青のアイリス

可愛い女の子に憧れる“イケメン女子”の正体は!?

青のアイリス やぶうち優
たか
たか

12月28日発売のちゃお2月号から始まったやぶうち優先生の新連載。今更ながら1話を読んでみたのですがものすごく時代を感じました…! https://ogre.natalie.mu/media/news/comic/2020/1228/201228_chao.jpg 主人公の中学2年生の愛理は、2階から落ちたプリントを追って飛び出し空中で全部キャッチして見事に着地するという、頑丈な体ととんでもない運動神経との持ち主。その言動とさっぱりした性格で周囲の女の子たちからは、男子の克樹と椿とともに「津辺中のイケメン御三家」と呼ばれているけど、本当は「か弱くてかわいい『女のコ』」になりたいと思っている。 友達の綾芽からはVtuberに興味がないと思われている愛理だけど、実は今年現れ早くも100万フォロワーを達成したVtuber「青野アイリス」の正体は愛理だった……!! https://i.imgur.com/jWVf8Y5.png いやー、めっちゃ時代だ〜〜…! 「芸能人(女優・アイドル・モデル)の正体は実はヒロインだった」っていうのは昔からある展開だけど、Vtuberっていうのが時代。 しかもVtuberは選ばれないとなれない芸能人より““ありそう””な感じがするところがいいですよね。 愛理も映像クリエイターのお兄ちゃん(19歳)の協力のもと受肉して活動しています。 私は子供の頃、学年誌でやぶうち先生の可愛い男の子が正体を隠し女の子として芸能界デビューする物語『少女少年』を楽しみに読んでいました(性癖に多大な影響を受けました)。 それから20年近く経ち大人になって、今度はボーイッシュな女の子が正体を隠して可愛いVtuberになるお話が読めるなんて…なんだか不思議な気分です。 単行本発売前からボイスコミックが公開されていて宣伝の力の入り方がすごい。 いずれアニメ化(もしくはガチでVtuber化)して動いて喋ってるところを見せてほしい…! https://youtu.be/GjcyDbWsDMo

火花

原作未読でも、お笑いファンでなくとも入り込める

火花 武富健治 又吉直樹
ひさぴよ
ひさぴよ

原作・又吉直樹氏の「火花」のコミカライズ作品。話題作だけど未読、という人は結構多いんじゃないでしょうか。私もその一人です。まず原作を誤解してた所があって、芸能に関心がある、お笑いファン向けの作品だと勝手に勘違いしてました。決してそんなことはなく、人間は誰しも漫才師である、という言葉の通り、お笑い好きに限らず広く開かれた物語でした。 読めば純粋に面白い作品で、作画の武富健治氏の絵の力によって、ページをめくる毎に物語に引き込まれていきます。原作未読ながら、小説とは別の魅力を存分に引き出されている…と思えてしまうほど、心に迫るものがあります。 芸人の現実を描く一方で、神谷のように才能がありながら、袋小路に向かってしまう人間に対して、厳しくも優しい眼差しを作品全体から感じました。 物語の中心人物である徳永か神谷、どちらに感情移入するかは読む人によって異なると思いますが、下巻で徳永が神谷に投げかけた一連の言葉がすべてのように自分には感じられました。 上下巻で長さも丁度良いです。原作未読でも、お笑いファンでなくてもおすすめです。

異世界不倫~魔王討伐から十年、妻とはレスの元勇者と、夫を亡くした女戦士~

早く単行本で読みたい!!!

異世界不倫~魔王討伐から十年、妻とはレスの元勇者と、夫を亡くした女戦士~ 大井昌和 いのまる
天沢聖司
天沢聖司

もはやテンプレを通り越してみんなのおもちゃにされてる感すらある異世界ジャンル。この作品を知ったときも「なんでも異世界でやりゃいいってもんじゃねぇだろ」と、異世界に同情してしまったんだけど、いちおう1話を読んでみたら想像よりかなりちゃんと「異世界」でガッツリ「不倫」だった。 勇者として仲間たちと冒険しそのまま王の娘と結婚した主人公は10年後の現在、大臣として日々デスクワークに追われ、妻との関係は冷え切り寝室は別々…という、異世界モノ的な冒険をすでに終え燃えカスのような日々を送っていた。 冒険時代のスキルで城を抜け出すと偶然、元仲間の女戦士と再会して飲んでいると、情熱に火がついてしまう。 女戦士がいかにも成人向けって感じの恵体でエッチなうえに、10年歳をとったことで今度は大人の魅力も加わり威力が凄まじい。こんな女に「本当はお前と共になりなかった」って恥じらいがちに言われてキスをねだられて、これで不倫しないほうが無理とすんなり納得できる。 これがサンデーうぇぶりでやってるっていうのが衝撃。 魔王の話を聞きたがる息子がいて、国王である義父から譲位を打診されている次代の王という立場で…と不倫のスパイスがメチャメチャ効いている。 単行本は3月12日に発売らしいので出たら買って読みたい。

ダイヤモンド・プリティー!

