ガンニバル

衝撃のラストからの続編希望

ガンニバル 二宮正明
六文銭
六文銭

巻数もそこまで多くない(13巻)なので一気読みにふさわしい作品でした。 まるで一本の映画をみているような充実感がありました。 人を食べていると噂されている村。 そこに赴任した駐在が主人公。 村には後藤家という権力者が君臨していて・・・ というだけで、なんとも物語に期待値が高まりますよね。 こういう限界集落の村意識、外部から断絶していることで、社会の非常識が常識になってしまう感じゾクゾクします。 物語としては、主人公は人食いの謎・村の秘密をおいつつ、その過程で村といざござが起きたり、家族が狙われたり、最終的には娘が人食いの生贄にされ・・・という流れ。 この村の背景、なぜこんな因習が起きたのか?後藤家とは? そういったことも、少しづつ明らかになっていて、続きが気になり先へ先へとすすめてくれます。 個人的にグッときたのは、こうした古い慣習を終わらせるのが若い力、新しい命という点。 暴力による破壊も、根底には次代に残さないという強い意志と愛によるものだと感じ、こうして悲しみの連鎖は断ち切られていくんだなと思いました。 キレイに終わって、村も人間関係も少しづつ立ち直っていくかと思ったら、まさかのラストです。 (これはぜひ読んで欲しい。ヒエーってなりました。) まだ続きそうな雰囲気?だったし、個人的にはぜひ続いてほしいなと思いました。 数年後、主人公の娘や後藤家の子孫が主人公になったら胸アツです。

樫村一家の夜明け

夫婦合作!!

樫村一家の夜明け 沙村広明 岡村星
かしこ
かしこ

元々2人のファンだったのでご夫婦と知って大興奮しました!私の勝手な妄想ですが夕飯時に晩酌しながら漫画談義とかしてそう…。後書きで嫁のかき揚げが美味いって惚気ていてニヤニヤしました。岡村星先生が作ったネームを沙村広明先生が直してくれるってエピソードが語られてましたが、ストーリーもお互いの意見を取り入れて作ってるんだろうな。収録作品全て面白かったです!! 以下、個人的な作品ごとの感想です。 「樫村一家の夜明け」引きこもり息子の苦悩が真面目に語られるところからの親父の本気が炸裂するぶっ飛んだ流れが面白すぎる。何回でも読みたくなる。 「アンチ・ドレス」自分が作ったドレスによってSNSの裏アカで虚勢を張るような女の子になってしまった…と気づいたファッションデザイナーの男が「俺が新しい呪いをかけるんだ」というところ。女達が本来持ってる魅力を活かすことも「呪い」と言うのがいいな。ファッション業界の話だから「何であんな色の口紅が流行ってるんだ…?」とかワードセンスも洗練されていてカッコよかった。 「ミッシングコード」すごい深い話だった。人間はみんな罪深いって本当その通りですよ!今年読んだ漫画の中で一番刺さったかも。