nyae
nyae
1年以上前
作家・美倉が、酒に溺れた浮浪者・ばるぼらを道端で拾うところから物語が始まり、同時に美倉の人生が破滅へ向かうスタートが切られます。売れっ子小説家であるがゆえに様々なしがらみに囚われた生活を送っている美倉に対しばるぼらは、人の金を使って酒をあおり、機嫌を損ねれば別の男のところへ去り、行くところがなくなればふらっと美倉の元へ戻る、の繰り返しという気まぐれな生き方。 そんな傍若無人なばるぼらに振り回されて少しずつ人生の歯車が狂っていくのに、ばるぼらがそばにいないと何もできなくなる美倉。これは恋なのか、愛なのか、すべては毒に冒されて見たただの幻なのか…? ばるぼらの正体が魔女だと美倉が言い張るエピソードもあり、魔法は使えないけど、魔力はあるんじゃないかと思わせる意味では本当に魔女なのかもしれません。 ばるぼらに謎の魅力があるのも事実ですが、美倉が底抜けのお人好しなんだろうというのも読んでいて常に思うところでした。出会ってはいけないふたりだったんだと思います。 映画は特に見るつもりはなかったけど、読んでみると、これが実写映像化されるということに非常に興味深くなりました。
名無し
1年以上前
パッと見ハーレムものなのにタイトルでそれを否定しているのが面白いなと思ってジャンプ+で読んだ作品。 鈍感系ラブコメ主人公を意図的に装い本音と建前を使い分けまくる主人公・ジョーロには、クール系生徒会長・コスモスと、快活な幼馴染・ひまわり、野球部のエース・サンちゃんという3人の友人がいる。 ジョーロは狙い通りにコスモス&ひまわりと仲を深めていくけれど、パンジー(菫子)が現れたことで、ジョーロにはどうすることが出来ないほどレベルで友人たちとの仲がこじれていく様が面白い…!!(※なお「こじれる」というのはコメディの範疇ではなく純然たる友情崩壊という意味です) ラノベ原作にも関わらず、登場人物はみんな覚えやすい名前(あだ名)で、人数も限られているのが非常にありがたい*また、キャラの登場シーンやデスノパロなど漫画ならではの演出と予想を裏切るシナリオがすごくいい…! 漫画がすごく良かったのでジャンプラに掲載される番外編小説も読んでみたのですが、原作は正直言って読むに耐えない文章でした。 文章はアレだけどストーリーは面白いラノベって、コミカライズ次第でこんなに輝くんですね。 伊島ユウ先生の絵が本当に素晴らしいのでマンガ読んでみてください。 『俺を好きなのはお前だけかよ』伊島ユウ/駱駝/ブリキ https://shonenjumpplus.com/episode/13932016480028805669
名無し
1年以上前
勝手な想像ですが… 日本の漫画家は都会の有名私立出身のエリート選手みたいなものですよね。 ・名作漫画に触れる機会が身近にある ・すでに何十年という時間をかけて面白く読みやすい漫画を描く技術が確立されている ・出版社に持ち込んで編集からアドバイスを受けるというシステムや、商業作家の元でアシスタントをする文化がある ・二次創作・同人誌という活躍の場がある 漫画を見る目や技術を向上する機会に恵まれており、漫画家のレベルも必然的に上がります。 じゃあ、それら全てがなかったら……と考えてると、(アメコミやBD以外の)海外のコミックアーティストは全員「コミック表現のパイオニア」なんですよね。誰にも教わることなく、自分で最適で最高な表現技術を見つけるしかない。 日本でも、画期的な素晴らしい表現技術(大友克洋のクレーターみたいな)が生まれると、それは他の漫画家たちによって真似されどんどんマンガ全体の質が向上していったと思います。 ウェブトゥーンはまだ発展途上で、最適な表現の一般化が起きていないんじゃないでしょうか。 ・ウェブトゥーンは確立した最適な表現技術がまだ存在しない ・(最適な表現技術があったとしても)その一般化が進んでいない なんの根拠もない推測ですが…… ちなみにウェブトゥーンではなく「Manga」を目指している人たちのレベルの高さは日本と遜色ないと思います。