絵はすごく良かった

ダイヤモンド・プリティー! 恒吉民子
名無し

が、内容はここ10年で読んだ漫画の中で一番最悪だった。1冊読み終わったあと怒りが沸いてきた。絵が可愛くてあらすじが面白かったので期待して読んでしまった分、失望感が半端ない。基本的にAmazonの評価は良かったら「★5」、それ以外は付けないんだけど、あんまり腹が立ったので迷いなく「★1」をつけたほど。 これに収録されている ・「ダイヤモンド・プリティー!」 ・「グラウンドの彼」 ・おまけ 著者の家族とペットについてのエッセイ漫画 のうち、一番面白かったのがおまけのエッセイ漫画なのが笑える。 ものすごく可愛らしい画風で、コマ割りなどの見せ方の技術は本当に素晴らしいのに、話の展開の仕方が雑で本当に酷い。 「ダイヤモンド」はとにかく不愉快なキャラしか出てこない。 自分のことしか考えておらず、浅慮で他人に迷惑を掛けまくる主人公・サリ。(「こおゆう」という、間違った書き方で表現された幼気な口調がまたムカつく) 高校生にもなって幼稚ないじめをするクラスメイト。 私服校なのに生徒の服装をいちいち注意し、何かトラブルが会った際に生徒の言い分を一切聞かず、主人公たち交際を無理やり禁止しようとする教師。 学校にダイヤの指輪を持って来て窃盗をなすりつけ、PTAを動かして主人公たちを不純異性交遊で退学にしようとするいじめの主犯。 (この主犯がダイヤの指輪を持ち込んだことは当然お咎めなし) 娘の話を聞かずに「あんなのと付き合うのはやめろ」と言う母親。 不愉快な展開や登場人物が出てくること自体は構わないけど、カタルシスがなくては不愉快な展開にする意味が全くない。(不愉快さそのものがウリの漫画なら別だけど) おかげさまで、こちらはただ不愉快な思いをさせられただけに終わった。 純のことが好きなのに2カ月で帰国してしまうこと知った途端、サリはキスされたことに怒り、純を諦めるために仲良しのオカマちゃん・かなめが想いを寄せる紳介と付き合い、かなめから「紳介を傷つけないでね」と言われたのに結局すぐ紳介を振り、そのせいで虫の居所が悪い紳介がかなめを公衆の面前で傷つけかなめは飛び降りを図り、騒ぎが収まると教師はいきなり手のひらを返して不純異性交遊と盗難を不問にし、母親も何故か2人の仲を認めハッピーエンド。 「…ハ?」以外の感想がない。 主人公のサリに微塵も好感度がないのが、最後の急なハッピーエンドを意味不明ぶりに拍車をかけてる。なんでお前が幸せになってんだよ。 2作品目の「グラウンドの彼」は、コンビニに一つしか置いてないチーズ蒸しパンがきっかけで写真部の主人公・松村と陸上部の喜内が仲良くなる話。 こっちは途中まですごく繊細でピュアな王道少女漫画って感じで最高だったのに、途中で喜内が彼女と別れたことに対して主人公が逆ギレして、喜内の元カノの言い分も「はぁ、そう…」っていう感じで微塵も共感できないし、でも結局最後喜内といい感じになっててこれまた意味不明だった。 本当に、最後のおまけ漫画が普通によかったのが救い。 迷いインコを家族で大切に可愛がってたり、お父さんがうっかり水虫の薬を目にさしちゃったり…これぞ単行本のおまけ漫画というほのぼのした家族エッセイで、これがなければiPadブン投げてたかもしれない。 怒りのままものすごく批判的に書いてしまった。 他の人の感想も聞いてみたいけど買って読んでとは決して言えない。

まんが親

漫画家夫婦(揃って大酒のみで不条理系)の育児漫画

まんが親 吉田戦車
名無し

吉田戦車先生の漫画は好きだった。 「戦え!軍人君」「伝染るんです。」とか連載時に リアルタイムで読んでいたし。 そのころに勤務していた会社での 営業車のキーには、かわうそ君キーホルダーをつけていたし。 好きだった、と過去形で書いたがべつにそのあとに 嫌いになったわけではない。 なんとなく手にする雑誌や本に吉田戦車先生の連載がなかった、 みたいな感じで気が付いたらずいぶん読んでいないなあ、 と思う感じになっていた。 そんな感じで何十年もたって、そしたら あの不条理漫画のパイオニアの吉田先生が なんと「育児漫画」を描いている、と知り、 驚いて読んでみた。 想像していたよりもかなり良いお父さん、 楽しい育児日記、で面白かった。 現実には育児は凄く大変だったりしたのだろうけれど。 それでもなお、あの不条理テイストも時々混じった 独特な育児漫画で、ああ吉田先生、健在だな、 とチャンと楽しめてホットした(笑) 他にも、 ・奥様の伊藤理佐先生も相当に個性的な人であり、  なおかつ夫婦ともに大酒飲みなのに、とりあえず  飲むときは飲む飲まないときは飲まない、という  育児優先での生活をしたのは立派。 ・ところどころで親交のある漫画家の先生が  ゲスト参加みたいに登場してきて面白かった。 などとも感じました。 まだ第一巻しか読んでいませんが、結構ハイペースで 第一巻で妊娠・出産・新生児から一人歩きするところまで 行っています。 全5巻だから小学校に通うくらいまで漫画になっているのかな? この先も読むのが楽しみです。