こころのナース夜野さん

3巻から一気に引き込まれた

こころのナース夜野さん 水谷緑 山登敬之
ひさぴよ
ひさぴよ

1巻を読んだ時点では、良い漫画だとは思いつつも、深刻な心の悩み(特に自殺願望、リストカットの心理とか)にそこまで共感できず、しんどすぎてもう続きを読むことはないかなと思ってたところ、作者さんの最近のツイート(https://twitter.com/mizutanimidori/status/1603767672566530048 )「暴力を振るう男性が何を考えてるか」を目にして、この回のテーマが刺さりすぎて衝動的に一気に完結まで揃えて読んだ。3巻は「男の生きづらさ」がテーマなのだが、自分も男性である以上、まったく他人事とは思えない内容だった。 https://manba.co.jp/boards/106869/books/3 そして精神医療の世界は決して”向こう側”の話ではなく、想像していたよりも地続きの問題であり、深刻でないにしても、メンタルや依存症問題に興味があれば、読んで非常に勉強になることが多かった。男性の加害問題だけでなく、5巻では女性側のパワハラ・DV加害も取り上げられていて、こちらも「なぜ人に怒るのか」というプロセスが明確に説明されており、今まで感じていたモヤモヤが晴れたような気持ちになった。 その他にも語りきれないほど多種多様なテーマが盛り込まれている「心のプロ」を仕事とする人々描いた作品。 この先も、心が不安定になることがあったら読み返したい。

かっとばせ!キヨハラくん

おもしろすぎるが故のほろ苦い思い出

かっとばせ!キヨハラくん 河合じゅんじ
酒チャビン
酒チャビン

前年に始まったおぼっちゃまくんの絶大な効果により、ボンボンからコロコロに鞍替えしたわたしですが、かっとばせ!キヨハラくんの連載開始によって、わたしの中でコロコロの最盛期を迎えました!! 小学校時代の友達に、大の藤子まんがファンがいて、そいつんちでコロコロは読めたので、わたしはボンボンを買っていました。小学館のブランドのなせる業か、ボンボンに比べてものすごく品があり、健全かつ優等生的な雑誌に思え、それが逆にわんぱく盛りのわたしには物足りなく感じたものでした。ブランドカラーもコロコロは「赤!白!青!」のパキッとした清潔感のあるトリコロールなのに対し、ボンボンはピンクとかターコイズブルーとかいかがわしく微妙な色彩だったのもわたしの性に合ってました。アホーガンも良かったですし、ガンダム関連の記事も充実してましたしね。 その後、コロコロでおぼっちゃまくんの連載が始まるに至り、その破壊的なおもしろさにやられ、おぼっちゃまくんだけのためにコロコロに移籍しましたが、いまいちボンボンのことも忘れられない日々を過ごしていました。 そんな中はじまったかっとばせキヨハラくん!!!第1回はよく覚えてます!!!もうクラスでもすぐに大話題!大人気!!あの頃野球もものすごく人気ありましたし、KKコンビも プロ入り直後で大変人気でしたからね!これにより、すっかりアホーガンやボンボンのことは忘れることができました!!! 苦い思い出なのは、盲腸で入院した時のこと。。。クラスの友達が、市民病院に入院中のわたしのお見舞いにきてくれたのですが、そのお見舞い品がなんとキヨハラくんのコミックス!!!退屈していたので、ものすごく嬉しかったのですが、おもしろすぎて、傷口が引き攣ります!!あんまり笑ったりすると傷口が開くとお医者に脅されていたので、これはまずいと結局入院中はそれ以降読むことはありませんでした。 でもずっと持ってましたね。そのキヨハラくん。ですが、度重なる転居で今ではどこかに行ってしまいました。あの時来てくれたみんな、今頃どうしているのでしょうか・・・

逆境ナイン

これは相当上位にランキングせざるを得ない野球マンガ

逆境ナイン 島本和彦
酒チャビン
酒チャビン

失礼ながらそれまで全然存じ上げなかったのですが、半年くらい前に初めて作品に触れて、いまはサインをもらいたいマンガ家ベスト3に入ってくる島本和彦先生による野球マンガです。 アオイホノオをはじめとするマンガ家マンガの面白さについては大信頼をしていましたが、その他のスタイルのマンガについては、これまた失礼ながら完全にナメてました(だってアオイホノオで描かれているものが軒並み面白くなさそうだったんですもん!!)。 が、WBCに備えて世の中の全野球マンガを制覇しておこうとしている以上、避けては通れないということで手に取りました。 これは相当上位に来てしまいます。 もう第1話からめちゃ面白いです!!! あとはとにかく作中に通底する熱いメッセージがとにかくしびれます。最後の最後、飛行機がなぜあんなに高く飛べるのかについての答えとして、「すさまじいばかりの空気の抵抗があるからこそなのだ‼︎」で脳天にカミナリが落ちました。 努力や特訓を描いてその大切さを説くマンガは多く、そういったマンガはわたしも好きなのですが、このマンガは正面から努力や特訓のシーンを描くのとは少し違った形で、そういったものの大切さを教えて下すってます。こういうやり方もあったんか。。。 あまり努力とか頑張るとかそういう熱さが似合わない時代なので、多分この作品を面白いと感じる人は少ないと思いますし、あえて読んでほしいとも思わないのですが、島本先生には引き続きわたしのような者を熱くみちびく作品を著し続けてほしいと心から願っています。サインください!!!