nyae
nyae
1年以上前
全編、おそらく鉛筆で描かれているために騒々しい客の声も心地の良い賑わいに感じられる今まであまり読んだことがないタイプのグルメ漫画。 主人公の朔良は週末の夜遅く、亡くなった父が残した手帳に記されているお店をひとりで巡っている。子供の頃は多忙で一緒にいる時間が少なかったが、父の足跡をたどり思い出を共有することで、空いてしまった隙間を埋めている。 遅い時間帯の食事はカロリーの面で気になるが、できるだけ父の記録したものは注文するのがポリシー。 専門用語や、わからない食材の名前などは店員に聞き、食事の内容によって飲むお酒も変える。とくに朔良はお酒の飲みっぷりがよく、気持ちがいい。 1人で飲んでいる人間はほとんどいない店に、躊躇なく入っていけるのがすごい。そういうの憧れるけど難しいよなー… 料理や店の雰囲気の描写に説得力があるから、絶対にモデルにしている店があるはずなのに、情報が一切載っていないのもこの本の特徴。 ただ、両国にある店の回でとても印象的な名前のメニューが出てきたので検索したところ、すぐにヒットした。笑 こうやって自分で調べれば朔良が行った店には行けるのでは、と思う。 ポスト孤独のグルメ的なコメントがあるけど、これもドラマ化とかするのかな〜
野愛
野愛
1年以上前
わかってほしいなんて思ってないし、お前らとは違うし これくらいわかるでしょ、いやみんなわかってない、あなただけはわかってくれる。 通り過ぎてしまうと、みんな同じだよねって思ってしまう。通り道なんだよねって。 それでもこういうものを捨てきれず、忘れきれずにいるから、触れてしまう。 描かれる女の子はみんなかわいい。単純で痛くて尖っていて、めちゃくちゃかわいい。 女の子が憧れたり焦がれたりするひと達はみんな愚かで薄っぺらくて、こんなの全然つまんないよって傍観者であるわたしは思ってしまう。それでも女の子にとっては世界のすべてで、通り過ぎたあとに世界の入り口だったと気づくのだろう。 世界の入り口に入れなかったひともいるんだから、入れただけでも「すごい」し「やばい」んだよね。 やばいことは気持ちいいし、やばいやつって思われるのも気持ちいい。 最高に痛くてやばいことをして発狂したくなる夜がある方が、気持ちいいよ。 あいつなんて大したことなかったっていつか思うけど、今はそんなのどうだっていいんだよ。 自分だけが尊いんだから何やったっていいんだよ、全世界の少女達に読んでほしい。