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くにお
くにお
2017/06/03
覇王とは
小林多喜二の名作「蟹工船」を、ジョージ秋山のアシスタントを長年務めるイエス小池がコミカライズした作品。もともと読切作品だったが、2008年の蟹工船ブームの折に文庫化された。 出版に至った経緯はドラマチックだ。詳しく知りたい人はたけくま先生のページを読むとよい。 http://memo.takekuma.jp/?p=1217 読んでみての感想としては、個人的には原作とは大分違う印象を持った。 過激な描写が多いものの、表紙の罰河原赤蔵(ばつがわらあかぞう)のクレイジーなキャラと、不屈のヒーロー龍さん(オリジナルキャラ)の存在が痛快で面白い。 過去にも蟹工船系作品には触れてきたものの、プロレタリア文学とか格差社会という固まった評価の中で理解していただけだったかもしれない。 イエス小池バージョンでは、罰河原中心の視点で、世界が孕む狂気そのものを描いていて、そこはかなり際立っていて良かった。この漫画はとにかく、ラストの罰河原赤蔵の咆哮がすべてなんじゃないかと思う。これから大東亜共栄圏に突き進む歴史をも示唆していて、そこまで通して考えると、「おい、地獄さ行くんだで!」という書き出しの意味しているものが変わってくるようにも思えた。