天沢聖司
天沢聖司
2021/10/14
話題のやつはやっぱりすごい! #読切応援
サムネだけ見て「おっ、BLか?」と思ったら双子の皇子をめぐるガチガチにドシリアスな中華風歴史物語でした。普段ラブコメにしかクチコミ書かないと決めてるのに、すごいクオリティだったので思わず書いてしまいました。 https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496545162575 未来のシーンから始まって、どちらが玉座についたのかわかる状態で物語が読める構成が好き。 明確に才能に優劣のついてしまった双子というシンプルでわかりやすい設定でありながら、画力が抜群に高くてしかも服装からなにから描写がむちゃくそ丁寧なので説得力と物語の奥行きが半端ない。 特に最後の朝服図がカラーの演出がものすごくかっこいい…世界史の教科書に載ってそうなくらいリアル。 なんというか「ストーリーは少年マンガらしくシンプルで、画力は月刊青年誌並みの描き込み」という、作品の全体のバランスの取り方がすごい。 青年誌に載ってるとしたらなんとなくアフタヌーンよりはハルタっぽいなーと思った。 これで話も複雑だったら「少年」要素が薄くなってジャンプラの読者にこんなにウケてないんじゃないかなと思います。 作者の歴史愛がビンビン伝わってくるいいお話でした。 早く連載作品が読んでみたい! #読切応援
天沢聖司
天沢聖司
2021/10/06
現代的な戦場ド真ん中でもときめける。そう、少女漫画ならね。 #読切応援
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ノリで「ときめける」って描いたけど本当にときめけるかは人によるかなって感じです。自分も読んでてときめくというよりもフワァ〜〜〜〜ッって感じで言葉にならない感情が込み上げてきたので。ロマンティックなのは間違いないです! なんとなく南国っぽい場所で、かなり現代っぽい装備と自動で連射できそうな銃で、西欧を含む多国籍軍が何かと戦っている戦場が舞台。 フランスらしき国出身の新入りの兵士(女)が、自分をかばって負傷した異国出身の男性兵士を担いで安全な場所に運ぶ……という緊迫したシーンが描かれます。 面白かったですが、個人的には主人公が見た目も中身ももっとかっこよかったらときめけたな〜と思いました。 特に見た目が戦場にいるにはあまりにも少女漫画的すぎるというか。かわいくないと少女漫画じゃないし、激しい戦闘があったという『演出』でやっているのはわかっていますが、軍人ですから頭髪の規則は絶対あるはずなので、せめてリザ・ホークアイ中尉みたいに前髪は目にかからない程度かつ後ろはキッチリ結んでるくらいの実用性とリアリティは欲しい…!(ワガママですみません) あとすごくどうでもいいことだとは思うのですが、パッと見で白人にしか見えない男性(※謎の国出身)が「ジュ・テーム」という言葉を知らないところが一番気になりました。 この2つはどちらも掲載誌がりぼん・ちゃお・なかよだったら、もしくはこの世界が異世界と考えれば全く気にならないレベルなので、自分が求めるリアリティラインが高すぎるだけかも知れません…。 絵については瞳や髪の毛の描き込みが繊細で柔らかくてとても素敵でした。 作品自体のテーマも命を預け合う「熱いロマン」と「恋愛のロマン」を同時にやっていてものすごい意欲作だなと感じました。次回作も楽しみにしています! #読切応援
天沢聖司
天沢聖司
2021/09/24
ネタバレ
言われたことしかできない少女がバイトで1人前を目指す! #1巻応援
新刊で見つけて読んでみたら独特の絵も個性が光る主人公のキャラもすごく良かったです。 https://twitter.com/batabata03/status/1438081235524329480?s=20 主人公の丸田さん(19)は、人の気持ちが想像できず言われたことしかできないタイプの女の子。大学受験を失敗し親に見放されたのを機に優しい祖父と二人暮らしを始め、中国茶のお店でアルバイトを始めることに。 そもそも飲食のバイトってだけでも大変なのに、あきらかに何らかの特性を抱えている丸田さんが挑戦するんですからメチャクチャ大変です。 真面目にクソ細かいことまで全部確認してメモを取りまくるので、教わったことはできるけど、教わっていないことは全く機転を利かせられず……。 同僚の男性たちには面倒くさがられ、同じく新人の女の子にはシフトを押し付けられ、恋愛面でも都合よく利用されてしまいます(それに丸田さんが全く気づいてないのがまた切ない)。 教育係の篠原さんだけが快く根気よく付き合ってくれて、丸田さんの気持ちに少しずつ変化が起きていくというお話。 粘着クレーマーとのやり取りに丸田さんとはどういう人なのか、その全てが詰まっていてすごく読み応えがありました。 タイトルで「言われたことしかできない」と書きましたが、実際には丸田さんは「言われたことなら確実にできる」んですよね。 いつか経験値が溜まったらすごく頼もしい存在になりそうだなと思うので、研修が終わって一人前になるときがいまから楽しみです! (追記) 巻末のエピソードで丸田さんと香西さんの身長となぜか体重も載っていたのですが軽すぎて笑ってしまいました。不健康…お茶飲んでないでもっと点心食べてほしい。NANAとドカベンの記事を思い出しました。 https://manba.co.jp/manba_magazines/7707 ふと思ったのですが、これってもしかして「俺の考えた最強の戦士」の女性版なのかもしれないですね。私の考えた理想のオンナ的な。ならしょうがないな。
天沢聖司
天沢聖司
2021/08/25
2021年必読の異種族恋愛(馬)BL!
