神羅万送デリバリア
サイバーハザードが発生し、ネットワーク社会が混乱! そうした中、合法違法を問わず、人類の流通のために活躍していた者たちがいた。それは旧来のネットワークに依存しない配送システムを駆使し、「あらゆるものを、どこへでも」届ける戸口宅配業者たちだ。彼らは人々にデリバリアと呼ばれた。弱小ながら業界内外を問わず有名な運送会社『ケイマ・インターセプト・デリバリー』、通称『KID』には、様々な依頼が舞い込んできていた。家業を手伝いながらレーサーになる夢を持つ高校生、彗馬翼(ケイマヨク)、元流通省のエリートで凄腕のハッカーでもある父の創(ソウ)、そして伝説のデリバリアの祖父、皇(オウ)。この親子三代が経営する運送会社『KID』の活躍を描く、近未来人情物語をお見逃しなく!
Heaven【合本版】
淫欲にまみれた女たちを満たすため、俺はセックス(仕事)をする―――。ある日突然、俺と妹を残して母が失踪した。残された多額の借金を返すため、俺は闇金の奴隷になった。たどり着いたのは「Heaven」と呼ばれるホストクラブ。そこは、カネと酒、女の欲望がうずまく異様な場所だった…。大金を出し結人(ゆいと)を買うセレブ妻たち。「ねぇ、抱いて…?」――ここは「天国」か「地獄」か!?【※この作品は「Heaven」の第18巻~23巻を収録した合本版です。重複購入にご注意ください。】
エデンの星
はじめに… この作品は実際にあった事実をベースに作られたものである。 この恐ろしい話と出会ったのはかれこれ30年以上昔の話。その頃はまだデビュー前の私は、本屋や図書館に通っては様々なネタを探していた。そんな中、ふと何かの本で目にしたエピソードがこの話の根底にある。 それは第二次世界大戦中、旧ソ連で起こった実際の悲劇。ドイツ軍によってソ連兵7名が捕虜となり、国境近くの小さな教会の地下室で丸裸の状態で閉じ込められた。そして、約2カ月がたった頃、ようやく戦争は終結に向かい、捕虜となった7名の内、2名が仲間のソ連軍によって救出され【奇跡的】に生還した―、という物語である。 【奇跡的】にという言葉はある種、とても便利な言葉だ。しかし、そこに想像が介入することで物語は途端に現実性をおび、醜怪さや悍ましさ、狂気や悲憤、そして絶望などが一気に表面化する。彼らは60日にも及ぶ監禁生活の中、いったいどのようにして生き伸びてきたのか。このテーマは若かった私にはあまりにも重いテーマだった。いったんはネーム(漫画を作る上での設計図のようなもの)を起こしてみたがそれはただ単に事実をトレースしただけのもので、命の尊厳も何もないただのコマの羅列でしかなく、とても作品と呼べるような代物ではなかった。 それから10年ほどした頃だろうか。私はその頃細々とやっていた連載も打ち切りになり、生活のために、知り合いの漫画家のところでアシスタントをしたり、短編漫画を描いたり、小さなカットを描いたりして、なんとか糊口をしのいでいた。この先の漫画家人生に不安を思いつつ、持ち込み用作品を描くためネタ帳を漁っていた時、この漫画のプロットが目にとまった。その頃、デビューして10年も過ぎた私には、カニバリズムを含む作品が如何に掲載が難しいか、商業ベースで使えないジャンルであるなど、十分にわかってもいたが、気が付いたときには夢中でこの作品を描いていた。 今振り返ると、キャラクターの絵柄をアニメ風にしてみたり、グロい表現をベタ(黒)で潰してみたりと、それなりに配慮をしているのがわかる。こうしてようやく完成した作品だったが、予想通り、どこの出版社に持ち込んでも、口をそろえたかのようにすべて拒絶された。 