プリンス・ボンバーにくびったけ

V系カリスマの休暇

プリンス・ボンバーにくびったけ 中川勝海
名無し

プリンセス・ボンバーに狂い咲きの続編。サディスティックスの活動を休止して1年した頃のお話。 「プリンセス・ボンバーに狂い咲き」では、父娘だけど恋人という紫織と李奈の関係にとまどったけど、実際のところ2人はただ「恋人のように仲が良い」だけでちゃんと冷静。 この続編のプリンス・ボンバーにくびったけでは、 「紫織ちゃんに好きな人が出来たら結婚していい」 「李奈に好きな男ができたら親子だと公表する」 …などと、それぞれがお互いに恋人が出来る可能性について話している。 この「恋人」と言いつつ結局のところ2人はメチャクチャ仲のいい親子止まりなのがちょっとスッキリしなかった。 まあ人間の関係なんて完璧に白黒ハッキリつけられるものでもないし、つける必要もないんだけど…漫画としてはきっちり描いてほしかった気もする。 それにしても、この漫画は同衾するシーンがやたら多くてすごく印象に残った。父娘・同性の知り合い・兄弟…布団の中でおしゃべりしまくりでみんな仲良いな。 真理のデビューも決まったことだし続きがあるならぜひ読みたい…! 2人がどうなるのか結末を見届けたいです。

31番目のお妃様

はずれお妃様のシンデレラストーリー※転生はしません

31番目のお妃様 七輝翼 山下ナナオ 桃巴
六文銭
六文銭

WEB広告でよく見るので購入。 少女マンガ的恋愛モノって私苦手なんですが、これはすごく気持ちよく読めました。 最近流行りの乙女ゲーム内に転生かな?とか思いましたが、転生ではなかったです。 内容は、とある国の村娘だった主人公が31番目のお妃に選ばれたという話。 村娘がなぜ?と思うが、この国の規則で、暦の日付どおりでしか王様は会いにいけないというルールがある。 つまり、31番目=31日なので、3ヶ月に1度しか会うことができないので、貴族階級の子女はなりたがらないため、主人公のような平民が選ばれたのだ。 本作が面白いのは、そんな環境下でも主人公はふてくされたり、もっといえば、他のお妃を亡き者にして自分が頂点にといった成り上がり的な話ではなく、ごく自然体で過ごすところ。 もう、ホント、村娘出身らしく自然に過ごす。 侍女もつけず(正確には意地悪でつけられなかった)後宮内で、作物つくったり、パンつくったり、およそお妃とは無縁の生活をする。 他のお妃や女官長の嫌味も嫉みなんのその。 そんな彼女の自然体に、日頃から政治的背景で求婚されている王様も惹かれていきます。 美貌と体で選ばれるのでなく、肝がすわって男に頼らない態度で女性が自立していく姿は見ていて清々しいです。 少しづつ、主人公も王様とも恋愛モードになってきて、それがまた良いです。 31番目をどう覆し選ばれるのか、今後が楽しみです。

さぁ、ラブの時間です!

脇役の女と結婚しちゃう珍しいラブコメ

さぁ、ラブの時間です! 上杉可南子
名無し

ちょっとタイトルが恥ずかしいと思いながら読んだのですが面白かったです。駆け出しライターの小川瑞木が女性にトラウマがあるイケメン官僚の酒盛はじめと出会い、ひょんなことから恋愛指南するという形で物語は始まります。最初から瑞木にだけは酒盛の身体も拒否反応が起きないので早々にそういう関係になったし、大体こういう漫画って主人公とイケメンが付き合うんでしょ〜?と思ってたら、全然違ったのでビックリしました。なんと酒盛が違う女と結婚しちゃうんです!だから物語の大半がお互い好きなのに不倫未満みたいな関係なんですよね…。しかも妻の他にも悪い女が出てきて簡単に騙されちゃうし、主役と付き合うべきイケメンがガンガン他の女と寝ちゃう、新感覚ネトラレ?な漫画でした。プライドの高い男が気の強い女にタジタジになる関係が面白くて、酒盛と瑞木のカップルがとても好きだったので、2人のイチャイチャが少ないことで物足りなさは正直ありますが、でもそれ以上に人間の弱みを魅力として描くのがとても上手いのでライバルキャラの成長も楽しくて、途中で読むのを辞めようとは思わなかったです。

voiceful

ネットの歌姫と引き篭もりの私

voiceful ナヲコ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

こんなに繊細で優しい「救い」の物語が、「コミック百合姫」黎明期に存在した奇跡を思う(「百合姫」の前身、「百合姉妹」から続いた連載)。 キスシーンひとつ無い、女性同士の様々な感情を包摂したこの作品こそが、現在の拡張していく「百合」世界の、感性の基礎になったと言えると思うし、今読んでもその内容は、全く色褪せない。 ♡♡♡♡♡ ネットで出会った歌声に心を救われた、引き篭もりの女子高生は、不意にその「歌姫」と知り合う。会う度に親密になる二人だが、歌姫が歌に打ち込む為、会えなくなると言う時、二人の心は……。 ♡♡♡♡♡ 神様と出会ってしまった女子高生の、浮かれる気持ちと浮かれてしまった後悔、そして会う度に募らせた気持ちが胸に迫る。 一方、女子高生に温かさをもらい、辛い過去を振り切り、勇気を出してネットの世界から出ようとする歌姫もまた、切実だ。 傷を持つ二人が、互いへの想いをよすがに現実へと踏み出す、繊細な友愛の物語。成人誌でも(同性・異性の別無く)傷ついた心を思い遣る関係性を描いて来た、ナヲコ先生ならではの作品と言えるだろう。 (成人誌の作品に関しては短編集『からだのきもち』をご覧下さい)。