hysysk1年以上前※ネタバレを含むコメントです。ブルーピリオド美大を目指す男子高校生の受験マンガ 1わかるラーメンは研究開発一杯の魂‐ラーメン人物伝‐ 本庄敬 大泉孝之介 武内伸hysysk時価総額世界1位の企業で働くアメリカの友達が「日本のラーメンはあれだけ研究開発されてるのに1000円くらいで食べられるのはあり得ない」と言ってひたすら食べ歩いていたのだが、これを読むとすごくそう思う。 全くの素人から始めた人、別の料理業界から転身した人など、色んな人が出てくる。約20年前の作品にも関わらず、紹介されている店のほとんどが今もしっかり現役で、当時は目標として語っていたことを実現していたりするのがすごい。冒頭に「豚ガラ鶏ガラ人柄の調和」というポエムを載せていて心配になったが原作者の目(と舌)は確かだ。今ではインスタントでも食べられてしまう「すみれ」は主婦がたまたま空いた店で始めたものだったとか、ガチンコ世代のスーパースター佐野実にこんな背景があったなんて知らなかった。 みんな大体ラーメンなんて簡単だろ、というところからスタートするのだが、徐々にその奥深さにはまっていく。スープは長時間火にかけると酸化する、気温や天気に合わせて麺の配合を変える、麺が変わるとスープにも影響する、旨味調味料に頼らないためにはどうするか、行列ができたら苦情にも対応しなければならない、複数店舗のオペレーション…そんな中で安定しておいしいラーメンを作るにはやはり職人的な技術や努力が必須で、味だけでなくインフラや組織作りにも工夫とイノベーションが要求される。 雑なバイトに読ませたいし、ヘッドフォンしてスマホ片手に食ってる客の画面に強制的に表示させたい名作。高校生になった『おらが村』のかつみかつみ 矢口高雄hysysk大好きな作品『おらが村』のかつみが主人公で、田舎の暮らしに憧れて東京から森田家にやってきた北川との生活が中心。北川が村の生活と農業に馴染んでいく過程で、田舎の良いところも悪いところも見えてくる。人間模様だけでなく、生活の知恵や習慣、野生の動植物の解説も描かれており、資料としても非常に素晴らしい。これを読めば片栗粉の作り方まで分かる。 当時の恋愛観や結婚観は今と違って非常に厳しく、自分は嫌だが、tinderとかで「ピピー!可愛すぎ警察の者です!」みたいな文章を送ってる人には最低3回くらい読み返して欲しい。 最後が『おらが村』に出てきた政太郎の言葉で締められていて良かった。hysysk1年以上前『ドキュンサーガ』をフォローをしましたショワワワ!昭和「時代」という衝撃19XX昭和の旅 徳光康之hysysk先日「昭和時代」という言葉を目にして驚いたのだが、考えてみれば自分も明治や大正のことは「明治時代」「大正時代」と呼ぶので、令和からすれば「昭和時代」でもおかしくはないだろう。 作者の記憶と共に当時の流行や風習が紹介されていて、とにかく熱量がすごい。合間に手書きの解説も入るのだが、これが本当に昭和のオタクという感じでめちゃくちゃ良い。 私は昭和57年生まれなので、全然知らなかったものから「あったな〜」というもの(口裂け女とかパワーリストとか)まで、とても面白く読めました。長らく不況とはいえ、今の方がよっぽど成熟してるし多様化してるし充実してると思うけど、少しはあの頃のワイルドさを思い出してみてもいいかも知れない。どこから読んでも面白いので安心してK2 真船一雄hysysk長期連載で、なんとなく手を出しにくいのかも知れないけど、これだけ続いているだけあって、どこから読んでも面白い。パターン化されてはいるものの、ツボを完全に分かってらっしゃるというか、話の起伏の作り方がうまくてめちゃくちゃカタルシスがある。しっかり新型コロナとその混乱も取り込んでるし。コミックDAYSで気楽に読めるので、安心して読み始めて欲しい。その土地の歴史と文化が詰め込まれている駅弁ひとり旅 はやせ淳 櫻井寛hysysk鉄道による日本一周で、各地域の駅弁を食べて弁当作りに活かすという、壮大なのか矮小なのか分からない理由で旅をする。