シートン動物記
大自然を生きる動物たちを描いたシートンの名作を、白土三平がリアルタッチで劇画化。高い評価を得た、正確な動物描写の傑作。▼第1話/ワーブの少年時代▼第2話/ワーブの青年時代▼第3話/ワーブの壮年時代▼第4話/ワーブの老衰時代●あらすじ/灰色熊の仔・ワーブは人が未だ訪れたことのない未開の地で生まれた。力持ちで優しい母のもと、3匹の兄弟とともに元気よく、すくすくと成長していった。しかし、ワーブたちの平穏な暮らしは人間の放つ銃弾によって一気に崩壊させられてしまう。母熊と格闘し、傷ついた家畜の雄牛を見つけた家畜王・ピケット老大佐が家畜の安全のため、熊狩りを行ったのだった。母、そして兄弟たちが次々と倒れていくなか、ワーブは運良く九死に一生を得る。しかし、まだ自分の力でエサを確保できない小熊には、厳しい自然の摂理が待ち構えていた!(第1話)
狼小僧
▼第1話/第1章・怪童子誕生▼第2話/第2章・謎の男▼第3話/第3章・狼谷の決闘▼第4話/第4章・伊賀の忍者▼第5話/第5章・再会▼第6話/第6章・地走り。放浪の巻▼第7話/第7章・仇討ち●登場人物/佐助(狼に育てられ、その後忍術の修行を積む。狼の群を率いる)、影丸(佐助の忍術の師匠。陰から佐助を見守る)、お春(佐助の母親。佐助を捜している)●あらすじ/ある農民夫婦の息子・佐助は両親が目を離している間に姿を消してしまった。村人たちの必死の捜索も徒労に終わり、佐助はついに見つからなかった。それから月日はめぐり、遠く離れた村を狼の群が襲った。親玉狼を狙いに山に足を踏み入れた猟師・留吉に襲いかかってきたのは、なんと狼ではなく少年だった……!(第1話)。▼再び村を狼の群が襲った。しかし、今度は村人に逆襲されて少年は捕らえられ、「狼小僧」として話題になる。その噂を聞いて、「もしや佐助では……」とお春が村を訪ねてくる。母の子守歌に一度は心を開きかけた佐助だが、仲間の遠吠えで再び狼へと戻ってしまう。そこへ村人が襲いかかるが、煙幕が張られ、佐助は謎の男によって連れ去られる。意識を回復した佐助は、男に襲いかかるが……(第2話)。
山びこ姉妹
民話を現代に蘇らせた恐怖譚シリーズ第一弾! 1963年に「やまびこ姉妹」シリーズの長編第一弾として、貸本短編誌『虹』に6回にわたって連載された作品を復刻します。山村で暮らす姉妹・さつきとかんなをめぐる民話調の恐怖譚です。物語は、夏休みの自由研究で「キツネと迷信」について調べる姉のさつきが、東京育ちの同級生の少女が狐つきの憑依に襲われる場面に遭遇するが、その正体は…。後にホラー性を強調したものへ描きかえられ雑誌に発表されますが、そのオリジナル版です。カラーページも再現された完全バージョンで初めて復刻集成されます。著者インタビューのほか、四方田犬彦氏、想田四両氏の解説が付きます。
ノーマン
ぶきみに輝く青い月は、何の前兆だったのか?だれが、何のために、タク少年を五億年前の月世界へワープさせたのか!?そして、宇宙の敵、ゲルタン星人とは?雄大なスケールで描く、傑作スペース・オペラ、第1弾!
おれは猿飛だ!
落ちこぼれ忍者、猿飛佐助登場!霧隠おサイちゃんと、戸沢白雲サイ先生から忍術を学んでいるが、なかなか免許証をもらえない。真田幸村、三好晴海などおなじみのメンバーもせいぞろいしてくりひろげる忍術絵巻!
