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あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/29
オトナの秘密基地、煩悩寺。
小山田君の部屋は、ヘンテコグッズでいっぱい!恋に仕事に疲れた小沢さんは、今日も彼の部屋でダンボール箱を開ける。中身に驚き、笑って飲んで元気になれるこの部屋、通称「煩悩寺」で、今日は何して遊ぼうか? 小山田、小沢と小山田の友人・島本の3人は、部屋にあるグッズで遊んだり、それをネタに笑い転げたりと、あまり社会人っぽくない遊びに興じる(酒は飲む)。その日の遊びは、開封する段ボール箱任せ!という博打感を楽しむ、彼らの力の抜け具合がいい。 煩悩寺にあるグッズはとにかく悪趣味、煩悩丸出しで、くだらないものが多い。しかしそれらは裏を返せば、欲望に忠実で、隠し事がないということ。小山田の基本ウェルカムな性格もあって、小沢にとって煩悩寺は、素の自分のままでいられる、寛げる場所のようだ。こんな秘密基地、私も欲しい。 失恋の痛手や仕事のストレスを癒してくれる煩悩寺は、小沢にとって、次第に大切な存在になってゆく。そしてそんな場を創り出す「変人な善人」小山田との関係も……。 煩悩寺のグッズ達をゲラゲラ笑いながら遊び、受け入れる小沢は、島本に言わせれば「素質あり」。部屋の主との相性はいいんじゃないの?ということで、いつも楽しそうな息のあった二人の関係を、島本と一緒にいじりながら眺めていたい、そんなお話。
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/27
クサい台詞が芸能界を動かす!
弱小芸能事務所の所長・高杉は、新人ミュージシャン・木村の恥ずかしい顔、困った顔にゾクゾクする。変な芸名、衣装、仕事を木村に与えて楽しもうとするが、それが次第に妙な方向へ盛り上がりを見せ……。 この作品で常にネタなるのは「クサい」「恥ずかしい」という言葉。 例えば大人の高杉がわざと「恥ずかしさ」を木村に与えようとしているのに、それをポジティブに捉える未成年の木村=モクソンは、却って大人が吐くには「恥ずかしい」言葉を高杉に与え、狼狽させる。 登場する大人達は皆それぞれに、仕事でも恋愛でも何かを隠しながら、捻くれた行動しか取れないのだが、モクソンの才能と嘘のない真っ直ぐさには、照れながらも自然と心を寄せ、協力を惜しまなくなる。 時に彼女のパチモンとも心を通じ、ウザいっす、と言われながらも大切に思い合う関係を築き、友情のドラマを紡ぐモクソン。彼女は敵を作らずに、みんなを繋ぐ中心となる、タレントとしては最高の「人たらし」の才能を持ち、音楽の才能も相まって大きなムーブメントを形成していく。 モクソンの描く理想は「ずっと事務所のみんなと仕事したい」というもの。大人たちのグチャグチャの人間模様は、それを安易に許さない。しかしそれでも「モクソンのため」という大人達の思惑の一致がどのようなラストを見せてくれるか、最終5巻の最後の最後まで、目が離せない。
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/27
「敬語」を巡る甘酸っぱい攻防戦!
先輩には敬語を使いたい大学生・坂上良太郎に、「年下なのでタメ口で」と迫る高校生の先輩・山下かをり。バイト先での「敬語」を巡る攻防が、今日も静かに繰り広げられる……。 先輩であるかをりは、高校生なのにやたらと仕事のできる、頼りになる存在。助けられてばかりの坂上は、気後れしてつい、色々遠慮してしまう。一方かをりは、そんな彼をからかうように、「敬語禁止!」などと言っては坂上に、打ち解けることを要求する。 クールに坂上を手玉に取るかをりと、年下の彼女にどうしても敵わない坂上。この構図、ちょっと『からかい上手の高木さん』っぽいと思いません? さらに二人と共に仕事をしつつ、二人の仲を(主に坂上の方を)いじってくる、女子高生の若菜と真中のおかげで、二人の仲がじわじわ進展していく……ようでいかない感じが、もどかしくも楽しい。 ホームセンターが舞台なので、コンビニやスーパーではなかなかお目にかかれない商品と、それにまつわる顧客対応の模様なども目新しい。結構特殊な商品知識が問われる場所なんですね……。 遅々として進まない二人の先を見たいと願うよりは、いつまでも二人でああでもない、こうでもないと駆け引きして、拗らせる様子を眺めていたい。その先に少しでも進展があるといいな……という感じで楽しみたい漫画。 クールなかをりの静かな笑顔、マジ天使!