そしてひとり旅と言いつつ何故か行く先々で同行者が出現して、だいたい2人旅になっている(弁当の種類を多く紹介できるからだろうが)。でもこういう突っ込みがいのある作品はいい作品が多い。溢れ出る熱量が天然の面白みを生む。 電車にも弁当にもその土地の歴史や文化が反映されていて勉強になるし、地元民は少し誇らしい気持ちにもなると思う。廃線になってしまったり、終売してしまった弁当もあるが、こういう形で記録に残るのは非常に素晴らしいことではないだろうか。 自分の地元の駅弁も出てくるが、住んでいた頃はそれほど電車に乗らなかったし、最寄りでもなくわざわざ行くところでもなかったので、全く知らなかった。次に帰省する時は寄ってみたい。ハードボイルド弁護士ヤメ検弁護士シャチ 加藤唯史hysysk法律的な正しさを至上とするゆえに検察組織のルールで動けず辞めてしまった弁護士。余裕で暴力も振るうのがいい。2話で1つの事件が完結する好きなタイプの作品(ザ・シェフに近い読み味)だが、犯行の動機や解決に至るまでの推理が割とあっさりしてるかも知れない。庶民的な怪人たちの生活超絶変身!! アースカイザー くぼたまことhysysk『天体戦士サンレッド』の怪人版という感じで、日本(静岡)の生活に馴染みながら世界征服を目論んでいる。基本的に残念なことになる話が多いが、ちょっと泣かせる展開もあったりして油断ならない。何故だか自分の普段の生活をありがたく感じて、お歳暮とか送ろうかなと思えてくる。当時の国民的テレビ番組のパロディは、若い人が読んでも全く意味が分からないだろうな。。現代にも息づく都市伝説トシサン ~都市伝説特殊捜査本部第三課~ 木村大介hysysk主人公は何故か絶対に死なない刑事で、都市伝説の真相を調べる任務についている。都市伝説自体の怖さと、それを利用する人間の怖さが絶妙に組み合わされて、けっこう怖い。時々はさまれる笑いと、絶対に死なないという設定が救いに思う。 話に出てくる都市伝説はネットなどで実際に噂されてたりするので、現代の都市伝説事情を知りたい人にもおすすめ。天上天下唯我喰麺!ラーメン大百科 やまだ浩一hysysk実在する(した)店のラーメンを紹介する食マンガ。 弟子の「ガッパ旨か〜」と主人公の「天上天下唯我喰麺!」という決め台詞がしつこい。しつこいと思いながらも出てこないと寂しい。天上天下唯我喰麺を求めてしまっている自分がいる。さらに蘊蓄を述べたあとに「まさにラーメンの◯◯!」という無理矢理な例えをしてくれてお腹いっぱい。 10年以上前の作品だが、閉店してしまった店や、さらに成功してチェーン展開してる店まで、今読んでも発見がある。法律で裁けないことは闇の司法で裁く!ジャッジ 細野不二彦hysysk法律で裁けない悪を「闇の司法」で裁くダークヒーロー。基本的に1話完結だが、悪人に味方する「闇の弁護士」が出てきたり、本当に悪いのは誰なのか分からなくなるような話があったりして、回を重ねるごとに面白さが高まってくる。 もっと読みたい!というところで終わってしまうのが残念とも言えるし、ちょうどいいとも言える。法の網を潜り抜ける悪人が登場しなければならないから、ちょっと残虐表現や不快な出来事が多くなってしまったのかも知れない。 « First ‹ Prev … 15 16 17 18 19 20 21 22 23 … Next › Last » もっとみる
hysysk1年以上前※ネタバレを含むコメントです。ブルーピリオド美大を目指す男子高校生の受験マンガ 1わかるラーメンは研究開発一杯の魂‐ラーメン人物伝‐ 本庄敬 大泉孝之介 武内伸hysysk時価総額世界1位の企業で働くアメリカの友達が「日本のラーメンはあれだけ研究開発されてるのに1000円くらいで食べられるのはあり得ない」と言ってひたすら食べ歩いていたのだが、これを読むとすごくそう思う。 全くの素人から始めた人、別の料理業界から転身した人など、色んな人が出てくる。約20年前の作品にも関わらず、紹介されている店のほとんどが今もしっかり現役で、当時は目標として語っていたことを実現していたりするのがすごい。