ミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ

日本の文化と文法に精通しすぎたイタリア人のマンガ

ミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ ペッペ
兎来栄寿
兎来栄寿

初めてトニー・ヴァレントさんの『ラディアン』を読んだ時、「絵のみならず日本の少年マンガの文法をここまで取り入れた作品をヨーロッパの作家が描く時代かー!」と驚愕しました。 最近は海外のマンガも沢山読めるようになってきましたが、当然ながらその国のテイストが強く出ている作品が基本的に多いです。その上で、完全に日本マンガナイズされていた『ラディアン』は衝撃的でした。 そして、この『ミンゴ』に関しては同様のことが今度は日本の青年マンガの文脈をしっかりと汲み取った上で為されていることに感嘆しました。 主人公のちょっと残念で、でも一念発起して頑張ろうとする姿に苦笑しつつ憎めず応援したくなる感じや、友人の無茶苦茶な振る舞い、ヒロインの絶妙なかわいくなさは正に『アフロ田中』などを読んでいる時の感覚そのもの。 絵はもっと上手くなると思いますが、今くらいの画力が平成前半位の青年マンガ感を生み出すのに一役買っていて丁度良い気もします。 テラスハウス出演のイケメンイタリア人が描くマンガの内容がこれ、というのもまた物語として面白いです。本人が主人公で実写化するなどしたらまた話題になって面白そうですけどね。

藤原くんはだいたい正しい

顔面のニヤニヤが止まらねぇ〜!!

藤原くんはだいたい正しい ヒナチなお
天沢聖司
天沢聖司

いやも〜〜〜!これすごい好きです。読んでて思わず「フフッ…」て笑ってしまう。キャラ・ストーリーが面白いうえに、絵の独特のデフォルメもすごく可愛い!そして吹き出しが水玉やストライプのトーンで塗られてて素敵でした。 「着ぐるみちゃん」と呼ばれ、男子からも女子からもマスコット扱いされ「女の子」として見られていない主人公・ヒツジ。ひょんなことから生徒会入りしてクールな生徒会長・藤原くんからズバズバ助言・正論をもらうのだが…というお話。 **この漫画のメッッッチャおもしろいところが、ヒツジが片思いしている冬也の存在。この冬也がマ〜〜〜ジでクソチャラ野郎(無自覚)なんですよ…!!** https://i.imgur.com/nQT8hJb.png (『藤原くんはだいたい正しい』ヒナチなお 1巻 第2話) 朝に「はよー!」って挨拶しながら肩を組んできたり、「俺のヒツジ」って言ったり「髪ふわふわなのが可愛い」って言ったり、ゲーセンで「ヒツジに似て可愛い」マスコットを取ってくれたり… **いやくそチャレ〜〜!!!チャラすぎる…!!** 読みながら「うわこれ気を持たせるだけ持たせておいて付き合う気全然ないやつじゃん…」と、私は早い段階で理解していたのですが、主人公のヒツジはまだJK。 健気にも冬也のやることなすことにに一喜一憂し、両思いではないかと期待してしまう。そんな姿が、アラサーの私には堪りません、すごくニヤニヤします。 作中「おい、あいつお前と付き合う気ないぞ早く気付け!!」教えてやりたくなったタイミングで、生徒会長の藤原くんが読者が言いたいことを120%ヒツジに言うシーンがあって最高にスッキリしました。 そしてこの藤原くんの物の言い方が、んも〜〜ホント好きですww **「謎に不遜で偉そうでぶっきらぼうな喋り方(でも言ってる内容は正論)」**で、まさに少女漫画の王道ヒーロー。 >(マスコットを見て) >「は、こんなんゴミじゃん」 >(ヒツジがマスコットを落としてしまい) >「俺にはゴミだけどあんたには大切なものなんだろ?」 ファーーーwwww いやもうDVww 下げてから優しくするwwwナンパのテクニックで言うところの「ネグ」を活用しまくり。 久しぶりにこんな王道の少女漫画を読んだので、こういう喋り方をする男子高校生にニヤニヤが止まりませんでした、最高です。 早く全巻読みたい…そしてメッチャ人に勧めたい…!