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/25
『キツネと熊の王冠(クローネ)』のレビュー
「狐と熊亭」は店内の醸造タンクから直にビールを提供する珍しい酒場。経営するのは元気で気さくな親方のマヤと、穏やかな大男・代表取締役のニルス。マヤはニルスが好きだけど……。 『キツネと熊の王冠(クローネ)』は、中村哲也先生の「王冠シリーズ」の第2作目。 最初にお伝えしたいのは、前作『ネコと鴎の王冠』が好きだった方は、読み進めていけばちゃんと前作の世界と繋がっていくので、安心して読んでいただきたい、ということ。 この巻の前半は新キャラクターの二人のお話。新たに醸造所を構えるための準備や店の広報、看板作りなど、ビール造り以外の話にページを費やしながら、マヤがニルスへの恋心を募らせていく様子が描かれる。最初はキツい感じに見えたマヤが、だんだん可愛く見えてくる不思議。 途中、しっかりと休日の過ごし方も描かれ、さらに互いに相手を休ませようと気遣う場面が随所にあり、ドイツの人たちのワークライフバランスについては、ここでもきっちり描かれている。 後半、新醸造所での新作ビール造りの工程は、恐らくビール造りを知る人には楽しい場面だろう。そして夏祭り出店のために周囲が盛り上がり、協力する様は、すでにここから祭りの高揚感をもたらしてくれる。 さらに前作『ネコと鴎の王冠』の登場人物たちとの繋がりが現れ、彼らの再登場に一気に世界が広がり、楽しくなる。 さあ、夏祭り本番は……? マヤとニルスのコンビが創る、賑やかでいて寛げるビール空間をこちらも楽しみつつ、二人の恋愛が成立するのかどうか、目が離せない、そんな漫画。 そしてアンナ。 アンナですよ……。 アンナ祭りがあります。 アンナファンはお楽しみに!
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/25
『ネコと鴎の王冠(クローネ)』のレビュー
二年ぶりにドイツに帰国した、ビール職人を目指す玖郎と、彼を空港で待つ、自身もビール職人のアンナ。二人は手を取り歩き出す。新たな“自分達の一杯”を造るために……。 『ネコと鴎の王冠(クローネ)』は、中村哲也先生の「王冠シリーズ」の第1作目。 まず全編に渡って、ドイツビールを含めた歴史あるドイツ文化に目を奪われる。ビールはピルスナーしか知らない日本人としては、ドイツビールの多様さには驚かされる。季節感や料理との合わせ方についても、作中で言及がある。 それら多様なビールは、家族経営に近い小規模の醸造所によって生み出され、地域で消費されてきた長い歴史がある。そんな醸造所で遊び育った玖郎とアンナは、伝統を継ぎながらも親方の理解のもと、新たなビール造りにチャレンジしていく。このような「歴史のアップデート」が豊かなビール文化を生み出している、と思うと、彼らの頑張りにワクワクしてくる。 しかし、根を詰めがちな仕事人間の玖郎を、周囲は心配し諫める。ドイツの職人は、ワークライフバランスにうるさいようで、作中のドイツの人々の意外な力の抜け具合から、日本人の私たちが学ぶことは多い。 ドイツの文化、休日の過ごし方、誰かと支え合うこと、そして玖郎とアンナの恋の行方を追いかけながら、ビール造りの世界を知ることができる漫画。 あとアンナは可愛くてもう…もう……。 (参考作品としては『もやしもん』8巻のオクトーバーフェストは必見。最近の作品だと『琥珀の夢で酔いましょう』などどうでしょう)
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/20
秋田弁女子の春夏秋冬
おばあちゃんと二人暮らしで秋田弁強めの中二女子・えみちゃん。田舎暮らしの毎日はとっても楽しい! 読んでいくと、秋田独自のイベントや風物や食、細かな風習の多さに驚かされる。意外と楽しさいっぱいの秋田を素直に享受し、楽しむえみちゃんは、最初から最後まで純粋で愛らしい。 さらに共に楽しむ方言少なめ幼馴染のかなこ、カルチャーショックを楽しむ東京出身のみよしさんの三人娘が揃うと、途端に賑やかになって楽しい。 食べること大好き、演歌大好き、ゆるキャラ大好きな、まだまだ垢抜けないえみちゃんには、「素直」という言葉がよく似合う。その感性を通して見る世界のきらめきは、例えば『明日ちゃんのセーラー服』と同じような眩しい感動を与えてくれる。 春の芽吹きにときめき、眩しい夏に弾け、秋の実りに喜び、長い冬にも楽しみを見つける、とことん前向きなえみちゃんと、無数に散りばめられた「秋田あるある」を楽しむ、どこまでも明るい秋田漫画。方言を使いたくなる! (ちょっと調べた限りでは、ここまでしっかり秋田を舞台にした漫画って、見当たらない。そういう意味でもレアな漫画かもしれない、多分)
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/18
新人編集者珠子、走る!