冒頭に「豚ガラ鶏ガラ人柄の調和」というポエムを載せていて心配になったが原作者の目(と舌)は確かだ。今ではインスタントでも食べられてしまう「すみれ」は主婦がたまたま空いた店で始めたものだったとか、ガチンコ世代のスーパースター佐野実にこんな背景があったなんて知らなかった。 みんな大体ラーメンなんて簡単だろ、というところからスタートするのだが、徐々にその奥深さにはまっていく。スープは長時間火にかけると酸化する、気温や天気に合わせて麺の配合を変える、麺が変わるとスープにも影響する、旨味調味料に頼らないためにはどうするか、行列ができたら苦情にも対応しなければならない、複数店舗のオペレーション…そんな中で安定しておいしいラーメンを作るにはやはり職人的な技術や努力が必須で、味だけでなくインフラや組織作りにも工夫とイノベーションが要求される。 雑なバイトに読ませたいし、ヘッドフォンしてスマホ片手に食ってる客の画面に強制的に表示させたい名作。高校生になった『おらが村』のかつみかつみ 矢口高雄hysysk大好きな作品『おらが村』のかつみが主人公で、田舎の暮らしに憧れて東京から森田家にやってきた北川との生活が中心。北川が村の生活と農業に馴染んでいく過程で、田舎の良いところも悪いところも見えてくる。人間模様だけでなく、生活の知恵や習慣、野生の動植物の解説も描かれており、資料としても非常に素晴らしい。これを読めば片栗粉の作り方まで分かる。 当時の恋愛観や結婚観は今と違って非常に厳しく、自分は嫌だが、tinderとかで「ピピー!可愛すぎ警察の者です!」みたいな文章を送ってる人には最低3回くらい読み返して欲しい。 最後が『おらが村』に出てきた政太郎の言葉で締められていて良かった。hysysk1年以上前『ドキュンサーガ』をフォローをしましたショワワワ!昭和「時代」という衝撃19XX昭和の旅 徳光康之hysysk先日「昭和時代」という言葉を目にして驚いたのだが、考えてみれば自分も明治や大正のことは「明治時代」「大正時代」と呼ぶので、令和からすれば「昭和時代」でもおかしくはないだろう。 作者の記憶と共に当時の流行や風習が紹介されていて、とにかく熱量がすごい。合間に手書きの解説も入るのだが、これが本当に昭和のオタクという感じでめちゃくちゃ良い。 私は昭和57年生まれなので、全然知らなかったものから「あったな〜」というもの(口裂け女とかパワーリストとか)まで、とても面白く読めました。長らく不況とはいえ、今の方がよっぽど成熟してるし多様化してるし充実してると思うけど、少しはあの頃のワイルドさを思い出してみてもいいかも知れない。どこから読んでも面白いので安心してK2 真船一雄hysysk長期連載で、なんとなく手を出しにくいのかも知れないけど、これだけ続いているだけあって、どこから読んでも面白い。パターン化されてはいるものの、ツボを完全に分かってらっしゃるというか、話の起伏の作り方がうまくてめちゃくちゃカタルシスがある。しっかり新型コロナとその混乱も取り込んでるし。コミックDAYSで気楽に読めるので、安心して読み始めて欲しい。その土地の歴史と文化が詰め込まれている駅弁ひとり旅 はやせ淳 櫻井寛hysysk鉄道による日本一周で、各地域の駅弁を食べて弁当作りに活かすという、壮大なのか矮小なのか分からない理由で旅をする。そしてひとり旅と言いつつ何故か行く先々で同行者が出現して、だいたい2人旅になっている(弁当の種類を多く紹介できるからだろうが)。でもこういう突っ込みがいのある作品はいい作品が多い。溢れ出る熱量が天然の面白みを生む。 電車にも弁当にもその土地の歴史や文化が反映されていて勉強になるし、地元民は少し誇らしい気持ちにもなると思う。廃線になってしまったり、終売してしまった弁当もあるが、こういう形で記録に残るのは非常に素晴らしいことではないだろうか。 自分の地元の駅弁も出てくるが、住んでいた頃はそれほど電車に乗らなかったし、最寄りでもなくわざわざ行くところでもなかったので、全く知らなかった。