六文銭
六文銭
1年以上前
育児系のマンガって、ツライとかシンドイとか、旦那が非協力的とか暗いものが多く(リアルといえばリアルなのですが)読んでて共感もありますが、 滅入るんですよね。 そんな育児マンガジャンルに超新星があらわれました。 じいさんが孫を育児。じじいが育児でじじいくじです。 「じ」がいっぱい! 最強の刑事だった主人公が、娘の子供(つまり孫)の育児、出産後の娘のケアなど全面サポートする話。 基本的にギャグがメインで、新生児に翻弄される様、また家族思いの姿に、なんとも癒やされます。 皆が皆思い合って、優しい世界が広がってます。 おじいちゃんが面倒みている、この家族構成に最初は、 「旦那さん、亡くなっちゃったのかな?」 と不安になりましたが、安心してください。単身赴任なだけでした。 また、ただのギャグに終始せず、純粋に子育てマンガとしても参考になる点があります。(おむつかぶれとか) 著者さんの経験談でしょうかね。 最後に、育児をする全ての人に 「完璧を目指さない。そんなものはないから。」 と、とある人のセリフがグサリと刺さりました。 まったくもって、おっしゃるとおりです。 育児に疲れた方、これからする方、笑って学べる本作がおすすめです。
たか
たか
1年以上前
思春期に配信界隈に触れず育った自分にも、存在しない記憶が植え付けられそうなくらい生々しい読切でした。 自分と同じ辛さを知っている「こっち側」の人が画面越しにいてくれて、嫌な記憶をユーモアに変えてくれて、毎日会えてコミュニケーションがとれる。そんな人存在したら……そりゃ神ですよね。 周囲から虐げられている陰キャ・福田と、陽キャグループで上手くやっているように見える・音羽さん。 2人にはそれぞれの苦しみがあって、それをアマニさんに救われていた。 思春期という人生で一番繊細で辛い時期を支えてくれていた人が突然居なくなったらと考えると(しかも死の瞬間をライブ配信で見ている)、この2人が聖地巡礼して後追い自殺しようとするのも納得。 というか、自分も最推しが配信やってるのでマジで他人事じゃなくてマジで無理。 卒業とか引退ならまだしも。死に別れなんて考えるだけでも耐えられない…。 アマニさんという神は失ったけどお互いという推し仲間が出来たこと、2人が2人らしい方法でアマニさんの死を受け止めて生き続ける選択をしたことに、読んでてすごく救われました。 メッチャいい読切だったなぁ…。 宮部サチ先生の作品一覧を見たら、女性や青年マンガで活躍されていた方なんですね。 過去作も読んでみたいと思います!
まるまる
まるまる
1年以上前
日本の少女漫画文化の礎を築いた名だたる作家たちのアシスタントをつとめ、数々の「シュラバ」を経験した著者から見た、知られざる少女漫画制作の裏側。 その裏側には、薔薇が舞いアハハ..ウフフ...と笑顔が輝く少女漫画(例えが薄っぺらくて申し訳ない)イメージとは正反対の、寝食を限界まで犠牲にする作家とアシスタントたちの姿がありました。 ただ本書で描かれるのは、そのシュラバが如何に地獄だったかとかそういう話ではなく、いまやレジェンドと呼ばれる作家たちの名作誕生秘話や、それぞれの人柄がよくわかるエピソードなどです。 大変なこともたくさんあるけど、何よりみんな漫画が好きで描くのが楽しくてしょうがないというのが伝わってきます。 衝撃的だったのは、萩尾望都先生自ら作詞、作曲、歌、ナレーションをこなしたアルバム「エトランゼ」に収録された「アシスト・ネコ」の歌詞。シュラバの混沌をそのまま歌詞にした内容(のよう)です。聞いてみたい…。 あとは美内すずえ先生に、著者が新人の頃に犯した失敗を7年越しにお詫びしたときに放たれた言葉。これには本っっっ当に痺れました…!!! どんな言葉だったかはぜひ本編で確かめてください。