野愛
野愛
1年以上前
土山しげる先生の漫画を一作でも読んだことがあるもしくはインターネット大好き好きマンなら絶対にハンター錠二のことを知っているはず。そして、ハンター錠二のことを笑うひとはいてもハンター錠二のことを嫌う人間はいないはず。嫌いって言ってる人はたぶんOKFFの人です(喰いしん坊!参照)。 そんなハンター錠二がつかず離れずの距離感で東北のうまいものを紹介してくれるのが流浪のグルメ。ハンター錠二と出会う人達はハンター錠二がハンター錠二であることを知りません。 なんかよくわかんないけどグルメで説得力があってテンガロンハットにサングラスの謎の男として出会うのです。 飯を死ぬほど大量に食う訳でも箸を両手に麺を食う訳でもないハンター錠二、なんかいいんです。大食い甲子園のときのコーチ姿もよかったけど、姫トラお京とのやりとりにリアコ味すら感じるんですよ…恥ずかしながら…!! そんな冗談はどうでもよくて(6割5分ガチだけど)東北は本当に美味しいものがたくさんあるので、グルメガイドブックとして読んでも参考になると思います。 魚も肉も野菜も美味しいし、B級グルメや甘いものも魅力的なものたくさんあります。 旅行なんて難しい状況ですが、お取り寄せなんかも盛んな時代ですから!! 漫画読みながら東北の美味しいものを食べればハンター錠二のリアコ味をあなたも感じられるはず…です。
野愛
野愛
1年以上前
宮沢賢治という人は『雨ニモマケズ』からも窺えるように、勤勉で生真面目でストイックである。 なんて印象を抱いている人にぜひ読んでほしい作品。 ハヤシライスや食パンやサイダーなどのハイカラな食べ物を無邪気に頬張る姿 農業実習の一環として、生徒たちと一緒にスイカ泥棒をする姿 小学校教師のヤスと秘められた恋愛をする姿 宮沢賢治は真面目一辺倒なお堅い人間ではなく、明るくて優しくて無邪気な太陽のような人間だったことが窺えます。 感受性が豊かで楽しむことに長けていたからこそ、数多くのすばらしい物語を生み出したんだなあと納得させられました。 宮沢賢治の作品の中で『土神と狐』『シグナルとシグナレス』の2つが最高傑作だと個人的に思っているのですが、賢治の切ない恋愛を知るとより胸に迫るものがあります。宮沢賢治の恋愛作品、悲しくて美しくて大好きなんです。 そして、これほどまでに宮沢賢治の存在を身近に感じられるのは魚乃目三太先生の力によるところが大きいです。 見たことのない景色やしたことのない経験を懐かしく親しみ深く描ける魚乃目三太先生だからこそ、可愛らしく愛おしい宮沢賢治を生み出せたのだと思います。 2人の天才がいたからこそ生まれた作品、ぜひ読んでみてほしいです。あと土神と狐も読んでほしい。
ななし
ななし
1年以上前
9月に表紙買いして積んでたやつ。正直表紙が怖すぎて読みたくない…と思いつつページを捲ったら、本編のタッチは表紙とちょっと違って点描やら細かい線の描き込みの多い見応えと温かみすらある絵でホッとしました。まあ描いてる内容は怖いんですけど…。 第1巻の「壱」には3編収録されているのですが、そもそもそのテーマが全部怖い。 タクシー   ←後部座席怖い 工場     ←労働災害怖い エレベーター ←怖い 『タクシー』 タクシーの怖いところ全部詰め込んだような話。ああいう「よく見るといる」っていうオチ、静かに怖くて良いですよね。 『にぎやかな職場』 工場での機械に巻き込まれる大事故ってだけでも怖いのに、それを心霊現象が起こすだから堪ったもんじゃない。怖い×怖い。主人公が無事に生き延びてくれたのでホッとしました。 『いつかの食卓』 エレベーターっつったら異次元に通じているもんですよね。職場でパワハラにあっているOLさんは、祖母の3回忌にも出させてもらえず帰り際に仕事を押し付けられて帰宅するが、マンションのエレベーターが突然止まってしまう。扉が開いたと思ったら、そこには幼少期を過ごした街が広がっていて兄が晩ご飯だと迎えに来る。 家族で囲む温かい食卓が実は…っていう恐怖の展開があまり怖く感じませんでした。この恐怖展開よりOLさんを取り囲む現実の方がずっと残酷で怖いからでしょうね。 表紙買いだったのですが、思いのほか全部面白くて得した気分です。折を見て続刊も買おうと思います。
9月に表紙買いして積んでたやつ。正直表紙が怖すぎて読みたくない…と思いつつページを捲ったら、本...