIには理解できない人間どうしの機微」というのは将来的になくなるそうです。機械が人間を知性で上回り、強力な機体をもち、自立した活動を行えた場合、人間は彼らの下位的存在でしかなくなってしまうのでしょうか。絶滅後の生き残りであるルゥは、その存在の珍しさから好奇心を満たす存在としてドロイドたちに可愛がられています。あるいはクロムのように、ルゥを守ることを使命としてプログラムされたドロイドもいます。どちらも見かけ上は人間が抱く愛情となんら変わりなく思えます。人間の感情も脳内物質の伝達とニューロンの発火からなるアルゴズムといいますし、作中のように高度に発達しいたドロイドと人間の差なんてあってないようなものかもしれません。