なおなお
1年以上前
まず、冒頭の列車の種別と行き先表示、数回前の車両との整合性に配慮下さったことに作者さんに感謝したい。 さて、なかなか起伏の激しい回だった。題は「それぞれの決断」。 まずは由紀の記者になった理由という決断。やはり彼女がいると推理がスムーズに進むように思う。あの絵が犯人からのメッセージを感じること、一連の事件が同一犯による音臼事件(事件名が初めて出た!)をするための実験説とサクサクと整理されていく。このチームによる進展を楽しみにしたい。ただまたタイムスリップするならこうも都合よくいくだろうか、という心配はある。一回目の心もまた音臼事件ゆえに子供たちを守る仕事として教師を目指し、そういう大学で会ったのだから。 次に紀子の事件の告白をする、という決断。末期病だった。姿は見てないが電話の声を覚えていた。彼女からはもう情報はないのかと思ったが、大きなものが出てきた。そして出てくる。「翼君いますか」だけど、当時明音も「翼クン」と呼んでいるので、大人とは限らないと思う。「日頃から電話を掛けてた人」でもある。 最後に、決断を突き付けられた鈴。おいおい!とこの展開には驚いたけど、よくよく考えてみると、さつきがかまを掛けているだけのようにも見える。「ただのお砂糖」と言うからどうぞと言っただけなのに、毒だったならさつきが捕まるだけ。何かを試しているように見えなくもない。思いきり深読みするならさつきは変わってしまったのではなく、変えている、つまりそういう演技をしているという可能性もあるかもしれない。もちろん28年間も自分と違うキャラを演じるのは現実には無理があるし、そもそもなぜそんなことする必要がある?と言われると何も返せない。でもこの人のキャラクターのおかげで淡々と進む回が多い中、退屈せずに済んだことには感謝したい。 「次号、鈴の決断とは」だけど、たぶんやっと函館に着いた心、由紀目線でスタートしてマンションに到着した時、一体何を見るのか…という始まり方だろうか。テンポよくなってきた物語の進展を楽しみにしたい。