ぜんぶきみの性

あやふやな性別

ぜんぶきみの性 浅月のりと
ゆゆゆ
ゆゆゆ

性転換症候群(TSS)という、ときめくと性転換してしまう謎の症状。 生まれたときからTSSだったので、恋愛がわからないという凪沙が恋を知る漫画なのだけど。 タイトルの2つの意味そのままで、とても素敵だった。 ひょんなことから凪沙に出会い、彼女のことが好きになった了。 運命のいたずらか、その後、了は後天的にTSSとなり、再び凪沙と出会う。 男版、女版問わず、凪沙にときめくたびに、ぴろんぴろん性転換する了。すごくかわいい。 作中に登場する性別があやふやな人たちは、彼らだけでないところがまた魅力的。 女性が好きな女性、男性になりたい女性、女装を楽しむ人、いろんな人たちが出てくるので、外見とは一体なんだろうと考えてしまう。 もちろん外野は異性愛の人が多いものの、高校という場所柄か男同士の了と凪沙が仲良くしているのを見てもええ上がる女子生徒もおり… TSS用の寮があることからも、自由な校風が伝わってくる。 思わず一気読みをしてしまった。 『ぜんぶきみの性』、男の娘も出てくるけどそれだけじゃないおもしろさと、少年誌ならではの歯止めがかかったちょっぴりエッチな展開と。 おもしろいですよ。

ありふれた職業で世界最強

主観なので駄作とまでは言い切りたくないが…

ありふれた職業で世界最強 たかやKi RoGa 白米良
mampuku
mampuku

 男子中学生の妄想ノートを延々と読み聞かせられてるみたい。笑  なろう系のファンタジー小説って多かれ少なかれそういう厨2要素がありつつ、ストーリーを構成するある種の技術によって、カタルシスや萌えなどで読者を気持ちよくしてくれるエンターテインメントに昇華されてる、特に人気の作品は大体そうだと思うんですけど、この「ありふれた~~」という作品に関しては"厨2要素"どころか剥き出しの妄想そのものを読ませられてるみたいです。残念なことにコミカライズ担当の絵が上手すぎないのもそれに拍車をかけてる感じがします。  ナードで陰キャラなのに"何故か"クラスの中心的グループから一目置かれ、”何故か”クラスのマドンナから甲斐甲斐しく世話を焼かれ、そのせいでクラス中から妬まれている。その後クラス全員で異世界に飛ばされるも"偶然"最強レベルの能力に目覚め、強くて可愛くて従順で自分に好意を向けてくれる少女と出会い、一緒に魔物と戦いながら元いた世界を目指して旅をする。  ……。  いや、わかるんですよ、牛脂で焼けば肉は美味いし苺に練乳かけたら美味しいのはわかるんですけど、これはどちらかというと牛脂に練乳かけてナマで食わされてるみたいな…料理しよ?  ちなみにコミックスの巻末に4ページ程度の書き下ろし小説がついています。短いですが、けっこう読むのがしんどかったです