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高校時代に誓った二人の夢、それは 「一千万部売る編集者!」 時は経ち、同じ大手出版社に入社した桜井珠子と高瀬数真。珠子は立ち上げ三年目のライトノベル編集部に、高瀬は主力漫画雑誌編集部に、それぞれ配属。編集部の規模は違えど夢は同じ、二人の編集人生が始まる! 直感で走る珠子とデータ重視の高瀬は正反対の性格だが、時に相手に刺激を与え、時に相手に助け舟を出すいい関係。これは隠れた良質な「フロマンス(friendship+romance、男女の強い友情譚)」作品。 珠子のラノベ編集が主に描かれるが、考え無しに突っ走る珠子は、呆れられながらも編集の基本を叩き込まれ、全2巻でしっかり成長する。編集にまつわる基本事項や業務内容、お金の話などの内情もたくさん描かれて為になる上、キレのある名言がポンポン飛び出て面白い。 個性的な作家達とのやりとりも、珠子の土壇場の発想力で面白おかしく乗り切り、作家が育つ様はワクワクする。 絵柄は均一な線と美しいシルエットで頭身も高く、決して萌え系ではない。全年齢向けの読みやすい漫画になっている。 珠子がドタバタ繰り広げるコメディを笑いながら、社会人漫画、お仕事漫画としてももっと注目されて欲しい作品。 (添付画像の答えは1巻のどこかにあります)
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/18
コミュ障女子のトモダチ作戦!
たった一人の友達に、絶交されちゃう! 仲直りの条件、それは 「クラス全員と友達になること」 親友と同じ学校に行けなかった新中学一年生の「一里ぼっち」。極度のコミュ障の彼女に、親友は友達作りミッションを与えた。最初に声をかけたのはちょっと怖そうな......。 「友達になってください」の一言がなかなか言えずに行動がおかしくなる「ぼっち」にヤキモキし、勇気を振り絞った「ぼっち」をホッとしながら見ていると、自分の中のコミュ障を呼び起こされつつ感情移入してしまう。 基本女の子達の笑えるやりとりで進行する、テンポのいいコメディだか、その中には友達一人作ろうとするたびに、様々な事情から来るドラマがあって、ひとつひとつが切なくて泣ける。 少しずつ増えていく友達たちが5巻あたりで集合すると、ものすごい感慨があるので、そこまで頑張って読むと幸せになること間違いなし! カバーや扉から可愛いトーンづかいまで、徹底して女子中学生っぽい空間を演出、こちらの脳内をカワイイ雰囲気に染めてくれる。 たくさんの笑いの中に、友達へと踏み込む大変さを思い出しながらほろっときてしまう、外見からは意外なほど心に響く作品。
あうしぃ@カワイイマンガ
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2019/10/17
クソガキ共よ、上野を遊べ!
わたし達、「カラーズ」。 小学生だけど、上野の街を悪から守る! ●泣き虫リーダー・結衣(レッド) ●明るい全力バカ・さっちゃん(イエロー) ●残酷な頭脳派・琴葉(ブルー) 今日も3人は上野恩賜公園にある秘密のアジトで作戦会議。今日のミッションは……? 上野を遊ぶカラーズ達は愛らしさ満点だけれど、遠慮ない言動で年長者達を翻弄し、面白いけれど危険球のネタを投げ続ける、警官の斎藤に言わせれば「クソガキ共」。 でも翻弄される年長者達も彼女らを温かく受け流し、遊びに乗ってやり、さらに進んで面白冒険ネタを提供するなど、子供達を見守る眼差しが平和で優しい。 『ひとりぼっちの〇〇生活』の四コマとは違う自由なコマ割りの中で、3人の配置にグラフィック的な趣向が凝らされており、スタイリッシュですらある。何ならアングラ路上パフォーマンス的な面白さもある。子供達にこの発想力を与えたカツヲ先生は神。 また、瞬間を切り取ったコマ送りのような表現がテンポよく、動きを感じさせる。 広大な上野恩賜公園とアメ横の迷路空間を、元気に駆け回る無邪気な小悪魔集団「カラーズ」に、こちらも翻弄されたくなる! 次巻第7巻は2019年10月26日発売!