当たり前といえば当たり前の結果だった。 そしてこの作品は封印され、押し入れの奥で眠ることとなった。 その後、友人の漫画家からあのエピソードを基にした戯曲があると聞き、バリーコリンズの「審判」を探し出し夢中になって読んだ。またその戯曲が一人芝居にもなっていると聞いて、それも見に行った。バリーコリンズの戯曲は一人芝居という切り口で、生き残った最後の一人が主人公として法廷で告白し、その事件を淡々と語っていくという手法で、それは私にとって大変衝撃的だった。 一人芝居という発想は漫画には無い。(もちろん別格的に優れた一人キャラの作品もあるが)基本的に物語をキャラクターと絵で見せていく手法と、言葉による力で想像を喚起させる手法とではまったく真逆のものであるからだ。そして、同じテーマを扱っても、戯曲や芝居では世に出せる物語も漫画の世界ではタブー視されることもまた真逆だと感じたし、それに対する憤りも感じた。 ともかく、私の「エデンの星」はその後も眠り続け、気が付けば描き上げてから四半世紀が過ぎようとしていた。 今現在、漫画家たちは、出版社の型から飛び出しはじめ、自ら作品を直接読者へ発表できる時代になった。今回長い、監禁生活を強いられてきた、拙作「エデンの星」がようやく押し入れの暗闇から光のある世界へ踏み出し、読者の皆様に読んでいただけることを本当にうれしく、感謝の思いしかない。 主人公の「ヒロ」は作中でも閉じ込められ、そして現実世界でも閉じ込められ続けた私の漫画の中ではもっとも可哀そうな主人公であり、私が最も思い入れのある主人公かもしれません。 最後に、最後まで読んでくださった皆様に心からの御礼を申し上げます。佐佐木あつし
お気に召すまま シギサワカヤ短編集
行きずりの恋・刹那の恋・カラダから始まった恋・忍ぶ恋――コミックス未収録の恋愛ショート25本を中心に「楽園」表紙イラストも多数カラーで収録した著者初のワイドなA5判コミックス。
えりちゃんちはふつう
「マザーファッカーズ」「ひみつのおねえちゃん」でお馴染みのエッセイコミックの名手が贈る「楽園」web増刊発表作で構成する自叙伝的作品集。切なくて愛しい、世界中の「かつての貴方」へ送ります。
養護施設を追われた子ども~秀の物語~
父ちゃんが犯罪者だからオレも“危ない”のかよ!! 教室で刃物を振り回わして号泣する小1男児の心の叫び!! 里親家庭、由志摩家にやってきた東郷秀は小学1年生。父が強盗未遂で逮捕され、旦那に愛想を尽かした母にも捨てられた。定職につかずギャンブルで遊び暮らしていた父から「欲しいものは他人から奪い取れ」「力の強い者が勝つ」などと口癖のように聞かされて育った秀は思い通りにならないと些細なことでキレて暴れ、児童養護施設でも持て余された挙句、由志摩家に預けられたのだった。受け入れた当初は秀の粗暴な振る舞いに手を焼いていた由志摩夫妻だったが 秀をそそのかしていた不良男を鉄男が体を張って撃退したことで秀の態度が変わる。秀は家庭でも学校でも素直に言うことを聞いて周囲に馴染むようになるが、そんな矢先、「強盗犯」の父と秀の2ショット画像がクラス内で拡散し… 「児童養護施設の子供たち」で衝撃を与えた著者が描く里親シリーズ第4弾!
ホワイト会社に首ったけ!
<雇用条件>給与:基本給35万円。賞与年2回。業務内容:心霊写真の製作。※昇給あり。待遇:業務時間外の飲み会なし。雨の日は自宅待機。イケメン社長とボードゲームし放題。ランチ後に出社もOK。17時定時。ブラック企業に嫌気がさした青田が転職した先は“簡単な画像加工”をする会社。超好待遇のホワイト会社だけど、イケメン社長が生首で!?