次に帰省する時は寄ってみたい。ハードボイルド弁護士ヤメ検弁護士シャチ 加藤唯史hysysk法律的な正しさを至上とするゆえに検察組織のルールで動けず辞めてしまった弁護士。余裕で暴力も振るうのがいい。2話で1つの事件が完結する好きなタイプの作品(ザ・シェフに近い読み味)だが、犯行の動機や解決に至るまでの推理が割とあっさりしてるかも知れない。庶民的な怪人たちの生活超絶変身!! アースカイザー くぼたまことhysysk『天体戦士サンレッド』の怪人版という感じで、日本(静岡)の生活に馴染みながら世界征服を目論んでいる。基本的に残念なことになる話が多いが、ちょっと泣かせる展開もあったりして油断ならない。何故だか自分の普段の生活をありがたく感じて、お歳暮とか送ろうかなと思えてくる。当時の国民的テレビ番組のパロディは、若い人が読んでも全く意味が分からないだろうな。。現代にも息づく都市伝説トシサン ~都市伝説特殊捜査本部第三課~ 木村大介hysysk主人公は何故か絶対に死なない刑事で、都市伝説の真相を調べる任務についている。都市伝説自体の怖さと、それを利用する人間の怖さが絶妙に組み合わされて、けっこう怖い。時々はさまれる笑いと、絶対に死なないという設定が救いに思う。 話に出てくる都市伝説はネットなどで実際に噂されてたりするので、現代の都市伝説事情を知りたい人にもおすすめ。天上天下唯我喰麺!ラーメン大百科 やまだ浩一hysysk実在する(した)店のラーメンを紹介する食マンガ。 弟子の「ガッパ旨か〜」と主人公の「天上天下唯我喰麺!」という決め台詞がしつこい。しつこいと思いながらも出てこないと寂しい。天上天下唯我喰麺を求めてしまっている自分がいる。さらに蘊蓄を述べたあとに「まさにラーメンの◯◯!」という無理矢理な例えをしてくれてお腹いっぱい。 10年以上前の作品だが、閉店してしまった店や、さらに成功してチェーン展開してる店まで、今読んでも発見がある。法律で裁けないことは闇の司法で裁く!ジャッジ 細野不二彦hysysk法律で裁けない悪を「闇の司法」で裁くダークヒーロー。基本的に1話完結だが、悪人に味方する「闇の弁護士」が出てきたり、本当に悪いのは誰なのか分からなくなるような話があったりして、回を重ねるごとに面白さが高まってくる。 もっと読みたい!というところで終わってしまうのが残念とも言えるし、ちょうどいいとも言える。法の網を潜り抜ける悪人が登場しなければならないから、ちょっと残虐表現や不快な出来事が多くなってしまったのかも知れない。
時価総額世界1位の企業で働くアメリカの友達が「日本のラーメンはあれだけ研究開発されてるのに1000円くらいで食べられるのはあり得ない」と言ってひたすら食べ歩いていたのだが、これを読むとすごくそう思う。 全くの素人から始めた人、別の料理業界から転身した人など、色んな人が出てくる。約20年前の作品にも関わらず、紹介されている店のほとんどが今もしっかり現役で、当時は目標として語っていたことを実現していたりするのがすごい。冒頭に「豚ガラ鶏ガラ人柄の調和」というポエムを載せていて心配になったが原作者の目(と舌)は確かだ。今ではインスタントでも食べられてしまう「すみれ」は主婦がたまたま空いた店で始めたものだったとか、ガチンコ世代のスーパースター佐野実にこんな背景があったなんて知らなかった。 みんな大体ラーメンなんて簡単だろ、というところからスタートするのだが、徐々にその奥深さにはまっていく。スープは長時間火にかけると酸化する、気温や天気に合わせて麺の配合を変える、麺が変わるとスープにも影響する、旨味調味料に頼らないためにはどうするか、行列ができたら苦情にも対応しなければならない、複数店舗のオペレーション…そんな中で安定しておいしいラーメンを作るにはやはり職人的な技術や努力が必須で、味だけでなくインフラや組織作りにも工夫とイノベーションが要求される。 雑なバイトに読ませたいし、ヘッドフォンしてスマホ片手に食ってる客の画面に強制的に表示させたい名作。