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2021年一番発売を楽しみにしていた作品がこれです。原作はなろう系列のムーンライトノベルズ(※女性向けR18作品投稿サイト)に掲載されている全3話の短編作品で、出会って以来何度も何度も原作を読み直していて、今回のコミカライズの発売を心待ちにしていました。 https://twitter.com/narita_nomoto/status/1427609829028241411?s=20 読んでみて「君たちそういう顔してたんだね……!」ともう感無量。 お馬さんフォームの主人公がいつも目がニコニコでほんと可愛い。 原作のここ最高なんだよなぁというシーンがキッチリ見せ場になっていて解釈一致しまくりでした。 そりゃ「文字だけでもこんだけ面白いんだから、況んや素敵なキャラデザかつ繊細な表情の描き分けのされた漫画をや」ですよね。馬だけに。 電子限定書き下ろし小説がまたメッチャよかった……最高の一文があるので原作ファンは買ってください……! 原作のさかしま先生の書かれる作品は、どれも短編ながら非常に密度が濃くて、コメディチックでありながらシリアスとエモさとエロがバッチリ効いている独特の空気感が魅力です。どうぞ注目してください!
天沢聖司
天沢聖司
2021/07/12
すごいものを読んだ【1巻感想】
アマゾン見てたらおすすめで出てきたBL。懐かしい絵柄が素敵だな〜となんとなく1巻読んでみたら「この漫画もしかしてものすごい作品なのでは…?」と思わされた。 こんなに素敵な表紙で少女漫画みた〜いと思って読みだしたら攻めがサイコだった驚きよ……。 「サイコ御曹司×金髪碧眼ワンコ系日本男児」の2人が最後に一体どう着地するのか全く読めない。 今まで心を許せる友達の居なかった中井(育ての親を亡くしたばかりの金髪碧眼で寺社仏閣が好きな日本男児)が、趣味の話を通じて御曹司の俊鷹に心を開く。 が、俊鷹の方は中井のことを「綺麗な洋犬(※文字通りの意味しかない)」と思っていて、その言動にピュアな中井は振り回されて傷つくが金銭的には俊鷹を頼らざるを得ず……という話。 何よりすこいなと思ったのがこのサイコ御曹司・俊鷹。 日本の景気が低迷するにつれ、BL業界では「スーパー攻め様が闇のオークションで受けを落札する」というシチュエーションが減少するに留まらずその落札価格の方も安くなっているのだそう。 しかしこの『明るい青少年のための恋愛』は日本が最もイケイケだった80年代後半に描かれているだけあり、俊鷹とその兄たちが途方も無い上流階級の大金持ち。 「そりゃ〜この時代ならこんぐらいの金持ちはその辺にいただろうな」 「こんだけ実家に金があって変な兄貴たちに育てられたらこう歪むだろうな」 「こんだけ大金持ちならそりゃ攻めになるしかないわな」 と納得してしまう。 あの時代でしか描けない、途方も無い財力が説得力をもたらしているすこいキャラだな〜と感心。 1巻の時点で俊鷹はそうとうヤバ奴ですが今後本当にどうなっていくんだろう…怖いけど続きが気になる。