ワタリ
伊賀忍びの里に現れた謎の少年ワタリと老忍者四貫目。伊賀の秘密の掟を暴こうとする2人の背後には、支配者の魔の手がしのびよる…。
▼第1章/猿山(カミナリ/孤猿/伏兵/旅立ち/恋鳴き/逃げ水/帰還)▼第2章/谷地湯(道づれ/下剋上) ●主な登場人物/カミナリ(第一位のボス猿。メスたちからの信頼も厚く、確固とした地位を保つ)、ダルマ(第二位のボス。おっとりした性格)、キズ(第三位のボス。気性の激しい性格)、歯ッカケ(第四位のボス。四匹の中で一番若い) ●あらすじ/領地没収になった日置藩領内に、廃城をねぐらにする猿の群れがあった。第一位のボス・カミナリを筆頭に四匹のボス猿たちが群れを統括していたが、ある日、テリトリー内に一匹のよそ者が現われる事件が発生。さっそく第二位以下のボス猿が撃退に向かうが、あっけなく敗北し、ついにカミナリとの睨み合いとなる。よそ者は何を思ったか、その場は戦わずに森へと帰っていくが、その後も群れの付近につかず離れずで居座り続け…(第1章)。
バンパイヤ
木曽の夜泣き谷から上京し、虫プロへはいったトッペイ少年。彼は、オオカミに変身するバンパイヤだったのだ!悪党間久部緑郎は、トッペイの超能力を犯罪に利用しようとたくらんだが……!傑作SF巨編、第1弾!!
あばしり一家
あばしり一家の紅一点、菊の助が番外地警察にさらわれた!菊の助を助けるために、駄ヱ門、五ヱ門、直次郎、吉三はうるわしの要塞へと向かうが、全員捕らわれてしまい…
ブラック団
世界一まぬけなギャング、それが「ブラック団」。親分の可藤骨臓、通称カポネ。でぶでぶおへそがハートのタロー。顔に向こう傷のあるジロー。いまだかつて一度も作戦が成功したことのないおまぬけギャング三人組だけど、なぜか鬼刑事ヒゲトラには執拗に追われてしまう。クソー、みてろよ、今日こそ作戦を成功させてやる!
超常能力を持つ美人教師・千草カオル(ちぐさ・かおる)のサイキックファンタジー、開幕!学外での屈強な男子生徒のケンカを止めに入ったのは、若く美しい一人の女性だった。生徒達が見守る中、見事な手並みでケンカを収めたうえ、争いの本当の原因を知っていると告げる。彼女はなんでも見通す「千の目」を持っているというのだ。翌日、新任教師として白鳩女子学園に現われた彼女は、潜在能力を持つ一人の女子生徒に出会う……!
パットマンX
ぱっと現れ、ぱっと消える正義の使者、パットマンX!悪を滅ぼし世のため人のため働きます。困っている人を見かけたらマスクをかぶり、マントをはおって、特製スクーターで登場!そして沢山の発明品で悪と戦います。もちろん病気でつらくても、笑顔で立ち去るパットマンX!ジョージ秋山デビュー作、ほのぼのギャグストーリー!
『ワタリ』が教育=洗脳論である事、終盤の流れが寺子屋から近代的な学校に移っていく時代の流れなどは善悪を超えた社会論、教育論として興味深く、特に0の忍者の持つMKウルトラ作戦的なSF性や神話に纏わる寓話性がある。 この作品には一つの曰くがあって、最終部となる第三部が著書・白土三平による選集に収録されていなかった。これは第二部を執筆後の白土が急病に倒れ、全体的な完成に関与できなかった故に自作ではないとの判断により除かれたのである。 実際第三部は変装のトリックがクドいほど多いなどの欠点が無いとはいえないが、それでも0の忍者が単なる暗示による超人忍者計画ではなくて、寧ろ無限に代替を生成する究極の身代わりの術―あたかも、アラビア数字の位が0で増える様な簡単さで己の複製が出来ていく、全ての基礎のような術―であると示される様は圧巻であり、それに白土が何処までタッチしていたかは不明だがそのエッセンスをある程度以上の水準で連載させて完結させた姿を見ると、当時の赤目プロが単なる職業集団では無くてワタリたちが理想としていた思想を共有し独立した生活単位を営む渡一族に見えてくる。