六文銭
六文銭
1年以上前
結婚して10年以上経った仲良し夫婦。 ある夜中、夫が急に心肺停止し、一命はとりとめたが、いわゆる植物状態になってしまう。 その病院生活を描いた作品。 もうね、泣きますよ。奥さんの愛情の深さに。 温かい絵柄とマッチして、もうボロボロです。 意思疎通もロクにできない旦那さんのために病院に通い、世話をするだけでも並大抵のことではないと思うんです。 しかも、この奥さんの場合、植物状態の旦那さんのちょっとした変化、例えばちょっと動いたとか、あくびしたとかですごい喜んだりして。 「推し」と表現して大事に慈しんでいる。 愛した人の変わり果てた姿に、そうでもしないとやっていられないのかもしれませんが、見捨てたり、自身の辛さを嘆いたりせず この気丈とも言える姿に私感動しっぱなしですよ。 「ただ毎日一緒にいたい」から側にいる。 そのピュアな思いに、これが本当の愛なのかなぁとか思ってしまった。 家に帰れば、寂しくなり泣いてしまうのも、またリアル。 まじりっけなしのノンフィクションなので、2巻現在で奇跡なんて起きませんが、どうか末永くお二人が一緒に過ごせることを祈っています。
酒チャビン
酒チャビン
1年以上前
火の鳥の中でトップクラスに好きな話です!!!火の鳥って、好きな編がそれこそ十人十色で、かなり票が割れる傾向にあると思うのですが、それだけ全てのエピソードが粒ぞろいということではないかと思います。 復活編はいくつかの時代を行き来しながらエピソードが進行します。 火の鳥はシリーズ全体からしてそういう構成をとっているのですが、復活編は一つの編の中でそれをしています。 2482年→2483年→3030年→2484年→3009年→2484年→2917年→3344年 主人公がある事故をきっかけに体の6割ほどを人工物に入れ替えられてしまうのですが、それにより、人間が無機物に、ロボットが人間に見えるようになってしまいます。 ・身体の60パーセント人工物に変えられた人間である主人公 ・主人公には人間に見えるロボット(主人公にやさしい) ・主人公には無機物に見える人間(主人公を殺そうとする) ・人間らしさとは人間と形が似ていることだと言い、人間に似せて作られたアンドロイドと愛し合う人間 ・人間とはかけ離れた容姿だが自分はかつて人間であったと信じるこけし型ロボット などが登場し、これまでの編でも何回か出てきた「何が人間を人間たらしめるのか」というテーマを考えさせられます。 他の編との繋がりですが、望郷編でちょろっと登場したチヒロがメインキャラの一人として登場します。あとラストで猿田博士が登場し、ロビタも未来編で登場します!
名無し
1年以上前
まぁなんというか…この作品に啓蒙された方には不快だろうけど、奥様が行くべきは精神科だとしか思えなかった。 エッセイ漫画だし画力はそこまで求めていないが、内容の気持ち悪さと併せて絵の不快感が凄い。 最初の内は「はー大変だな」と思えるのだが、話が進む毎に過敏なのは化学物質ではなく文明への拒否感、認識によるヒステリーやプラシーボ効果としか思えない強烈さが出てくる。 これを読んで反ワクチンや反化学療法を受け入れる人が尽きないのは、まさに「病気」なのだと理解したが、本人に治すつもりが無い(=治せない)というのがまた厄介この上ない。 内容から何となく感じるのだが、作者も奥さんも無意識に精神病に対する差別意識があるのではないかと感じる、だから精神病ではないと言い張るのだろうが、アレルギー反応としても対象アレルゲン(=奥さんが認識する化学物質)に疑問が尽きない。 正直人体が普段肝臓でどれだけ化学反応起こしてるのか知ったら、この方肝臓を切り取りかねないんじゃないかってくらい、化学という言葉に忌避感を感じる。 この内容を載せた当時の編集部も相当危ない感じがするが、ある意味現代の反ワクチンに感じる宗教臭というか狂信的な物に通じるものがあり、作者が意図したのとは全く別の恐怖を感じた。