アイの歌声を聴かせて

読めば絶対「アイの歌声」を聴きたくなる! #1巻応援

アイの歌声を聴かせて 吉浦康裕 前田めぐむ
ANAGUMA
ANAGUMA

去年劇場で予告編を見てから公開をずっと楽しみにしていたアニメーション映画のコミカライズ作品です。映画を見るまでは…とマンガ版を我慢していたのですが、先日鑑賞でき、無事にドハマリしたのでこちらも読みました。結論を先に書くとめちゃくちゃよくできておる…。 出来れば前情報無しで触れてほしいと感じる作品なので、ストーリーについてはここでは特に触れませんが、マンガ版は適度に省略をはさみつつ、主人公のサトミの心情やシオンの思考にフォーカスされるシーンが細かく追加されていて、映画を見て好きになった人こそ嬉しくなる仕上がりだと感じました。 絵も本当にスゴくて、特にミュージカルシーンはシオンの衣装や歌詞の表現などアニメではできない描き方がされているので鑑賞済みの方は「おお…!」となるのではないでしょうか(なりました)。 個人的には映画を見てからマンガ版で良さを再度噛み締める…という楽しみ方がいいのかなと思いましたが、ちらっと読むだけでも劇場でもシオンの歌声を浴びたくなってしまう、そんなパワーを持ったコミカライズだと思います。 劇場公開中のこの機会にぜひ映画・マンガ両方とも楽しんでほしいです。

無能の鷹

見た目や雰囲気って大事なんだなって

無能の鷹 はんざき朝未
六文銭
六文銭

ただずまいや風貌からデキる雰囲気をまとった鷹野。 実際はポンコツで、さっき言ったことも覚えられないほどの無能っぷり。 でも、オーラだけは半端ないという。 しかも、職業がコンサルというのが、個人的に よくわかってらっしゃる! と膝をうった。 コンサルって、雰囲気が大事で、ぶっちゃけ雰囲気でどうこうなりそうですもんね(失礼) 当たり障りのないことを、 パフォーマンス~とかファネル~とかの横文字や、KPIだのCVRだの3文字英語とかで煙に巻いてくるしね。 ※元コンサル出身の個人的感想で、コンサルに親を殺されたとか恨みがあるわけではないです。 本題。 本作は、ひょんなことで、 同期入社した気弱でうまく喋れない鶸田と、そんな鷹野がタッグをくむことになる。 自信のない鶸田と根拠のない自信だけがある鷹野。 実際は有能な鶸田と、実際はポンコツな鷹野。 それがなぜか良い感じにシナジーを出していくんですね。 鷹野のもつ謎のオーラに圧倒されて、アフォな発言も先方が勝手に忖度して、そこに畳み掛けるように鶸田の分析やロジックが炸裂し、顧客も納得という流れ。 ギャグ的な展開ですが、なんとなくこんな感じだよなと実感してしまう。 大したこと言ってないけど、謎に説得力ある人いますもんね。 逆にすごい良いこと言っているのに、自信がなさげなばかりに、 周囲から賛同得られない人もいる。 なんとなく、この社会の断片をきりとったような作品だと感じました。 自信のない社会人はみんな読んで、なんだこんなもんかと思ってほしい。 最後に、鷹野のどこに行ってもでてくる突拍子のない言動は、純粋に面白いですね。時々、良いこともいうし。

大合作

空前絶後の悪ふざけ #推しを3行で推す

大合作 アフタヌーン編集部
toyoneko
toyoneko

1 昨年末に「20世紀のアフタヌーン ~由利編集長のはなし~」という読み切りが話題になりましたが、本作は、同時代のアフタヌーンで企画された「大合作」「大合作2」という読み切りをまとめた単行本です。無印の方はアフタヌーン創刊10周年記念でしたが、2の方は何でしょうね…よくわからないですね…(一応「アフタヌーン創刊14周年記念」らしいですが) https://manba.co.jp/boards/151185 2 内容はタイトルのとおりで、アフタヌーン掲載作のキャラクターが次々登場する合作形式の漫画です。しかし当時のアフタヌーンは1000頁をこえる極厚雑誌であり、それはもう濃い漫画でした(添付画像)。無印はトニーたけざき先生とあさりよしとお先生、2は園田健一先生とあさりよしとお先生が、それぞれ仕切っていたようですが、コレ大丈夫なのかと心配になるような悪ふざけに満ちた内容でした。シリアスな漫画を徹底的にいじり倒す容赦の無さが凄い 3 ただ、今となってはなかなか手に入らないんですよね…。電子化も難しいでしょうし。古本屋にあったら買っておきましょう なお、当時の苦労話は、トニー先生のホームページのアーカイブから少し読めます https://web.archive.org/web/20071030015401/http://www.osk.3web.ne.jp/~tonitake/mangaka-01/index.html