もしあなたが、超能力を持っていたら?
それを他人に知られたら?
理解不能なモンスターとして、社会から追われる身分になった時?
と言う、残酷な設定があります。
主人公、草野慧は、多分未成年で、両親のこともほぼ描かれません。新興宗教組織の建物に幽閉されて生きている。 でも、これしか生きるすべがないのです。
そう言うストーリーを、この柔らかい筆致で描き出されます。
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自らの良心に基づいて、宗教組織を脱出し、あてもない旅に出た主人公を追う、政府組織、宗教団体、政府組織の中でも外れた一人のおじさん、この三つ巴で、色々やります。
最後の、彼女が、政府組織の工作員に対して、(所謂)「能力」を使うシーンは、これはもう息を呑み、手に汗を握る描写です。
本当に、単行本の表紙からは想像もつかない展開です。
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超絶ネタバレなのですが、この後の作者の「銃座のウルナ」は、この1冊が12冊続くような作品なので、是非おすすめです!